• 更新:
  • 投稿:
  • カテゴリィ:

『バクマン。』 31 ページ 「火曜と金曜」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 18 号)

ph4すっぽん (by htsh_kkch) (by htsh_kkch)

「中井の目にも涙」と書くと、なにやら ことわざのように思える。意味は、ない。

今週号に出てきた、キラキラと光りながら涙がこぼれる中井の目のアップは、「中井が描く絵のイメージ」だろう。中井自身は、自分のことを こうやって見ているのかもしれない。

10 年以上前の『エヴァンゲリオン』ブーム(笑)の時に、面白い指摘があった。抽象すると、このようなことだ。

「オタクは少女をオカしたい、自分のモノにしたい、そして、自分自身が少女になりたい

その通りだと思う。「オタクは」と限定することなく、「(一部の)男性は」でも間違いではない。

なりたい対象は少女でも少年でも良いのだが、とにかく無垢なる存在にあこがれる。キレイだからこそ壊したいが、同時に壊されたい(ATOK は「恋わされたい」と変換してビックリした)。

でも、他人に触れられるのは恐いから、「理想の自分」が自分を乱して欲しいのだ。そういう感情は、確実に存在する。

わざと主語をボカしたが、上の 2 段落は、かつての自分の姿でもあるのだ。いまはもう、忘れてしまった。ハシカのようなモノだったのかもしれない。「あー、一度、アスカになりたかったなー」、と。綾波は、シンジの父ちゃんと■■■しないとダメだしね。

ということで、マンガ家などの絵画や映像を扱う芸術家は、自分の理想像を作風に投影している、と思う。

なんか 嬉しくて……

中井は、作品の中にも外にも理想像を見つけた。いまは、この上なく幸福を感じている。このまま続くと良いのだが……。

自分が「人にとって幸せとは何か」を考えるときに、いつも思い出す作品が『魍魎の匣』である。幸福を手に入れた男が出てくるのだ。『バクマン。』では、あのような不気味な展開になるはずはない。しかし、中井にとっての幸福は、「連載作品がヒットして蒼樹とつき合う」という普通の形なのか、すこし気になる。

自分に 酔っちゃってて

『カラフジカル』も、ほかの 3 作品と同様に 1 ページが掲載された。

──何というか、「ガロ」っぽい。じつは、一度も読んだことないけど。

ガロ (雑誌) - Wikipedia

または、2000 年前後の『月刊アフタヌーン』にも『カラフジカル』のような画風をよく見た気がする。つまり、「全然ヘタ」には思えないし、自分の目には「何だかスゴそうなマンガ」に見えた。

KOOGY のファンだったら、

「なんか、話はよく分からなかったけど、絵がスゴいし、KOOGY が好きなのでアンケートを出しました(笑)」

という感想を持ちそうである。

見吉の感想が的確なのだろう。しかし、自分に酔っただけで「ミュージシャンが週刊少年ジャンプへマンガを投稿する」ことはない。そこは、彼の努力と才能を認めるべきだろう。

まとめると、「まぁ、次回もがんばれ!」

連載やめます

福田の怒りに感化されて、エイジも興奮している。そうかと思えば、中井の冷静な突っ込みで我に返る姿が、コミカルで笑った。エイジは、「悪いオトナ」に だまされそうで不安だ。

しかし、それにしても『カラフジカル』を「見るからにダメそうなマンガ」として描かなかったことが興味深い。

自分が『美味しんぼ』の中でもとくに好きな話に、「鍋対決 !!」がある。

あらすじ - 美味しんぼ塾ストーリーブログ

ネタバレになるが、対決は「至高のメニュー」側が勝つ。ここで読者は「究極のメニューはダメだ」と思ってしまう。しかし、前座として出てきた「クリームソース仕立てのシャブシャブ鍋」も「万鍋(よろずなべ)」も、どちらも山岡が作った鍋は美味しそうなのだ。

よく読むと分かるが、対決の流れが変である。鍋料理のおいしさではなく、「もてなしの心」を競っているのだ。山岡が敗れたのは、対決の趣旨から外れていただけ、である。家庭で楽しむには、「万鍋」のほうが楽しいはずだ。

ここに作者の食の知識の奥深さを感じる。至高側を勝つように書くのであれば、究極側は「まるでダメ」なメニューでも良いわけだ。しかし、どちら側も魅力的な鍋料理を出してきた。たぶん、作者が食べた中でも「上から順番」にメニューを決めたのではないか。死ぬまでに、7 つの鍋を完食したいものである。

同様に、間界野昂次を「まったくの才能なし」に描かないところに、なんとなく作者の愛情を感じた。いずれ、KOOGY の(独りよがりな)リベンジが始まるのだろう。

ジャンプにも一作くらい、いくらなんでも訳わかんないマンガが載っていても良いではないか。プレゼントのページは、毎回やりたい放題だし……(「ジャンプのプレゼントページまとめブログ」とか、ウケそうだ)。

編集長の独断で

編集部にて、金未来杯の 4 作品すべてのアンケート結果が発表される。じつにマンガらしい展開だ。

さて、昨日の続きだが、『疑探偵 TRAP』の一番のライバルが『hide out door』だと書いた理由である。

じつに単純な理由で、「いまのジャンプでメルヘンチックなマンガが票を集めることがスゴい」からだ。

バイオレンスやサスペンスがジャンプ読者の支持を集めることは珍しくない。『HUNTER×HUNTER』や『DEATH NOTE』など、ジャンルだけを見ればたくさんのヒット作が見つかる。

しかし、「少年が妖精になる(だけの)話」みたいなマンガが、かつて人気を集めただろうか?

『hide out door』は、ほかの 2 作品とそれほど票が違わない。ここに、可能性を感じるのだ。

というか──。『KIYOSHI 騎士』の「バイオレンス + ギャグ」の路線って、本作品でもイチオシの『べるぜバブ』とカブっている。その一点だけで、ちょっと弱く感じるのだ。

たとえばそれは、ジャンプの中でバスケマンガが 2 つも載っているかのように……。

メタな視線で見ると、このタイミングでサイコーとシュージンがデビューしないと、「18 歳までにアニメ化」は間に合わない。よって、今回の結果を受けて『疑探偵 TRAP』の連載が始まる可能性は高いだろう。ほかの作品も連載が決まるかもしれない。なるべくそういった「ミステリィ作品の結末を、残りのページ数で予想する」みたいな読み方はしたくないけれど。

まさか、ここまで来て「話題性だけを買って『カラフジカル』のみを連載する」ワケはないと思う。しかし、そういった意外な展開になるのだろうか。油断のできない作者だからな……。

[2] このページの一番上へ戻る