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『バクマン。』 30 ページ 「団結と決裂」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 17 号)

And I'll Say a Little Prayer for You... (by TW Collins) (by TW Collins)

福田の提案した「意見の出し合い」は、良いアイデアだ。しかし、自分の作品が 1 番面白い、と言い切る態度のほうが、もっと素晴らしい。

マンガ家は、みんな自分の作品に自信を持っている。

さよなら絶望先生』で自虐ネタを描くことが多い久米田康治先生も、絶っっっ対に「オレのマンガが一番だ!」と思っているに違いない。

自分のかいた作品を他人に評価される──なんと恐ろしいことか。このブログも、ありがたいことに多くの人(ボット含む)に読まれているようだ。ときどき、ちょっと、恥ずかしい。

サイコーたちがいる場所は、もっと過酷だ。仲間同士でお世辞も無しで 意見しあうのも厳しいが、ジャンプにマンガが載れば、読者たちの無慈悲なアンケートにさらされる。

マンガは読者のため──ではなく、自分のために描く、というのがマンガ家の本音だろう。自分が面白いと思った作品しか、描きたくない。誰だってそうだ。しかし、ジャンプに作品を載せる以上は、アンケートの結果がついてくる。そんな評価に左右されたくないのに……。

アンケートのことを知らず、高い順位を取っていたエイジは、原作者たちの理想の姿なのかもしれない。

思ってた以上だ……

3 作品のネームを 6 人で読む。ライバル同士で読み合うことは、刺激的だ。一般の読者や編集者に読まれるよりも、緊張するかもしれない。

この 6 人の中で、感想が読者にハッキリと示されたのは 4 人だけである。何となく、一覧できるように表を書いてみた。

作者と評価の対応表
作品名 サイコー シュージン 福田 蒼樹
表の見方 - ○: 良い , ×: 悪い , △: まあまあ , /: 作者本人
『KIYOSHI 騎士(ナイト)』 - 福田真太 ×
『疑探偵 TRAP』 - 亜城木夢叶
『hide out door』 - 蒼樹紅・中井巧朗 ×

作品に対する評価の度合いは、asiamoth の主観による。たとえば、サイコーの『hide out door』に対する評価などは、×と見る人もいるだろう。

ところで──。

XHTML 1.0 Strict で table 要素を書いて、valid な XHTML に仕立て上げることが、どれだけ面倒くさいか──は、また書こう。このページのソースを見てもらうと、少しは分かるかも。th 要素に abbr 属性をつけないと、Another HTML-lint タンに怒られるし……。

TABLE [XHTML リファレンス : WEB ARCHIVES]

お断わり します

「蒼樹紅 = にちゃんねら」説が急浮上である。

──というのは冗談だが、冗談のひとつも言いたくなるくらい、蒼樹の言動は謎が多い。

意見を控えた理由は分かるが、では、何のためにここまで来たのかが分からないのだ。暴力的な作風の福田に、ひと言もの申す──という感じでもない。バトルマンガの作家である新妻エイジに一目会いたかった、ということもないだろう。

仮に、蒼樹の作品よりも面白い作品があったとしたら、どうだろうか。ますます「意見する」なんてことは、できない。

お花畑のお菓子の家にいるのは、蒼樹の心なのだろうか……。

ところが、蒼樹紅は、いわゆる「不思議ちゃん」ではない。逆に、そのほうが「分かりやすい」のだが……。

蒼樹の発言には、あいまいなところがない。ハッキリとした言葉遣いだが理系という感じではなく、感情──好き嫌いで物を言う。(特定の)男性に興味がなさそうだが、服装(とおそらくメイク)には気を遣っている。

──ううむ、謎の存在だ。そして、気になる。

少年マンガだからな !!

いつかは そうなると思っていたが、蒼樹と福田の意見がぶつかり合う。

福田は言う──

少年マンガって もっと不健全な作品が いっぱいあっていいんだよ 聖書や教科書じゃないんだ

PTA を 敵に回すくらいの方が 面白(おもし)れえ

もう、時代が時代なら、大学に立てこもりそうなタイプだな(よく知らないけど)。

スタイルではなく思想でバイオレンスを描いているマンガ家は、何人いるのだろう。読者に受けるから、という理由だけで暴力を描くマンガが多くないか?

福田の意見に、ひとつだけ反論する。──聖書も教科書も、けっこう不健全な内容は多いぞ(いろんな敵を作りそうなので、この話はなかったことにしてほしい)。

人の意見なんて いらない

福田の良いところは、気に入らない意見でも自分の中で納得ができれば受け入れる、というところだ。人の意見を聞かない自分は、頭が下がる思いである。

6 人の中で考えが一番ちがいそうな福田と蒼樹だが、最終的には同じ意見になった。相変わらず、話の流れが速い。ほかの作家なら、「福田対蒼樹編」で 1 話くらいを費やしそうだ。

攻撃的な表情で福田が蒼樹に話す。蒼樹は真っ直ぐに福田を見て話を聞いている。そして、相手が話しているときに、蒼樹は反論しない。──当たり前のようだが、「クールでガンコ」な人物であれば、このような態度にはならないはずだ。

蒼樹も福田も、初対面では印象が最悪に見えてしまう。しかし、中身は誠実なのだ。お互いに、損をしそうなタイプである。

──なんとなく、そのうちくっつきそうな気がするな、この二人……。

1 番は引き分けです

さて、3 作品に対する エイジの評価は、どのような結果だったのかを想像してみる。

昨日の感想で、エイジが一人で笑い転げているコマは、じつは重要である、などと もったいぶった書き方をした。その種明かしを書く。

まず大前提として、テーブルに載ったネームの束は 3 つしかない。これは作品の数と一致する。ひとつのネームを順番に 6 人で読んでいるのだ。つまり、読むタイミングは重複しない。

エイジが「ゴロゴロ」しているときに、福田は『疑探偵 TRAP』を見ている。つまり、エイジが笑っているのは、ほかの 2 作品だ。

そもそも 3 つの中で大笑いできる作風なのは、『KIYOSHI 騎士』だけだろう。エイジはこの作品で泣き笑いしているのだ。そして、エイジがこれだけ笑ったあとで、「──でも、マンガとしてはイマイチですね」(ズコー!)という評価になるとは考えられない。

さらに念押しをすると、福田の作品を最下位に見たとしても、エイジが 3 番の人だけ 可哀想だから それ以上は言いません、となるだろうか。福田は、そんなタマじゃない。

以上から、エイジの中では『KIYOSHI 騎士』がピッタリ 同率 1 位に入っているはずだ。

この、カワイそうという言い方からすると、どうも初対面で女性の蒼樹に向けた言葉のようにも思える。

以前のエイジには、そのような思いやりを感じなかった。しかし、今のエイジには、プライドの高い女性を察する心くらいは持っている、と思う。

ということで、エイジが 3 番目に面白いと思ったのは『hide out door』、と予想する。

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