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『土を喰う日々』

『土を喰う日々』を読みました。『美味しんぼ』ファンにはおなじみの一冊で、山岡 士郎が日本で一冊だけ読むに値する、と言っていた本ですね。

あらすじ - 美味しんぼ塾ストーリーブログ: 第33巻

著者の水上 勉(みずかみ つとむ)氏はすでに故人だったのですね、知りませんでした……。

水上勉 - Wikipedia

本書は、軽井沢に住む著者が「畑と相談して」、日々の食事を工夫する様子を書きつづった一冊です。

裏表紙や後書きで「クッキング・ブック」と紹介していますが、レシピはほとんど出てきません。子供時代に禅寺で暮らした著者だけあって、食というものの考え方が深く語られています。

「梅干の生命は人のそれより長い」

感慨深かったのが、梅干しの話です。

著者の家には大正十三年に漬けた梅干し(!)がいくつかあったそうで、「五十三年も生きていた梅干しに、泣いた(p.106)」そうです。しかし、そのことをフィクションと取った読者から(わざわざ)電話がかかってきた、という話がちょっと悲しい。

自分の漬けた梅干しを「作品」と呼び、梅干しが入った瓶を眺め、「これらのぼくの作品がぼくの死後も生きて、誰かの口に入ることを想像するから(p.110)」嬉しいという著者の姿を思い浮かべると、梅干しというものを見る目が変わってきます。自分も、梅干しが好きなので、漬けてみようかな……。

リスの夫婦

作家のところには、話になる動物がやってくるようです。

庭にやってくるリスの夫婦の話が面白い。別に飼っているわけではないので、すべて著者の主観ですが、短篇が一作かけそうな出来事がありました。続きは Web で、ではなく、ぜひ本でどうぞ。

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