『バクマン。』 37 ページ 「取締役とトリ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 25 号)

Free Valentines vintage style bingo card (by Tonya Doughty) (by Tonya Doughty)

今週号の『バクマン。』から、「芸コマ」(芸が細かい・コマ)を紹介しよう。

高木の名前を相田は知らなかった、という場面である。

もちろん、亜城木夢叶は知っているが、真城と高木・どちらがどちらかは、相田は知らない(覚えていない)のだ。

登場人物たちの「知っていること」と「知らないこと」とが、キッチリと描いてある。さすが、『DEATH NOTE』の原作者だ。

まぁ、自分などは人の名前を「知っていてもすぐ忘れる」のだが……。

ある女性とお付き合いしているころ(遠い昔だ)、別の女の子とも親しくしていて、ときどき名前を呼び間違えて、あせった。女性はそのあたりがビンカンなので、絶っっっ対に ごまかせない。人によっては、「ティファニーのナントカ」や「グッチのカントカ」などで(一時的に)忘れてもらえるだろう。

ただ──たった一回の間違いだろうが、天が落ちて地がさけても、未来永劫、女性という生きものは決して忘れないのである……。

ビンゴ!

ビンゴゲームで最初にビンゴを出したのは、シュージンだった。

シュージンはビンゴの景品にテレビを選ぶ。それは、仕事場のため・みんなのためだ。彼の人の良さが出たエピソードである。高木家は裕福ではないので、自宅用に欲しかったはずなのに。

一方、我らがサイコーは、自分のためにニンテンドー DS をゲットするのであった……。

楽しそうだな

まったくテレビアニメは見ていないので、エイジがアニメ化 引き延ばしている理由が分からなかった。

アニメって、「毎週」やっているのでは? 「毎日」ではなく。それなのに、なぜ週刊連載の原作に 追いつくのだろうか。マンガとアニメとでは、1 話分の長さが違うのかもしれない(調べる気、なし)。

初めは近寄りがたい印象だった平丸も、このページではすっかり「オモロい兄ちゃん」と化している。

平丸:
「おい 新妻 俺ともっと話せ 俺を安心させろ」

たしかに、人間味のある人物だ。

「新妻に すがるダメ男」と書くと、二重の意味に取れて面白い。まぁ、世の中には「新妻は俺の嫁!」などと言う人もいるのだろう(日本語として正しい)。

しつこいようだが、どうしても平丸は『D.Gray-man』のキャラクタに見える。神田ユウに限定しているわけではなく、ノリがそれっぽい、ということ。星野桂先生だったら、ギャグ絵の時には もっと線を太くするだろうけど。

平丸だったら、黒の教団へ迷い込んでも、なんとか やっていけそうな気がする。アレンに すがってばかりいるだろうが(リナリーが嫉妬したりして→夏コミにこのネタは いかが?)。

高校生相手に

連載を前にして、すでにサイコーはここに毎年 来れるように なりたい、と来年以降の目標を決めている。「18 歳までにアニメ化」と同じくらい困難だが、やり通して欲しい。

マジメに決めた直後に、笑ってしまった。高木がキャバクラに興味を示しているのだ。これは意外である。彼が女性関係でガッツク姿は、これは初めてかもしれない。

やっぱり、シュージンはオンナ泣かせ属性を持っている。カノジョは「泣く前に手足が出る」タイプなので、いろいろと心配だ(高木の体が持つだろうか・いろんな意味で)。

それにしても──ジャンプの編集者といえばキャバクラ好き、という話が繰り返し出てくる。たぶん、真実なのだろう。

自分だったら、お金を払ってオネーチャンと話をするくらいなら、ナンパして高級料理店へでも行ったほうが面白いと思うけどな……。「一回でも行ったら分かる」ような、「何か」がキャバクラには あるのだろうか?

惜しいことをした……

マシリト──鳥嶋と真城との初対面は、ちょっとビックリするような描写になっている。なぜか、まるでラスボスとの対面のようなフンイキなのだ。

どうして、真城にとって鳥嶋は「おじさんのカタキ!」──みたいな描き方になっているのだろうか。

たしかに、鳥嶋の言い方には、すこしだけ冷たさを感じる。しかし、本当に川口たろうのことを思い、親族である真城に自分の気持ちを正直に語ったはずだ。鳥嶋が真城から恨まれる要素など、ひとつもない。

──自分なりの解釈を書く。

たぶん、これは「感極まった」表情をサイコーがしている、ということだと思う。

おじさんと同じ場所に自分も来たという感動、かつての川口たろうを知る人物との出会い、なにより「ジャンプのエラい人」との会見──さまざまな感情がサイコーの中で渦巻く。そのため、ここから数ページは、サイコーの顔がすこし変になっているのだろう。

ここは真城最高の見せ場なのだから、もっと格好いい顔とポーズで語らせていいはずだ。それなのに、このような「切羽詰まった顔」に描いている──。

それは、リアリティのためだ。実際に、このような状況になったら「スタイリッシュにキメゼリフを叫ぶ」ことなどできない。

──そうそう、最近になって読んだ下の記事が良かった。

「リアリティ」はなんて訳す? 訳し方はひとつじゃないはずだ - ピアノ・ファイア

この場面の真城には、「迫真感」がある。

頼もしいな……

ほんの少し前に ほかのマンガ家を見てオーラに圧倒されていた真城が、佐々木編集長と鳥嶋取締役に向かって覇気をぶつけている。面白い。

上では違うことを書いたが、おじさんの無念を言葉にして伝えたかった、という気持ちもサイコーにはあるのだろう。この場面は、川口たろうが乗り移っているのかもしれない。

アンケートで 1 位を獲ることの難しさは、誰よりも佐々木と鳥嶋が知っている。それでも、マンガ家から面と向かって言われれば、応援したくもなるだろう。ただ、「口で言うなら簡単」とも思っているはずだ。佐々木のアドバイスからも、それが伺える。

ところが、真城の決心は、そんな甘いものではなかった。

[2] このページの一番上へ戻る