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『バクマン。』 32 ページ 「電話と前夜」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 19 号)

Reservoir Dogs but with schoolgirls (by steveleggat) (by steveleggat)

今週号の『いぬまるだしっ』は面白い。カラー表紙の裏に人物相関図があり、新妻エイジや佐々木編集長が普通に出てくる。よっぽど、エイジの「連載を終わらせる権利」という発言を意識しているようだ。

けっきょく、新妻エイジが終わらせたかった嫌いなマンガって、なんだったんだろう……。

『バクマン。』ではジャンプの連載作品のタイトルがよく出てくる。ほかのマンガや作者・編集者をネタにすることは、一昔前のジャンプには多かった(『幕張』とか)。最近では見かけなかったので、『バクマン。』で『ToLoveる』などの名前が出ると、すこしドキドキする。──何かウラがあるのかな、と。

内輪ネタに終始するのは良くないが、たまにはジャンプのマンガ家同士でネタにしあって欲しい。

そういえば、『バクマン。』のキャラクタへ声をかけたのは、冨樫義博先生が初めてだったはず。『HUNTER×HUNTER』の連載中の話だから、今から 100 万年以上前の話か……(休載長すぎ)。

バクマン。 #11-1 「後悔と納得」 見吉のパンチと岩瀬の涙 : 亜細亜ノ蛾

『いぬまるだしっ』や『SKET DANCE』でエイジ(のコスチューム)が出てきた。ネタにするくらいだから、ジャンプの中で両作品の作者と『バクマン。』の作者は仲が良いのだな、と読者は思う。

しかし──『バクマン。』のほうでは『いぬまるだしっ』も『SKET DANCE』も名前が出たことは、ない(たぶん)。なんとなく、意識のすれ違いを感じてしまった。

少年マンガなんだから

金未来杯のアンケートの結果について、議論が交わされている。

『KIYOSHI 騎士』と『疑探偵 TRAP』の両方とも、読者の平均年齢は十代だ。当たり前のことだが、すこし寂しい思いをした。──そうか、オレ(ことし 35 歳)がアンケートを出すと、平均年齢が跳ね上がるのか……。

読者の平均年齢について、誰かがキヨシの 17.5 歳は 高過ぎると語っている。この数字は大場つぐみさんの脳内で算出したのではなく、たぶん、ほかの作品のアンケートを参考にしているのだろう。リアルな数字と見るべきだ。

ジャンプの読者は 14 歳くらいが適切で、18 歳では卒業している。──少なくとも編集部ではそう見ている、ということかもしれない。

このサイトのように、ジャンプマンガの感想をネチネチと毎週書いているようなところは、おそらく 20-30 代の管理人が多いと思う。その感想をジャンプ読者の中心である 10 代のワカモノが読むと、「このオッサンは何を言っているんだ?」と思いそうだ。

こちらとしては、ムダに長く生きている分だけ、余計な知識と経験で感想に厚みを持たせようとする。「今週も『バクマン。』は面白かったです」で終わることを、いろいろな方面からムリヤリにネタを引っ張ってきて長くしているのだ。

たぶん、それよりも、中学生同士が携帯サイトで「今週の『バクマン。』は○○が良かったよね」「だよねー」「あとさー……」みたいな会話をするほうが、共感されやすいだろう。このサイトより多くの人に読まれそうだ。

そう考えていくと、なんだかムナしくなって、感想を書くことをやめたく──なるはずもなく、続く。こんな面白ェこと、やめられるかよ! ガキには書けないような文章を書いちゃる!

落ち着きなさいよ

とっくにマンガは描き上げて、ジャンプにも掲載され、「速報と本ちゃん」も分かっている。それから結果の発表までは、まさに一日千秋の思いだろう。ラブレターの返事待ちやエイズ検査の結果待ち、みたいな感じだろうか(たとえが最悪)。

福田が「ったく 何回アンケ取ってんだ」とグチをこぼしている。このセリフは、非常に感じが出ていて面白い。

よく考えると、アンケートを何回も取っているわけではない。集計を何度もしているだけだ。小説だったら校正に「赤入れ」されるところだろう。しかし、それくらい福田が落ち着いていない、という空気が伝わってくる。

そう願いたい……

中井が蒼樹を妄想している。また「ロリ補正」がかかった蒼樹に見えてしまう。たぶん、自分の目と心が濁っているのだろう。

ここで中井が想像している蒼樹の服装は、金未来杯に出る「福田組」がエイジの仕事場に集まったときの洋服である。あの時以来、中井は蒼樹に会っていないのだろうか。いや、人を思い出すときには、一番印象が深い状態を思い出すはずだ。あの毅然とした態度の蒼樹に中井は引かれている、ということだろうか。

ここで、キワドい衣装妖精みたいな姿の蒼樹を想像していなくて、安心した(何を?)。

それにしても、中井はエイジのアシスタントになって、本当にラッキィだった。福田がいるからだ。中井は一人で居ると、あまり自分に自信が持てない。しかし、遠慮のない福田の言葉を聞くと、静かに燃え上がる。たぶん、面と向かって中井に何かを指摘する人は、今までいなかったのではないか。

日本人は、遠回しに他人の欠点を指摘したがる。だれだって、無意味に相手を傷つけたくない。逆に自分が傷つけられたりすることが恐いからだ。好きな人に告白する時とメカニズムは同じである。

福田のように、ズバズバ物を言う人間がそばにいると、非常にありがたい。初めはうっとうしく感じるし、人によっては深く傷つくだろう。しかし、得る物のほうが大きいはずだ。──あまり度が過ぎたり、イヤミや的外れなことばかり言う人は、困るけれど。

蒼樹や福田がいなかったら、アシスタントのままだったはずだ。サイコーも、シュージンがマンガ家に誘わなかったら、暗い高校生活を送っているに違いない。

『バクマン。』には、良い出会いが多く描かれている。

マンガに限らず創作物には、「自分が○○だったらなぁ」というスイッチが仕込まれている。ナルトになりたい男子や NANA のように生きたい女子は多いだろう。しかし、彼らは出会いがあったからこそ、輝いているのだ。それが物語の面白さである。

ある日とつぜん、あこがれのマンガキャラになったとしても、「いつもと同じように通学/ 通勤」「変わらない交友関係」だったら、だれが喜ぶだろうか……(それでも「飛影になりたい」という女子は多そうだが)。

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