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『ランド・オブ・ザ・デッド』

『ランド・オブ・ザ・デッド』はゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督作品だけあって、ゾンビへの愛にあふれた映画です。

ホラー映画だけあってスプラッタな表現も多いのですが、不思議なくらいユーモラス。ありがちなお色気シーンも少なく、ゾンビ物にありがちなチープさを感じない、いい作品でした。

死んだらゾンビ

よくある作品のゾンビは、

  • 主食は人肉
  • 動きが鈍い
  • 頭部を破壊すると「死ぬ」(停止する)
  • 噛まれた者もゾンビになる

という設定がほとんど。

その「前提」でゾンビ作品を見るからこそ、『ドーン・オブ・ザ・デッド』の「走るゾンビ」という設定が活きてくるわけです。

『ランド~』ではどうかというと──なんとこの映画の世界では、

人間は死んだらゾンビになる!(ええー !?)

ゾンビに噛まれたら、とか、ゾンビに殺されたら、ではなく、自然死でもゾンビ化してしまう。実際、金持ち父さんが首を吊ってゾンビ化する場面がありました。

おちおち死ねない時代。

というか、自殺するということは「死んでからおまいら喰い殺してやる!」と言っているに等しい。どうしても自殺したい人は、『ハエ男の恐怖』方式がお勧めですね(?)。

考えるゾンビ

本作のもう一つの特徴が、「考えるゾンビ」。

冒頭で、あるゾンビが人間だった頃を思い出したのか、ガソリンスタンドで働いていた頃のように、給油する動作をしています。

その黒人じーさんゾンビは、仲間と会話し、武器も操る。最終的にゾンビのボスになり、ゾンビ達を率いて人間たちの住む街まで乗り込んできます。

仲間が倒されると嘆き、ゾンビが人間の見せ物にされているのを見ると憤ったり。人間と同じように、感情があるかのように振る舞います。

悪いヤツはいない?

そんなじーさんゾンビも含め、まるでこの作品では、

「この世には本当に悪いヤツはいない」

かのような描き方です。

主人公達から、圧政を住民に強いていると非難された街のボス。しかし、彼は街をゾンビから守るために資金を投資した、という過去があります。その人がいなかったら、とっくに街はゾンビに滅ぼされていたかもしれない。だったら、見返りがあってもいいじゃないか、と思えてきます。

その悪役のボスは、いかにも金持ちという風貌なのですが、なんと、かのデニス・ホッパー!

デニス・ホッパー - Wikipedia

また、主人公のライバル役の男も、最初は金にがめつい奴、という見せ方。しかし、「自分の家が欲しいから汚い仕事も引き受けた」という、なんだか真っ当な理由。しかも、後半でボスに反旗を翻した理由が、当然の報酬を得られなかったから。反抗する方法はともかく、労働者としては当然の態度を取ったまで、のような。このライバル役の最期も、なかなか見せてくれました。

ゾンビたちもまた、まるで「居場所を追われた野生動物」のような描き方。途中でゾンビを見世物にする店が出てきて、それを楽しむ人間の方がたちが悪い、と思わせます。

──とはいえ、人間が近づいたら喰われるわけだが。そのあたりが、野生動物っぽい。

主人公とヒロイン

主人公と、彼の影のような相棒、そしてヒロイン。

この三角形が作中に出てきた場合、当然のように、相棒は「スピードワゴンはクールに去るぜ」になるかと思いきや、意外とヒロインとの掛け合い漫才が何度か出てくる。主人公は孤独を愛する人物なので、彼はこのまま独りなのかも。

「安易に主人公とヒロインのラブシーン禁止・友の会」会員としては、この展開は非常に面白かったです。

ラストの、ゾンビのボスと主人公が見つめ合うシーンといい、ラブシーンが無いところといい、血みどろなのに上品さを感じる良作でした。

coco さんの感想

──と、まともにロメロ監督のゾンビ三部作を見ていない(スンマセン)、シロートの感想はこれくらいにして。

ホラーの歴史も絡めた、coco さんの素晴らしい感想をどうぞ。

Horror & SF - coco's bloblog: [映画]『ランド・オブ・ザ・デッド』 ジョージ・A・ロメロ監督

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