亜細亜ノ蛾 - Weblog

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November 02, 2008

HUNTER×HUNTER No.285『分身』 ヒナは何の女王を目指すのか

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HUNTER×HUNTER No.285『分身』 (週刊少年ジャンプ 2008 年 49 号)

激しい戦いのさなか、半ば忘れていた者が登場する。今のところ本筋に関わってきそうにないが、油断はできない。油断していなくても展開が読めない自分は、なおさらだ。

作品の流れにメリハリを付けるためか、今回はアッサリとした内容だった。毎回のように激動の展開だと読者も疲れるし、見どころも分かりにくい。──とはいえ、やや不満が残るのも正直なところだ。おそらく、次回で急展開があるのでは、と予想する。

女王目指して

死闘が繰り広げられている宮殿の中で、戦いに加わらぬ者もいた。レオル団兵隊長のヒナと同雑務兵のシドレは、師団長たちの死を悟り、人知れず宮殿からの脱出を試みる。

まるで存在を忘れていたヒナは、殺伐とした戦場にいると余計にかわいらしさが目立つ。ぜひとも、『ハンター』界の由美かおる的な存在としてヒナには活躍して欲しい。本当であれば気味が悪い容姿のシドレも、なんだかマスコットキャラのようだ。こちらは「うっかり」キャラとしてがんばって欲しい。

そうやって外見だけは美しいヒナたちも、キメラアントだけに内面は人間とは異なるのだろう。女王を目指すヒナは、(マンガの)妲己のような存在になりそうだ。支持する男性陣は多いと思うが、その末路は……。まぁ、それが本望という人も多そうだが。

実際のキメラアントの女王は「産めよ増やせよ」を極端に発達させた存在だ。たとえば、(サソリ型の)ザザンなどは本来の女王に向いた能力者だった。それと比べると、ヒナが持つ除念は女王とは関係がないように思える。スピードも大食いも強そうに見えない彼女は、いったいどんな女王になるつもりだろうか。

このままじゃ死んでしまう

旅立つ決意を固めたヒナの前に、城壁の下敷きになっているビゼフ長官の姿があった。構わず通り抜けようとするヒナに対して、ビゼフは取引を持ちかける。

さっそくヒナの冷酷な一面が見られた。まぁ──われわれ人類も、自分の身が危ないときに、「食料」の危機を救うヒマはない。火災時に飼い猫や我が子は救おうとするが、逃げ遅れた魚や牛を助ける人はいないだろう(室内に牛?)。この場面では、首を傾げる(かしげる)シドレがかわいい。でも、たぶん「……肉」と考えているんだろうな……。

ビゼフがヒナに支払う褒美(ほうび)は、あとあとビゼフの首を絞めることになるだろう。お宝を手に入れたヒナが、ビゼフを生かしておくとは思えない。

そもそも、ウェルフィンが許さない気がする。ウェルフィンは今回のビゼフの言動を、裏切り行為と取るのではないか。勝手に裏で話を進めようとした、ウェルフィンの自分勝手なだけだが……。

総帥や王・国の後ろ盾を失ったビゼフに未来はない。元からなかったのだろうが、今回の取引は致命的だと思う。どう転んでも悪い結果しか思い浮かばない。意外と小心者の小悪党ほど生き残る(例: モタリケ)世界なので、ビゼフの今後の活躍に期待だ(望みは薄いが)。

分身

モラウの「紫煙拳(ディープパープル)」によって作られたナックルの分身が、モントゥトゥユピーに襲いかかる。ユピーはすぐに作戦の意図を読み、本物のナックルを迎え撃つ気だ。

以前、ヒソカに化けたイルミを見たときには、違和感を感じた。初めはイルミの変身であることを読者に明かさず、あとで種明かしをした。それでも、分かる人には一目でニセモノであることが見抜けた。

今回のナックルの分身も、感触が違う以前に見た目で分かる。──髪がモッサリ過ぎるのだ(それだけではないが)。出会ってから間もないユピーには分からなくても、読者にはハッキリ分かる。描き慣れたキャラを、こうして微妙に似せて描くのは難しいだろう。

よく見ると、まるでジョジョ立ちしているようなナックルの分身が多い。──モラウはジョジョのファンなのだろうか? それとも、師匠から見たナックルのイメージが、ナルシストなのか。

わざとスキを

次々と分身が消えていく──。本物が近寄れないと読んだユピーは、あるワナを仕掛ける。そのとき、背後に動く影があった。

非常によくあるワナだが、熟練した者同士の戦いでは有効だ。これに引っかからない者は少ないだろう。──以前にも書いたが、『すごいよ!!マサルさん―セクシーコマンドー外伝 (1)』の 1 話で、自らスキを作るという戦術を見て、本格的な格闘マンガと勘違いした。考え方だけを見れば、格闘技の奥義なのだが……。まさか、「ああ」なるとは。変な編集者に当たって、本当に『ドラゴンボール』的なバトルマンガの展開にならなくて良かった。

それにしても、このマンガが、そんなアリガチな戦法で話が進むものだろうか──。そう考えた読者は鋭い。自分は見抜けずに、二回ビックリした。チクショー、やられた!(満面の笑みで)

まとめ

経過した時間的にもダメージから見ても、そろそろユピーがトびそうだ。念が使えなくても、身体能力だけで強そうだが……。

ところで、巻末のコメントで冨樫先生は人間ドックに行くことを書いている。──ここで、誰でも思うこと。アンタ自身が「人間ドッ」やんか! ──え、思わない? そうかなぁ……。

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コメント

>ビゼフ
ウルフェンとどうなるのかも気になりますが、もしビゼフがここで死なないとするなら、
ジャイロと組む可能性もあるような気がします。

あと、ビゼフの命乞いのせいでヒナと、イカルゴ、ブロヴーダが遭遇してしまう恐れがでてきましたね・・・。
あそこでブルヴーダを殺さなかったのが命取りにならなければ良いのですが。

>分身
モラウ&ナックルの仕掛けた罠はごく単純なひっかけだったわけですが、
さすが生まれたばかりの蟻とは違い戦い慣れているといった感じでしょうかね。

私も騙されて、ここにナックルがいなかったなんてシュートを隠したと
怒り狂っていたナックルも作り物だったのかと首を傾げてしまいましたよw

ジャイロにしてもヒナにしても、まさかこのまま消えるとも思えないですよね。何かしら読者の斜め上な展開を期待しています。──永久に出てこなければ、それはそれで意外ですが……。

振り返ってみると、討伐隊の思惑はことごとく外れています。「王と護衛軍との分断」が成功したくらい。それすら、敵(王)からの提案という──。

そもそも、キメラアントを全滅にして一件落着──という展開を望む読者は少数派でしょう。ここから作者がどうやって話をまとめるのか、楽しみでありつつ不安です。

言われてみると、蜘蛛にしても大多数が生き残っていますし
(しかも、団長が助かったのはゴンとキルアが意図してパクノダから逃げなかったのが原因)
ゲンスルーたちにしても、殺さないどころか治療までしちゃってるんですよね。

しかしながら、無差別に一般人までもを巻き込むことまではしないであろう、蜘蛛とゲンスルーと違い、
キメラアントは地球人を滅ぼす、滅ぼさないまでも家畜のように扱うよう動くであろうから、
全滅できず蜘蛛のように逃げられてしまったではすまないですよね。

なので、全滅か和解しかないように思われますが、果たして・・・?

そうそう、この作品というか作者の面白いクセを思い出しました。

全体的には和解の方向へ向かう道(たとえばコルトのように人間を食さないキメラアントになる)を示す一方──主人公は危うい性格、という。

浦飯幽助が(父親の)雷禅に食わせるために人間を捕まえてくる、という発言にはゾッとしました。ゴンも、明らかにコムギの命などは念頭にない。ナックルたちも「世界を救う」つもりで戦っていないですよね。

『レベル E』の王子も含め、「コイツだけには力を与え過ぎちゃいけない」という際どい主人公こそが、冨樫マンガの魅力なのかも。

これは非難ではなく、「自分と仲間の命──は地球より重い」と考えることは、ごく自然だと思います。自分も同じ。地球全体のことまで考えられるのは、ネテロくらい人間離れしていないと無理でしょう。

カイトとキメラアントたちを倒していたとき、
ゴンは「仲間をゴミというやつには同情しない」と言っているわけですが、
そんなゴンも、ゴンたちと同じ人間であるコムギの治療をするピトーには抑えきれない怒りを感じていて、
一見矛盾しているようには見えるわけですが、そうではないですからね。

言ってることは矛盾してますが、ゴンの優しさ、甘さがそういうセリフを言わせていて、
そのような心をもつゴンが強く慕うカイトが操り人形にされたからこその怒りなわけで、
ゴンの優しさも我を忘れる怖さも表裏一体だなと。

地球を任せるには危うい性格ですが、人間らしいといえば人間らしいですし、
簡単にピトーを許せるゴンなんてうそ臭いですから、
たとえ、キルアにつめたい言葉をあびせ読者の反感を買おうとも、
ゴンをゴンとして描くにはあのようにしか描きようがないとも思えますしね^^;

前回asiamothさんがおっしゃってたように
「そうやって同じ人物の複数の感情を描きながら、それでも各キャラの軸がぶれていない」
ことが冨樫漫画の魅力で、それゆえの危うい主人公なのかもしれませんね。

あと、ヒナについてですが彼女の除念の能力のことを失念していました^^;

彼女が、ユピーにかけられたシュートとナックルの念を解く可能性もあるなと。

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