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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 7 巻「OGRESS」

Tequila (by Riude) (by Riude)

早いもので、もう『SKET DANCE』の 7 巻が発売された。この巻ではヒメコの過去が描かれる。

スイッチの過去編もそうだが、あまり『SKET DANCE』らしくない。笑えないのだ。正直なところ、あまり好きな話ではない。それに、過去編のような作風が続けば続くほど、「アンケート至上主義」のジャンプでは後ろのほうに掲載される。

それでも、作者は描きたかった。どうしても読者に伝えたかったのだ。ファンとしては、しっかり目を開いて受け止めよう。

今回の感想は、過去編の直前までを書いた。

photo
SKET DANCE 7 (7) (ジャンプコミックス)
篠原 健太
集英社 2009-03-04

by G-Tools , 2009/03/08

第 54 話 「それが男のヒュペリオン」

作品内にオリジナルのゲームを出す場合は、より現実味のある物にすることが通常だ。ルールをしっかりと決めたり、道具の設定も細かく決める。

──そういった決まり事は、山野辺が持ち込むゲームには無意味だ。彼のおかげでグダグダであることが許される、というお得な人物である。今後も、2-3 巻に 1 回くらいは変なゲームを見てみたい。

なぜか近代的な「ヒュペリオン」のコマは、元ネタを知らなかった。ネット上では、「モノポリー」説と「人生ゲーム」説がある。両方とも、(友だちのいない)自分には縁のないゲームだ……。

おそらく「モノポリー」が原形だろう。下のサイトで国内外のモノポリーが見られる。「スチーム」らしきコマと「シューズ」のようなコマもあった。

(関係はないが……。撮影しているカメラが Nikon D40 レンズキットという、自分の欲しいデジタル一眼レフなのも好感度大)

ポリプロピレンのおもちゃ箱: モノポリー(国外版)

ヒュペリオンに限らず、日本のゲームは「萌え」の要素が入る。なかばムリヤリにでも。いい加減「ヘタなラップモドキが入る J-POP」並に古い感覚だと思う。制作者は批評家は「購入層の趣向に合わせた」とお決まりの論調で語るが、本当は自分たちの趣味ではないだろうか。人気声優ともお近づきになれるだろうし……。

それにしても、「OL」の設定はウマい。「萌え」をあざ笑うかのようなキャラだ。魔法使いの「オズ」も「テキーラ」でパワーアップ(?)するのだろう。こういう(アホな)設定は、なかなか考えても出てこないはず。普段から細かいネタをメモに残しているのだろうか。

テキーラの写真を探して、面白い物を見つけた。上のほうのポスターか何かの写真がそれである。書いてある英文をよく読んでほしい。

ツッコミ役のヒメコがリタイヤしたのに、男どもが気にせずボケ倒すという展開が珍しい。というか、ボケてるわけではなくて真剣、というのが笑える。

いつの世も、真剣な男は、どこか間抜けだ。この回のオチと同じく、男は熱しやすく冷めやすいからだろうか。

ところで、王女の名前がそれぞれ「ビッチ」と「ダッチ」って……。ちょっと、ヤバい。

第 55 話 「ヘタッピマンガ研究所 R」

この回のタイトルに付く「R」は「ロマンティック」の意味なので悪しからず……。

参考: ヘタッピマンガ研究所R - Wikipedia

久しぶりに早乙女 浪漫(さおとめ ろまん)が登場する。しかも、話の半分はロマンのマンガがそのままの形で載るという──かなりムチャな内容だ。オチでも語られているが、見続けているとクセになりそう。

作者の芸達者さにはいつも驚くが、ロマンの絵をよく描けるものだ。

ほかの作家のキャラクタを描く企画が、たまにジャンプに載っている。ジャンプのマンガで一番多くの作家に描かれたのは、おそらく『ドラゴンボール』だろう。普通は、どう描いても「○○が描いた悟空だな」とすぐ分かる。作家の個性が絵に表われるのだ。

「ロマン先生」の絵からは、まったく篠原先生のニオイがしない。カンペキにロマンになって描いているのだ。「セルフライナーノーツ」でその苦労を語っている。面白いので読んでみよう。

──あ、いま気が付いたけど、さっきの例はたとえが悪い。たぶん、ある程度の画力があれば、トレースに近い「鳥山絵」は描けるのだろう。それでは意味がない。だから、わざと「○○風ベジータ」のようにアレンジしているはず。

自分が生み出したキャラクタキャラクタとはいえ、「ロマン風ボッスン」や「スイッチのボッスン」が描けるのは、すごい。単純な画力だけではなく、頭の切り替えができているのだろう。

ロマンが描いたマンガは、どう見てもギャグマンガだ。しかし、実際には後輩のためを思って描いている。ロマンが人のため(とくにボッスン以外)に何かをするというのは、かなり珍しい。

なんとなく、スケット団の 3 人以外とは交流がないように見えるロマンだが、普段は普通に友だちと仲良くしているのかもしれない。安心した。

第 56 話 「フレグランス」

開始して数ページで「──あれ?」と違和感があった。──という人は、ミステリィ・ファンだろう。ストーリィ上、ささいな謎に仕上げているが、なかなか見事な見せ方だった。

今回は、「鬼姫と呼ばれていたヒメコがその当時から愛用している武器を買いに行く」という話である。本来であれば、あまり愉快な話ではない。面白可笑しく描いてあるが、暴力のための道具を主人公たちが買いに行くというのは問題がある気がする。

──ああこれも「『ゲーム脳』とか言い出す脳」か。現実と虚構を分けてみるべきだ。

ブラストの「凶気」と「ファンシー(ハート)ドンキ」というスティックに、ヒメコがツッコミを入れている。ひょっとして、このスティックが生まれたのは、「鬼姫」がブラスト製のスティックを愛用しているからではないか。そうだとすると、自業自得で面白い。

そう、次からはヒメコの「自業自得」の話・過去編が始まる──。

番外編 「SILENT DANCE」

先に番外編の感想を書く。

義理チョコを多くもらいそうなボッスンだが、ロマンと──ヒメコのチョコは本命だと思う。うらやましい。

前から思っているが、ボッスンとヒメコがくっつかないのは、何かおかしい。逆に、ロマンの一目惚れが ずっと続いていることも、何か変だ。まぁ、ボッスンはもっとモテてしかるべき男だが。

縁がないので意識していなかったが、バレンタインデーは女の子が主役の日である。男子には共感できないような苦労があるのだろう。きっと、「チョコを何気なく渡す」ことができない女子もいるはずだ。ヒメコのように。

そうか、自分がチョコレートをもらえないのは、女の子が照れて渡せなかったのか!

──というネタは 100 万回言われ続けている。サイト管理者は注意が必要だ(どうせ大手が書けば大ウケだろうけど)。

今のところボッスンしか見ていないようだが、ロマンはこういう女の子のイベントは得意そうだ。あまり想像したくないけれど、無邪気な笑顔で何マタもかけられそうな気がする。──そしてボッスンが泣かされるのだ……。オレも。

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