『バクマン。』 21 ページ 「壁とキス」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 08 号)
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「21 ページ」の感想も、まだまだ中盤である。後半は、もっと書きたいことが多い。今週中に書き終わるだろうか……。
自分は、今週に入ってからウェブブラウザの調整をずっと行なっている。どうしても気になる部分が直らない。いろいろと短絡的な方法を試して失敗し、けっきょくは余計な時間を費やした。そのせいで、休みの日にも遊びに行けず、感想も遅れがちだ。──と思ったけど、休日を家で過ごすのも更新をサボるのも、いつものことだった。
昔から、「急がば回れ」という。普段は気長なのに変なところで短気な自分は、いつもこの言葉を後悔と共に思い出すのだった。
今週号の『バクマン。』も「急がば回れ」な話だった。前回までは急展開の連続であり、サイコーのデビューを焦る気持ちをあおってきた。それがここに来て、一見すると何歩か後退したように見える。しかし、サイコーとシュージンの将来にとって、きっと良い方向転換になるだろう。
声優オタク
「声優 & アニメ MAX」という、何ともアレな雑誌を自分で見つけた
、と見吉は平然と話す。見吉は、オタク趣味に抵抗がないようだ。──ますますシュージンが うらやましい。
むしろ、「マンガ家を目指している」シュージンのほうが、オタクだと見られないか焦っているのが面白い。中学時代の成績からすれば、今の高校にシュージンがいるのは場違いのため、校内でかなり目立っているはずだ。何をしても注目を浴びるから、あわてたのだろうか。それともこれは、シュージン自身ではなくて、見吉がオタクだと思われるのを守った、ということかもしれない。
その前の、シュージンをものすごい勢いでつるし上げる見吉の表情がスゴい。ダルマとか天狗・ひょっとこを思わせる顔だ。このコマのような、小畑先生の「オモシロ顔」のルーツって何(誰)だろう。同じ白目でも『ガラスの仮面』などとは違うし、独特な絵柄に見える。
ギャグマンガの「まん丸白目」→ ( ゚∀゚) のルーツは、雑君保プ先生だと思っている。どんな証拠を突きつけられようが、「自分の中では」先生が元祖だ。じつは、ご本人は元祖を否定されている。しかし、ルーツの例に挙げている『あずまんが大王』(1997 年~)よりは、『ワールドヒーローズ2』(1993 年~)のほうが先なんだけどなぁ……。
『雑君青保プ』の重版出来!/ 雑君保プのデビュー前後が明かされる : 亜細亜ノ蛾
まぁ、自分が面白いと思っていれば、それで良い。誰が先かなんて、どうでもいいことだ。
しかし──誰でも「自分が創始者」というものを持っていると思う。「このラーメン屋で『半・チャーシューメン』+『半・カレーチャーハン』の黄金比を最初に見つけたのはオレ!」とか「『こち亀』のモブキャラがあまりにも面白みのない絵柄であることに気が付いたのはオレ!」みたいな。
──いや、本当に『こち亀』はモブキャラが背景へ溶け込んでいるのがスゴい。まったく主人公たちをジャマしないのだ。「群集よりも信号機の絵のほうが見応えがあるのでは」と思えるくらい。一度、『こち亀』の背景キャラだけをコラージュしてマンガを作れないか考えたことがある。どうやっても面白いマンガにはならない、という自信はあるのだ。だから、やらない。
自分が覚えている限り、ここ何年も『こち亀』のモブキャラは同じような絵柄だ。同じ人が描いているのか、代々この絵柄が受け継がれているのか。正直、この背景キャラの絵柄しか描けないとなると、単独のデビューは難しいと思う。
どの先生の下で修行したのか、アシスタントにとっては重要だ。この話は、今週号の後半にもつながる。
声優界期待の美少女
「真面目で可愛いって得だよねー
」という見吉の言葉は、多くの女子が納得するはずだ。男子に言い換えると「イケメンで勉強ができると得」となる。
──スンマセン、それ「得」じゃなくてバグキャラかチートです。マジで。親のおかげなのか、それとも神のいたずらか。『神様は時々ハッカー』というタイトルで一本書けそうだ。
「弥河ミサエ」というツインテールのキャラがアニメ雑誌に載っている。姓の読みは「みかわ」だろうか。すると、愛称は「ミカミサ」で決まりだ(微妙にゴロが悪い)。
皆と並びたい
見吉の夢が意外だ。もっと意外なのは、親友の亜豆やサイコー・シュージンたちと並ぶことを、見吉が考えていたことである。やはり「ひとりで取り残されている」とカヤは感じていたのだ。
それにしても、せっかくの身体能力を活かす方向へ見吉が進まないのは惜しい。
おそらく、見吉は典型的な「彼氏が変わると趣味も変わる」タイプなのではないか。自分には不思議に感じるのだが、現実でも「恋人や友だちに合わせて人生を変える」人がいる。それは一見すると楽なようで、じつは生きにくいと思うのだが……。
コメント
いつも凄い時間帯にアップされてますね。
>現実でも「恋人や友だちに合わせて人生を変える」人がいる。それは一見すると楽なようで、じつは生きにくいと思うのだが……。
どの部分が自分にとって楽かという話は、相手の資質や才能によって変わるのかなぁと思います。
もう既に読んでいらっしゃるかもしれませんが参考になる哲学だと思います。
「お前らの作品は所詮コピーだ」——富野由悠季さん、プロ論を語る
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/31/news118.html
エヴァの庵野監督が言う「この 12 年間エヴァより新しいアニメはなかった」発言もそうですが──アンタらがソレを言っちゃうと余計に後継者が出にくいだろう、と思います。
でも──彼らも言わざるを得ない状況なんでしょうね。もしかすると自分より下の世代は、「新しいもの」なんて求めていないのかも。ただ、在る物を消費して満足する。または無くてもガマンできる──そう見えます。そりゃ、オッチャンたちが怒鳴りたくも分かる。
まぁ、出る杭は打たれようが勝手に出まくるので、誰か新しい才能が登場して状況が一変するかもしれません。ニコニコ動画や Pixiv が活躍の場になりそう。