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『マシニスト』

『マシニスト』は、とても奇妙な映画です。

マシニスト マシニスト公式サイト

マシニスト - Wikipedia

主人公の男が一年間眠れなかった、というのが話の中心。なぜ、主人公はそれほど長い間、眠る事ができなかったか、というのが最後まで謎になっています。

公式サイトのアドレス(www.365sleepless.com)がなかなか洒落ています。しかし、タイトルの『マシニスト』は「機械工」という意味で、単に主人公の職業を表しているだけ。最後まで見ても、主人公が機械工でなければならない意味はなかったように思います。せっかく、何重にも意味をこめられそうな響きなのに(「ロボトミー」を人間をロボットのようにする手術、と間違えるように)。なんというか、この煮え切らなさが、この映画を象徴しているような……。

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マシニスト
クリスチャン・ベール ジェニファー・ジェイソン・リー ジョン・シャリアン
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居眠りはする主人公

一年間眠っていない、というのが話の根幹にあるはずなのに、始まってすぐに居眠りばかりする主人公。つまり、正確に言うと「安眠できない」のが本当のところでは。

いつも眠ろうとすると、実にタイミングよく邪魔が入って、深く眠る事ができない。

すると、そこに何かあるのではないか、主人公を眠らせないような不思議な力がかかっているのではないか、と見てしまう。それならそれで、色々な可能性を考えながら見ていたのですが──うーむ。そこまで深く作ってなかったです。

理不尽な出来事

そういえば、自分が最近見る映画は、

「主人公の周りで理不尽な事が起こり、最後に理由が解き明かされる」

という話ばかり。

この手の話は、最後のオチをどうするか、どう見せるか、が焦点になってきます。観客をいかにだますか、楽しませるか──。

この映画は主人公が不眠症で、居眠りばかりしている。そうすると、どんなに理不尽な事が起こっても「幻覚だろうな」、とすぐに思ってしまうのが、サスペンスやミステリィのファンというもの。そして、ミステリィ好きは、オチが見えてきても、「でも最後にどんでん返しがあるに違いない」とワクワクしながら見るものです。

さて、そんなミステリィファンが見るに堪えられるオチがこの映画にあるかというと──。

まとまりが悪い

オチはともかくとして、この映画の不満なところは、まとまりが悪いところです。

全体的に、何か意味ありげな、思わせぶりな場面が多いです。オチを見ると、ある程度は納得できるのですが、それにしても、もう少し「臭わせる」ような演出でいいのでは、と思ってしまいます。

DVD 特典で、カットされた映像がいくつか入っています。どれも余計なシーンばかり。だからこそカットされたのですが、あのようなシーンを撮ること自体、この映画をどう見せたいか、まとまっていないのでは、と想像しました。

必要なのだろうか?

さて、ここまで意図的に書くのを避けていたことがあります。

それは、主人公を演じたクリスチャン・ベールが、30kg 近くの減量を行ったこと。これは、『マシニスト』について語るとき、誰もが真っ先に口に出すので、わざと封じました。

だって、そこまで痩せる意味ないだもん。

最後まで見れば、なぜ主人公は一年間も不眠症が続いたのか、理由はわかる。しかし、だからといって、あそこまで痩せるか? と。けっこう、食事のシーンも多いし。『セブン』みたいに、むしろ、一年間眠っていた、のならわかるけど。

逆にいうと、もしも主人公があそこまで痩せていなかったら、この映画で他に見るべきところはどこにあったのか──。

シャマランだったら

この映画を見て、強く思ったのが、

「やっぱり、オレ、シャマランが好きだ!」

ということ。

M・ナイト・シャマラン - Wikipedia

「ミステリィ・サークルはなぜできたか」とか、「古風な村の外側はどうなっているのか」という問いに、「はい、○○○~!」「えええー !?」みたいな。大の大人たちが寄って集って、おそらく真面目な顔をしながら作ったのであろう映画のオチが、これか! と。

『マシニスト』の脚本・監督がシャマランだったら、どうやってオチをつけるか。それを見てみたい。きっと彼だったら、「そんなアホなことあるかー!」、と満面の笑みでちゃぶ台返ししながら叫びたくなる、そんなオチを付けられたはず。

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