『バクマン。』 34 ページ 「追う者と追われる者」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 21 号)

Duck Wing (by StephenMitchell) (by StephenMitchell)

エイジからサイコーへ向けた言葉は、エールであり挑戦状だった。これもまた、バトル物に ありそうな展開だ。熱い!

アップになって初めて気が付いた。エイジが身につけている羽(ほうき)は、たんに首元に差し込んでいるだけなのか! ええ !? 執筆中にモサモサして気持ちが悪そうな気がするけど……。何か特別な工夫をして固定している、のかと思っていた。

初登場時の「自分の嫌いな漫画をひとつ終わらせる権限」を要求したときの格好と同じくらい、今回のズキューンですのポーズは決まっている。

ヒーロー物のマンガを描いているマンガ家は、立ち振る舞いも格好良くなるのだろうか。「なん……だと…… !?」の先生は、それが口癖でよく言っているのかもしれない(誰?)。某先生は、どんなに落ち込んでいても「肉食ってドン!!!!」と回復しそうだ。

連載作家 同士 いいな

サイコーとエイジの会話を聞いて、福田が くやしがっている。その態度には陰湿なところがなく、爽やかさに感じるのが良い。男は いつでも、こうありたいものだ。

意外な事に、福田のライバルへの対抗心を見て、中井が感動している。あれ、中井って、ライバルに反応するような、燃え展開が好きなキャラだっけ? これも、福田の近くにいて影響された、ということか。

福田が嫌いな人もいるだろう。しかし、最初のころと印象が大きく変わって、福田を好きになった人も多いはず。

じつは、福田の言動は変わっていない。言いたい事はズバズバ言うし、乱暴だ。

人物の性格は変えずに、見せ方に変化をつけるだけで、好意を持たせる。これができるのは、原作者の話作りの巧みさと、絵の上手さだ。

このページで注目すべきなのは、中井の「まだ付き合って いるわけでも」という発言である。中井よ……「まだ」ってなんだーーー !? 妄想は、作品の中だけにしておこうな……。

言葉の上ではバカにしたような言い方をしながら、心の中では福田は中井を応援している。そこには回りくどさがなく、カラッとしていて気持ちがいい。エイジも笑っている。「おっとこのこだもんね~(CV: 三石琴乃)」という言葉が頭に浮かぶ場面だ。

遅く なっちゃった

サイコーの連載決定を、自分の事のように喜ぶ亜豆が かわいらしい。まぁ、一部は「自分の事」でもあるのだが。

ここからは珍しく、美保と美雪(母親)との会話が続く。お母さんは すべてお見通し、という展開だ。

亜豆の家にサイコーとシュージンが来た事と、2 人と母親との会話を、ミホは知らない。だから、母親の勘の鋭さに驚いた。

──それにしても、美雪が知っているのは、真城と高木がマンガ家を目指している事と、自分の娘を好きなのは真城のほう、という 2 点だけのはず。それだけで、「亜城木夢叶」までたどり着くのは、すこし鋭すぎる。まぁこれは、ペンネームに 3 人の名前と夢を盛り込んだ、見吉のお手柄と言う事にしておく。

ここで、念のために おさらいをしておこう。

「6 ページ」でサイコーとシュージンは、亜豆親子と道で会った。この時に美保へ向けて母親は「同じクラスの お友達じゃない?」と言っている。

「1 ページ」で亜豆の家のチャイムを鳴らし、亜豆の母親と会話をしたのは、シュージンだ。

そして今回、母・美雪が「美保の好きな人 当たり」と言う。

──これ、ミホの視点から見ると、「自分が好きなのは高木くん、と母は思っている」と受け取るほうが自然なのでは?

読者からすれば、サイコーとミホは相思相愛であることは知っている。ミホと(将来)つき合うのは真城、と亜豆の母親が聞いた場面も見た。だが、ミホがそれを知る機会は、まだないのだ。

いつものように、自分の考えすぎだろうか。ミホからすれば、「好きな人を当てられた」から照れているのではなく、「好きな人について話す」こと自体が恥ずかしい──のかもしれない。

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