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HUNTER×HUNTER No.290『名前』 (週刊少年ジャンプ 2009 年 02 号)

昨日の続きで、「No.290」の後半部分の感想を書いた。

今回のタイトルは「名前」だが、テーマは「変化」だろう。じつに多くの変わった点が挙げられた。もちろん、連載マンガというものは「前回との違い」を楽しむものだが。

女王の登場からが「キメラアント編」だとすると、かなり長く続いている。討伐隊が宮殿に突入してからも、多くのできごとがあり、登場人物たちに変化があった。戦いの終止符がいまだに見えないというのに、どこまで変わっていくんだろう。楽しみでもあり、不安でもあり……。

今回で、10 週連続掲載がひとまず終了した。早くコミックで再読したい。そして、それ以上に続きを読みたいものだ。続きもまた、楽しみで不安である。

随分変わったな

ユピーがプフを見て少しだけ驚いている。ここからも、プフの能力については護衛軍の間でも知られていなかったことが分かる。以前に書いたとおりだ。

HUNTER×HUNTER No.288『賞賛』 手を出すピトー・王・ユピー : 亜細亜ノ蛾

そう考えると、あの時のピトーのファインプレーは神がかっていた。いまも、プフの抜け殻はピトーのそばにいるわけだが──ピトーがそれに気が付いてゴンにバレないか、少々スリリングである。

ゴンの場合、「プフが抜け出しているのを気付きつつ、別の策略を進行中」──なんて器用なことができるわけもなく、

「裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったな! 父さんと同じに、裏切ったんだ!」(?)→コムギを……

という展開が想像できてしまい、恐ろしい。

──えっと、あと、上のセリフはエヴァンゲリオン(「第弐拾四話 最後のシ者」)が元ネタだけど、そろそろ通じなくなっているだろうか。あと、「コムギを……」という書き方は『さよなら絶望先生』(というか久米田)が元ネタだが、分かりにくい。

この「ケンタウロスと幼稚園児の会合」は、はたから見ていると微笑ましい光景である。プフがユピーに対して言う「大人になりましたね」も、ジワジワと笑えてきて、ウマい。しかし──次のページと合わせて考えると、ユピーの変化を敏感に感じ取っているプフに、少し不穏な空気が漂っている。

試されている

王直属護衛隊は、王の為になるのかどうか、それだけを考えて実行するために生きている。それは、三人の本能そのものだ。──そのはずだった。

護衛軍の中で一番の変化を遂げたのは、ユピーだろう。短期間で大きく変わった自分を、ユピーは受け入れてもいる。それに比べれば、ピトーは まだ「王の命令を忠実に実行している」で通る範囲だ。なので、ピトーの変化に対してプフが畏れを抱いているのは、少し考えすぎにも思える。いつものように。

考えすぎのプフ・単純なユピー・気ままなピトー、本当にバランスが取れている三人だ。実際には、だんだんと均衡が崩れているのだが……。

プフの心中を察して、シンプルな答えを出すユピーが良い。そして、その選択は正しいのだ。

考えてみれば──いや、考えるまでもなく、護衛軍が向かうべきは その方向しかないだろう。それでいて、ユピーの中にも不安が広がっている、という描写が素晴らしい。──誰だよ、このキャラを単純バカなんて書いたのは!(答え: オレ)

硬い…… !!

上空から見ると、ネテロ会長の「百式観音」が いかに巨大化かが よく分かる。これほど巨大な念を扱えるのは、コルトピ先生くらいだろうか。先生の偉大さは、下の記事をご覧いただきたい。

百式観音の攻撃がどれだけ強くても、「壱乃掌(いちのて)」の振り下ろし攻撃は、屋外での威力が半減しそうな気がする。すなわち「地面は柔らかい」。

──という、シロートの野暮なツッコミを「参乃掌(さんのて)」で叩きつぶす豪快さが、すがすがしかった。

戦闘シーンにおける、大ゴマの使い方の見本みたいなシーンである。このタイミングで大技が出てくることを、誰が読めただろうか? バレバレな「ドン !!!!」ばかり描いている人は見習って欲しいところだ。

(などと書きながら──最近の『ONE PIECE』は「惚れた男を服の下に隠して抱きつかせ、すました顔で歩く」というのがグー。それなんて羞恥プレイ? お腹いっぱいです。「コミケよろ>皆さん」な作者の訴えだろうか?)

死にたいか?

100 年以上も生きているネテロと、産まれたての餓鬼である王──いくらなんでも経験の差が出る、と思っていた。戦いが始まってみると、時間が経つにつれて、王の圧倒的な強さが見えてくるばかりだ。しかも、王の本気はカケラも見せていない。

この「圧倒的に優位だが余裕なボスキャラ」は目にタコができるくらい(?)見てきた。とはいえ、王が力を見せない理由は、ありきたりではない。マンネリを嫌う作者らしい展開だ。

言葉……か

戦闘力では敵わないと見たか、心理戦に持ち込むネテロに、いつもの余裕を感じた。

王にとって「得がたいもの」を探り当てたネテロが見事だ。王が本当に悪魔のような存在──自分の母親の腹を破り、部下や人間を殺して食い、人類を支配しようとする──そのままだったら、会長も今回の提案を持ちかけなかっただろう。王は一笑に付すだけだ。

それにしても──このネテロの言動は怪しい。「命を賭けて」ではないのに王と戦う理由は、ネテロには、人類には、ないはずだ。ワナのニオイがする。前半のノヴが語った内容と合わせると、「この場所で」王とネテロが戦って「何か」をするのが作戦なのだろう。

王なら、ネテロの企みに気が付きそうな気がする。ネテロに、人類に、勝ち目はあるのか……?

というところで、次号より、しばらくの間休載いたします、とのこと。ラストの王がやたらと格好いいのに、この続きはいつのことか……。

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