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『バクマン。』 38 ページ 「窓と雪」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 26 号)

American Football At Åsane Seahawks And Bergen Storms Training Field (by Magnera) (by Magnera)

いちど言ってしまったことで、引っ込みがつかなくなる。──よくあることだ。

レギュラメンバは全員が足の速い選手──というムチャな設定にしてしまったせいで、「どう見てもチート」な女性選手を登場させたり……。

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一方、『黒子のバスケ』では「全員、20 点がノルマ──ただし黒子は特別に除外」とアッサリ描いた。

──そりゃそうだ。選手にはそれぞれ役割分担がある。ピッチャにホームランを要求するカントクはいないのだ。

(ところで、この作品を「ホクロのバスケ」という不思議なタイトルと思っている人は、いないだろうな……)

役割を無視したおかげで、もうだれも小泉なんて覚えていないよ……。いいキャラクタなのに、「なかったこと」になってしまった。

勢いで言いだしたことでも、柔軟に対応するべし、という教訓と思っておこう。

(などと言いながら──。そもそも「小早川瀬那は、足は速いけど腕力は平均以下」という設定もウヤムヤだ。セナが阿含の頭を片腕で押さえつけて倒したときには、すでに「もうダメだ」と思っていた。今週号では、セナが進の技まで使うし……)

今週号の中井も、自分が言い出したことのために、大変な思いをした。

それでも──男に生まれたら、決めたことを貫き通す必要がある。それが、男の生きる道だ。

「え、この男女同権の時代に、なに言ってんの?」という人は、もう一度『バクマン。』を一話目から読み返そう。どう見ても、戦後・昭和の「男性中心社会」の香りがする作品なのだ。男のロマンがテーマである。

心も体も燃えてる

蒼樹からの電話を受けて、うれしそうに中井が応えた。この状況で「ありがとう」と言える中井がスゴい!

当然のように暖房の設備もない寒空の中、中井は「全然寒くない」という。そんな はずはない。しかし、やせがまんにも見えないのだ(中井が太めだから──ではなく)。

本当に、命を燃やして・心を込めて描いていれば、寒さなど感じているヒマはないのだろう。電話を受けながらもペンを止めていない、というのが良い。

中井の姿を見て、福田は「男の生きざま」を見た。福田は仲間の健康よりも、美学を優先するのだろう。面倒見の良い福田だが、相手に──「男の恥」をかかせるようなマネはしない。

──この作品は、どこまでも「男のマンガ」なんだよなぁ……。良くも悪くも。

「死ぬ」という言葉に反応するシュージンと見吉が面白い。いや、状況からすると、まったく笑い事ではないが……。

ひどい女だと 思わない?

学校からの帰り道で、サイコーとシュージン・見吉が会話をしている。このページも流れが見事だ。

見吉の非難から始まり、何気ないひと言から蒼樹の胸の内を想像する。こういった場面では、なぜか秀才のシュージンよりも、カンがいいのはサイコーのほうだ。

──ああ、そうか。カンと言うよりも、「そのほうがロマンチック」だからかもしれない。

マンガ 描いてる

中井が不良(チンピラ)に からまれる場面を見て、あるマンガを思い出した。

GANTZ』の奥 浩哉が過去に出した短編集・『奥 浩哉短編集 1 -赤-』か『奥 浩哉短編集 2 -黒-』に収録されている(はずの)作品だ。マンガ家を目指す主人公が、同じく不良からチョッカイを受けていた。

その作品のあとがきで「奥先生も苦労したんですね、と担当に言われた」みたいな事が書いてあって、ちょっと切ない。

自分の手と原稿だけは死守する中井を見て、すこしは蒼樹の心も動いただろうか……。

中を見るくらいなら……

中井の描いた原稿を見る蒼樹、という場面には驚いた。どうやら、この 4 日目までは、原稿を見ていなかったのだ。やはりこの人は、血も涙も……。

物語の進行には、ハプニングがつきものだ。映画や小説ならば「平凡な日常」を描いた名作も多いが、少年マンガには少ない。

もしも中井の身に何も起こらなかったら、本当に蒼樹は無視し続けたのかも……。そう考えると、ちょっとコワい。

大雪 !?

小河がコンビニから帰ってきた場面には、違和感がある。

加藤が天気予報を知っているのに、真城は知らないのだ。どういう状況だろう?

おそらく、仕事場にはシュージンがビンゴで当てたテレビが置いてあるはずだ。加藤は休憩中にテレビで天気予報を見たのだろう。あるいは、携帯電話から見た可能性もある。

──どうでもいいか。

ドーデモイー話のついでに、この場面の「早く帰った方が いいかも」という加藤がツボに入った。チーフに向かってタメ語かよ! あと、部活のマネージャみたいに見えるのもポイントである。

加藤、もっと活躍してくれないかなぁ……。

「フ」の付く女子的には、ラーメンをぶら下げたまま移動する福田もツボなのでは?(『さよなら絶望先生』でネタにしそう)

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