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『13人目の探偵士』

山口雅也氏といえば、1989年に『生ける屍の死』で作家デビューというのが定説ですが、じつはそれ以前に長編を発表していました。それが、今回紹介する『13人目の探偵士』のゲームブック版です。

ゲームブック - Wikipedia

ゲームブック版の『13人目の探偵士』は 1987 年に発表され、当時中学生の asiamoth 少年は──あんまりよくわからないままクリアした記憶があります。デビュー作だけあって、とにかく凝りに凝った構造のミステリィで、トリックもオチも世界観も入魂の一作だったんですね(厨房には早い、ということ)。

本人によると、このゲームブックがあったからこそ、『生ける屍の死』を書く機会ができたそうです(本書の p.397 を参照)。

以前紹介した、『ミステリーズ』や『マニアックス』とは全然方向性が違い、コミカルな楽しいミステリィでした。

山口 雅也『ミステリーズ』『マニアックス』 : 亜細亜ノ蛾

ゲームブックの要素まで盛り込んでいたり、かなりの意欲作ですよ。さらに、後に続く『キッド・ピストルズ』シリーズの第一作(番外編?)でもあり、ファンなら読んでおくべし! ですね。

パラレル英国

本書の特徴は、まず、舞台が「パラレル英国」であること。

そこは、シェイクスピアの『ハムレット』として発表され、ビートルズは全員健在で、「名探偵」が警察よりも身分が上、という楽しい世界。

とくに、名探偵たちは国王から「探偵士(マスター・オブ・ディテクティブ)」という称号を与えられ、72 時間だけ警察よりも先に捜査権を行使できるという、まるでミステリィのために創られたような世界です(その通りだけど)。

警察たちはそのせいか、どちらかというと犯罪者達に近いような、パンクな人たちばかり。しかし、捜査報告を行うときは、

「──以上、探偵士の聖典『緋色の研究』」に誓って、偽りなき報告を申し上げます」(p.81)

と決まり文句を告げるという、徹底した探偵至上主義な国なのです。

作者が、いかにミステリィと探偵が、そしてシャーロック・ホームズが好きか、本書から強く伝わってきます。

シャーロック・ホームズ - Wikipedia

ゲームブック

ゲームブックが流行っていた当時(80 年代)は、ゲームブックであれば、ほとんど残らず買っていました。

──と言いたいところだけれど、下記リンクを見てみたら、とてもじゃないけど全部は買ってないなー。せいぜい、「近所の本屋に置いてある分を買った」くらいかな。

ゲームブック倉庫番

国産のゲームブックは素晴らしいものが多く、特に『ドルアーガの塔』や『ゼビウス』が凄かったですね。いまでもやりたいくらい。

というか、今すぐにでもやりたいところですが、全部 O☆KA☆N に捨てられた……(ありがち)。『13 人目の探偵士』のゲームブック版も、持っていたのに。『ウォーロック』という、超マニアックな雑誌なんて、いまは絶対入手できないのでは……。

ウォーロック - Wikipedia

それはそれとして。最近復刊したゲームブックの情報は、こちらをどうぞ。

ゲームブック 復刊特集ページ

「忘れじの80'sカルチャー「ゲームブック」が復活の兆し!?」 週刊!エキサイト | Excite エキサイト : ニュース

また、ゲームブックのブーム、来るのかな……。

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