新・萌えるヘッドホン読本

前回、『新・萌えるヘッドホン読本』の概要をお伝えしました。今回は、イラストに注目して紹介します。

『新・萌えるヘッドホン読本』 感想・1(概要) : 亜細亜ノ蛾

『新・萌えるヘッドホン読本』では、多くの「ヘッドホン娘」が登場します。

とくに、イラストを描いた作家さんがヘッドホン好きの場合、

「このヘッドホンを付ける女の子は、きっとこんな生活をしているだろう」

という、ストーリィを感じさせるのが良いです。

たんにかわいらしく描くだけではなく、ヘッドホンから始まる物語を、一枚の絵で見せて(魅せて)いるのですね。

今回は、そういった観点──物語性を感じるイラストを、いくつか挙げてみます。

photo
新・萌えるヘッドホン読本
岩井 喬
白夜書房 2008-06-25

by G-Tools , 2008/07/13

世良敬×KOSS PORTA PRO

まずは、世良敬(せら けい)さんのイラスト。

QSS Ver4.2dQSS Ver4.2d

KOSS PORTA PRO を iPod らしきポータブルプレイヤにつなぎ、海岸の堤防に腰掛ける、活発そうなセーラー服の少女。服や髪が風に揺られて乱れるのも構わず、楽しそうに音楽を聴いています。いまは座っていますが、すぐにでも踊り出しそうな感じ。口を開いているところから、友だちと話しているか、思わず歌っているのでしょうか。

──これ、まさに KOSS PORTA PRO のイメージなんですよね。

KOSS PORTA PRO と聞くと、自分は「アメリカ西海岸・ローラースケート・金髪」という絵しか浮かばず、それを日本的に解釈したのが、まさにこのイラスト。

家でのんびりとくつろいで聴くヘッドホンではない──というのは言いすぎですが、KOSS PORTA PRO のイラストを描くのに、リラックスした印象は似合いません。

イラストのタッチがアクリル絵具風なのもピッタリ。アニメ風にパキッと塗り分けたり、細かい部分まで描き込んだり、あるいは「アート風」というのは、KOSS PORTA PRO っぽくない。

──まぁ、すべて自分の勝手な印象ですけど。

オオツカマヒロ×SENNHEISER HD414C

ハッキリ言うと、表紙のヘッドホン娘は、SENNHEISER HD414C のイメージと合っていません。

これまた偏見ですが、上記の KOSS PORTA PRO と同じように、もっとスポーティな子のほうが似合いそう。自分には、「ヘッドホンと少女とのギャップを狙った」ように見える。

それでも、オオツカマヒロさん(サークル・オタクビーム)が描くと、かわいらしく、違和感がないのがスゴい。

otakubeam atmarkotakubeam atmark

でもこのヘッドホンは、もっとバタ臭い(古語)コが似合うと思うなぁ……。

あと、まったく関係ないし、それほど似てないけど、このヘッドホン娘を見ると、なぜかぐりむろっく 惣流・アスカ・ラングレーを思い出す。ようするに、このアスカの「サルの耳」っぽい。

10mo×SONY MDR-EX90SL

10mo さんが描く、SONY MDR-EX90SL は、スゴい!

サークル 雑踏景色 10mo 's webサークル 雑踏景色 10mo 's web

この MDR-EX90SL は、「高音質だけどコードが短い」ことで有名。本体が 0.5m、付属の延長コードが 0.7m、と合計で 1.2m です。胸ポケットにポータブルプレイヤでも入れない限り、本体のコードは短すぎる。かといって延長コードをつなぐと、接点が重くなって不便──。

この絶妙な「帯に短したすきに長し」なコードは、不満の声が多いです。

分かっている人は、ドライバが同じでコードが初めから 1.2m の海外仕様、MDR-EX90LP を探したほうが良いでしょう。

MDR-EX90LP(JE) | ヘッドホン | ヘッドホン | オーバーシーズモデル(Overseas Models) | カタログ情報 | ソニー

──という前提で話を続けると、10mo さんが描くヘッドホン娘は、まわりを MDR-EX90SL のコードがくるくると回っています。まるで、魔法少女の変身シーンみたい。

って、どんだけコード長いねん! とツッコミを入れたくなります。──が、よく見ると本体のコードが短いのはそのままで、付属よりも長い延長コード(1.5m くらい?)を利用している、ということが分かります。

──コレはスゴい! 細かい! きっとこの子も、「なんでこんなに短いコードなのよ……」とかぶつくさ言いながら、延長コードを新調したんでしょうね。

分かりますか? この「萌え」ポイント。

この子のおなかが見えているとか、ポニーテールだとか、そんなことは二の次、三の次です。これこそ、本書の正しい楽しみ方──ではないと思うけど、個人的にヒット!

弖國天音×SONY MDR-Z900HD

弖國天音(てくに・あまね)さんは、取り上げざるをえないでしょう。

融雪カンテラ融雪カンテラ(注意: R15 くらいかも?)

なんと、彼の正体(?)は岩井喬(いわい たかし)さん──つまり、この本の企画者であり、すべてのヘッドホンのレビュアです。これはビックリ。

「なんでまた、ハイエンド・オーディオのレビュアが、萌えをテーマにした本を……?」という疑問が氷解しました。

彼の愛用するヘッドホンが、HD ではない MDR-Z900 で、オーバーホールしながら使い続けている、というのも萌えどころです(そうか?)。MDR-Z900 は生産終了品ですが、まだパーツが手に入るのかな?

さらに、彼の描く MDR-Z900HD 娘の萌えポイントは、ズバリ! カールコードですね。

いまではドライヤと電話機くらいしか見ないカールコードだし、とくに CG で描くなら、カールの間隔は一定にするところ。それを、ものすごく不規則に描いています。たしかに、コード自身が重力に引かれ、または何かに引っ張られると、このようにカールが伸びるのですが──。

たぶん、ご自身が愛用している MDR-Z900 が元なのでは? 長い間の曲げ伸ばしで、完全に「だるだる」になったカールコードを、そのままモチーフとして描いた、とか。

──もはや「あら探し」な気がしますが、でも、もっとヘッドホン好きなら、さらにマニアな部分に萌えられるのだろうな、と想像します。

本当は、もっと取り上げたいイラストがあるのですが、今回はこの辺で……。

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