『バクマン。』 35 ページ 「嬉しさと寂しさ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 22・23 合併号)

Change, we fear it.... (by apesara) (by apesara)

先週号から登場したゴツい男の名は、港浦(みうら)という。

前回の感想で、この人物をアシスタントだと自分は予想したが、実際には新人の編集者だった。服装だけを見ると、警備員にも見える。学生時代は体を使ったバイトをしていそうな感じ。

とにかく熱い──というか暑苦しい男だ。相手が初対面でも空気を読まずに、ガンガン押しつけていくタイプに見える。サイコーとシュージンは面喰っているようだ。

この港浦を連れてきた服部の口から、驚くべき事が語られる。本当にビックリした。亜城木夢叶の連載が決まったことよりも、衝撃的だ。

それは──。

まるで、『DEATH NOTE (7)』のあの展開のように、ショックだった。

そのほか、今週号の『バクマン。』は、見どころが多い。週刊少年ジャンプでの連載をねらっているマンガ家志望者は、永久保存で 3 冊は購入するべきである。

川口たろうの 仕事場か……

ということで、服部哲が亜城木夢叶の仕事場──元・川口たろうのいた場所に来たのは、今回が最初で最後になる。

たぶん、意図的描いているだろうが、港浦の言動はカンにさわる。親類がマンガ家をしてたとサイコーは語っているのに、無反応だ。普通は、マンガ家を廃業したか、亡くなったか、何らかの事情がないと仕事場を手放さない。それなのに、家賃の事しか港浦は気にしていないのだ。

しかし、これは大場つぐみさんの「いつもの手口」だろう。

どういう事かというと、サイコーもシュージンも、エイジも服部も──登場人物は ほぼ全員、初登場のときには「イヤなヤツ」に見えるように描いている。いま、それぞれのキャラクタの初登場の場面を見ると、違和感があったり笑えたりするはずだ。

人間、第一印象が悪いほど、次第に好感度が上がると好かれやすい。初対面の印象が良くて、だんだんとボロが出てくるのは最悪だ。これは森博嗣さんの持論と同じである。魅力的な人物を描くコツだ。大場さんは、この印象コントロールがウマい。

とはいえ──やはり港浦は無神経すぎる。今後、見直す場面があるのだろうか。

「疑探偵 TRAP」の 担当は

亜城木の 2 人へ向けて、ここで服部から引き継ぎの話が語られる。先にも書いたが、衝撃を受けた。

もう一つ驚いた事に、服部は『ONE PIECE』の担当をしているらしい。今までヒット作の担当になった事がないはずの服部が、「超」が 50 くらい付くほどメジャな作品の担当をするのだ。どういった意図で上層部が担当を決めるのか、かなり気になる。

シュージンも「ここまで 一緒にやってきて もらったのに……」と残念そうだ。しかし、良い方向へ考えれば、連載が始まってから担当が変わるよりは、ツラくないだろう。そう思いたい……。

珍しい事じゃ ない

なおもシュージンは担当が変わる事について食い下がるが、服部は聞き入れない。

担当替えについて力強く語る服部からは、表情が読めない。昔のように得体の知れない目をしている。そう、真城と高木が初めて集英社を訪れたときの服部のように……。

でも、やはり編集長の意図が見えてこない。「それがジャンプのやり方だ」と言われればそれまでだが、では、ジャンプの方針とは何なのだろう。

けっして、仲良しこよしの友だちゴッコをして欲しいわけではない。そうではなく、せっかく一緒になって話を立ち上げてきたのに、このタイミングで引き離す意味が分からないのだ。連載が始まり、軌道に乗ってからでも遅くないだろう。

編集部に直訴に来たベテランの先生の気持ちは、よく分かる──。

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