September 06, 2006
『心の鏡』に『アルジャーノンに花束を』の原点あり
キイスって知ってる?
ダニエル・キイス、という作家の名前を知らない人でも、『アルジャーノンに花束を』や『24人のビリー・ミリガン』という著作を知っている人は多いでしょう。しかし、『アルジャーノン──』が元々は短編だったことは知らないのでは?
その『アルジャーノン──』の短編が載っているのが、今回紹介する『心の鏡』です。
SFなので早川さんも読んでいることでしょう。──いや、Science Fictionというよりは「すこし・ふしぎ」な話が多いので、どうかな。
──それはさておき、収録作品から特に面白かった物を紹介。
『エルモにおまかせ』
人間の「やっかいごと」を解決するために作られたスーパ・コンピュータ《エルモ》と、専属コンピュータ技師が主人公です。彼らはのんびりとチェスなどに興じていたのですが──
──彼らの前に突然、異星人が来襲!(ええ!?)地球人に対し、アジア大陸を要求!!(えええ!?)その要求にコンピュータ技師が出した結論とは──。
ラストのワン・アイデアがすべて、という印象を最初に受けました。──しかし、よく考えると「この話の後」をいくらでも考えて楽しめる作品であることに気がつきました。短編というのは、オチを付けて完結させるだけではないのだな、と。それは、この短編集に載っている作品すべてに共通していますね。
『アルジャーノンに花束を』
実際に作者が接したことがある、「利口になりたいと願っている少年」をベースにした話であることが、前書きで語られています。もっとも、その少年と、本作の主人公であるチャーリイ・ゴードンはまるで別人とのこと。
恐るべきスピードで天才になっていく青年が描かれています。その青年の生き様同様、凄まじいスピード感を感じました。顛末は長編と同じですが、このスピード感は長編にはなかった。
やはり、最後の一行が心に残る作品ですね。
『心の鏡』
いわゆる《超能力》を持った少年少女たちを、「彼らを求める時代」へ、時空を越えて送り込むことを仕事にしている男が主人公。
『イキガミ』のように、主人公は単なる語り部で、超能力者に話の焦点が当たると思ったのですが──。
主人公が出会った少年は、会うたびに口調が変わったり、彼を知る人物に話を聞くとまるで印象が異なったり──そういったミステリアスな部分も面白い。
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[タイトルそのまま][短編の教科書みたいな一冊][アルジャーノンかわいいよアルジャーノン]

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