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『バッファロー'66』(Buffalo '66)

正直、開始 10 分くらいで投げ出したくなった映画です(笑) その原因となった「主人公と両親との再会シーン」で やめなくて良かった! 最後まで見たら評価が一変、じんわりとイイ感じの恋愛映画ですね。

ヴィンセント・ギャロが監督・主演・脚本、さらに音楽・美術・撮影監督・編集・衣装、メイクまで こなしています(!)。低予算のため、キャスティングも、ギャロ自身が好みの俳優・女優に電話をかけて出演を頼んだという、まさに「ギャロのギャロによるギャロのための映画」です。

これまた昨日(『アダプテーション』 非モテにはショッキングなシーン! : 亜細亜ノ蛾)と同様、「ストーリィだけ聞くと、絶対に面白く思えない映画」です。

とにかく、独特で ちょっとレトロな映像と音楽が素晴らしい! 全編がプロモーション・ビデオのように美しいのです。セリフは ちょっと汚い言葉や罵声が多いので、セリフをカットして音楽を流し、バックグラウンド・ビデオにしたいくらい。

──そうそう、本作のヒロインであるレイラを演じたクリスティーナ・リッチの名前にピンと来た人も、見る価値ありますよ。あの『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役だった子です! 「どこかで見たことあるなー」と思いつつ、ついさっき調べて気付きました。──そ、そうか、あの子が こんなに成長していたのか……。

photo
バッファロー'66
ヴィンセント・ギャロ クリスティーナ・リッチ ロザンナ・アークェット
ポニーキャニオン 2000-03-17

ブラウン・バニー Buffalo 66 GO! GO! L.A. デラックス版 トレインスポッティング DTSスペシャル・エディション 〈初回限定生産〉 ガーゴイル

by G-Tools , 2007/12/17

ヴィンセント・ギャロ

ぶっちゃけた話、本作品はヴィンセント・ギャロのナルシシズム全開映画、と言えます。

ギャロが演じる、主人公のビリー・ブラウンは、開始 5 分くらいで最悪の印象でした。とにかく、些細なことで腹を立てる、嘘をつく、女性に対して暴力をちらつかせる、という感じ。

しかし──、ふと思ったのが、「こういう男が好き、という女性は多いんだろうな」と。過去にも、客観的に「どう見ても人間のクズです。本当に(ry」という男にゾッコンの女友達を何人も見ました(望遠)。

きっと彼女たちの脳内では、本作の主人公も、

「カレは世界一優しいの!(私だけには)」

「ホントは、繊細で傷つきやすい人なの(私が一緒にいてあげなくちゃ)」

──と思っているんだろうな……。これだからスイーツ(笑)は(あ、言っちゃった)。

あ、でも、悔しいかな(?)ヴィンセント・ギャロってグッド・ルッキング・ガイですからね(←核心)。そこを忘れて(勘違いして)、明日から本作の主人公っぽく振る舞うことの無いように……。

両親との再開

さて、自分が投げ出したくなったシーン、主人公が久しぶりに両親に会う場面ですが──。

ここまでで、主人公に最悪な印象だったのが、「この親にしてこの子あり」な環境だったことが わかるわけです。

もう、本当にこの母親は「お、女を本気で殴りたいと思ったのは生まれて初めてだ……(by. 夜神月)」です。父親も、温厚そうなので なめていると……。

──例えば、ホラーの作家は、読者を心底怖がらせようとする。ドラマの作家は感動させたいし、ミステリィ作家は「お!」と叫ばせる一行のために何ページも割く。

そう考えると、本作の「家族団らん」シーンで不快になったのは、ギャロから見れば大成功なんです。なぜなら、作中の両親のキャラクタは、ギャロの両親がモデルで、彼は両親が嫌いだったそうです。トラウマになった子供時代が、この映画の元になっているわけですね。

そのため、彼は 16 歳で家を飛び出し(半分追い出され)、いろんな世界を見て回ったそうです(DVD 収録のインタビューを参照)。ギャロの視点からすると、あまり良くない両親ですが、結果的に成功した彼は、いまでは両親に感謝しています。

──ようするに、なんでも環境のせいにして すねる人もいれば、成功する人もいる。うーん、人生だなぁ(意味不明)。

クリスティーナ・リッチ

月日の経つのは早いもので──。

「あの」ウェンズデー役 時代の面影は、身長と顔しか残っていない──というと失礼でしょうか?(わかっていて発言) なんというか、その、ものすごい体型ですよね……。

それにしても、彼女も登場からしばらくは、印象悪かった。見てもらえばわかるのですが、「なんで逃げへんねん!」と 2 万回くらい叫びたくなります。

──で、薄々 気付くのですが、けっきょく、いつのまにか主人公に惚れてました、と。これだからスイーツ(笑)は……。

ところが、後半になると、ヒロインとしての彼女の存在が、この映画を支えていること に気付きます。そして、いつの間にか好印象に。

──なにか、本当に不思議な映画ですね。途中で投げ出したくなったのに、見終わったあと「良い映画だったな」と思い、各シーンを見直しました。

そういえば、作家の森博嗣さんは、小説内で人物を初めて登場させるとき、悪印象を持たせる事があるそうです。初対面で最悪の印象で、徐々に好印象にしたほうが、逆の場合よりも好かれるので。──これ、リアルの世界でも応用できますよ。

──この映画の秘密も、そのあたりにあるのかも。もし、そこまで考えていたとすると、ますますヴィンセント・ギャロは凄いですね。他の映画も見てみます。

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