『バクマン。』 37 ページ 「取締役とトリ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 25 号)

half empty half full (by Meax) (by Meax)

鳥嶋が語る可能性の話を聞いて、「コップの水が半分」問題を思い出した。ちょうど鳥嶋がグラスを手にしているところから、すこしは意識しているのかもしれない。

コップに入った半分の水も鳥嶋の言葉も、「ポジティブシンキング」の一言で片付けるのは もったいない。

「言葉や概念を知っていること」と「その言葉の本当の意味を考えること」とを同じように考える人が多すぎる。──自分もその一人だ。気をつけよう。

夢もチボーもないハケン社員の今年 35 歳オス、である自分にも可能性は無限にある と考える──ことができたらなぁ………………。

人気マンガとして

佐々木編集長と鳥嶋取締役(早口言葉?)に対して、サイコーが語った言葉が熱かった。

昨日も書いたが、この場面のサイコーが、キリッとした表情──ではないところが良い。セリフを改変したら、いくらでも挙動不審者か変質者に見えそうだ。だが、それがいい。

ようやく、「18 歳までにアニメ化して亜豆と結婚」などという浮ついた夢ではない、地に足の着いた目標ができた。目標の達成には何年かかってもやり通すだろう。

残念ながらそろそろ

『バクマン。』は感動した直後に笑わせに来る。油断ができない。

しかし──、この鳥嶋が言った「何かの映画で」という言葉は、照れ隠しだと思う。おそらく、この可能性の言葉は、彼の座右の銘なのではないか。

それくらい、鳥嶋はビシッと決まっていた。亜城木たちの元から去るところも、格好いい。人の上に立つ人間には、これくらいの態度でいて欲しいものだ。

──と思っていた矢先に、茨木編集長が登場する。佐々木や鳥嶋のように渋いオトナたちと、茨木は対照的だ。ジャンプ界のヘイポーと呼ばれていそうな気もする。

茨木編集長や斉藤氏を見ると分かるとおり、平身低頭のまま「エラい人」になれた人がいるのだ。ここ日本では、頭を下げるのも能力の内、ということか。まぁ、地位が高くなったとたんに偉そうな態度を取る人間よりは、信頼できる。

佐々木よりも茨木に付いていきたい、という作家もいるのだろう。人望にもいろいろな形があるのだ。

聞いて ないぞ

蒼樹紅と面会していた「謎の男」の正体が、ついに明かされる──!

なんと、その正体は── KOOGY こと間界野昂次(まかいの こうじ)だったのだ! これにはビックリした(ここ 2 行は、棒読みで読んでいただきたい)。

というか、読者の何人かは彼の存在を忘れていたのでは、と想像する。

茨木さんあざとい

自分は、今回の一件で間界野を見直した。逆の意見のほうが多いであろうが。

考えてみて欲しい。歌手と俳優で成功を収めた芸能人は、いったい何人いるだろうか。そして、その成功だけに満足せず、ほかの作家活動でも野心的に活動する人間は、あまり聞いたことがない。

(と思ったけど、変な芸術の世界に進んで個展を開いたりする芸能人も多いか……)

蒼樹紅が間界野昂次の作品を認めている、という点も注目だ。

金未来杯ではサイコーたちの視点で語られたため、「『カラフジカル』は意味不明の作品」という印象だった。読者からのアンケートの評価も低い。

しかし、蒼樹は『カラフジカル』に可能性を感じている。シュージンも認める実力を持つ蒼樹の評価だけに、的外れではないはずだ。歌手としての KOOGY のファンとして出た言葉、でもない。

つまりは、蒼樹と間界野が組むことによって、本当に天下を 獲るような作品が生まれるかもしれないのだ。可能性は、無限である。

いちおうは中井の「身内」である新妻エイジは、クールな素振りだ。「私情です」なのは分かるが、もう少し心配してもいいのでは、と余計なお世話を焼きたくなる。その意味はないのだが。

さて、中井が取った行動とは何だろうか?

「当たらない予想」書きとして、次の予想を上げておこう。

──中井は、間界野・蒼樹のアシスタントになる!

大抵の読者が「中井がヤケを起こして KOOGY のところへ殴り込み」のような予測をするだろう。最大の事件となったという書き方とも一致する。そして、おそらくそのような行動を中井は起こすと思う。

そのあとで、何とかして蒼樹の近くにいたい中井は、屈辱的ながらも間界野のアシスタントを志望する、のではないか。よく考えてみると、優秀なアシスタントは歓迎だろうし、誰も損はしない。──エイジ(と担当)以外は。

なんとなく、このイヤな予想が当たりそうな気がする……。

[2] このページの一番上へ戻る