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ブラックなショート・ショート集

筒井康隆氏のショート・ショート集を読みました。

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笑うな
筒井 康隆
新潮社 1980-10

日本以外全部沈没―パニック短篇集 最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 傾いた世界―自選ドタバタ傑作集〈2〉 家族八景 七瀬ふたたび

by G-Tools , 2006/12/22

表題作の『笑うな』のような馬鹿馬鹿しい作品や SF、ホラーのような短篇など、は実に多彩な全 34 編の作品集になっています。

オチが凄い

短篇というと、オチに注目が集まります。本作品集に収録されている作品は、どれもオチが凄い。スパっと切れ味鋭く終わっている作品もあれば、「ええ !?」と意外なオチ、終わっているのかどうか曖昧なオチ、と様々ですが、ほとんどが予想もつかないオチになっています。

また、書き出しも凄い。新婚二年目の妻が警官から強姦されている話や、飼い犬の「上層思念」が意識領域に流れ込んできた話など、「どうやってショート・ショートで終わらすんだ?」という始まり方をします。いくつかの短篇は、そのまま長編にしてもおかしくないくらいです(「短篇とは、長編が書けるネタで書く短い作品だと思う」と森博嗣さんが『森博嗣のミステリィ工作室』でおっしゃっていますが)。

そうすると、始めと終わりだけで中身は面白くないのか、というと、中身も面白いから困る。──いや、全く困る必要はないのですが。

『トーチカ』

一番好きな作品は『トーチカ』です。火星で行われる「遊戦(ゆうせん)」という、実弾を使った「戦争ごっこ」を描いた退廃的な SF です。なにより、『時計じかけのオレンジ』を彷彿とさせるスラングだらけの文体が面白い。

(略) こちらからの攻撃(アタクリ)は、さっきから全然敵(ベネミ)に被害(イタイタ)を与えていないのだ。俺は焦(イラサイト)した。敵は光線遮断膜(サランラップ)を使っているらしい。

と、全編こんな調子(上記で《カッコ》の部分はルビで書いてある)。この作品も最後で二重三重のどんでん返しが仕掛けてあります。(『ミステリィ工作室』を書いていた頃の)森博嗣さんなら「これは立派なミステリィですね」と語りそう。


全然関係はないけど

『時計じかけのオレンジ』で検索すると、こんな物を見つけました。

アレックス気分に浸るために、部屋に飾りましょう。

ちょ w 人の顔にぶつけてはいけません。

──というか、「目玉型カフスボタン」を必死に探したことを思い出した。アレックスがかぶっている帽子は人にあげちゃったけど、買い直そうかな。

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