写真の露出について

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写真はピントと露出で決まる

もちろん、「まずは被写体ありき」だ。それに、構図という やっかいなモノも付いてくる(それ自体は実在しないのに)。しかし、何でもない風景を気が向くままに撮っても、良い写真になることは多い。それにはやはり、正確なピント合わせと適切な露出の設定が必要だ。

ピントは分かりやすい。主題にフォーカスが合っていれば、それで良いのだ。どんなにカメラが高価でも、レンズが良くても、ピントがズレていたら失敗である。──高価なカメラ(フルサイズ)ほどピントの合う範囲(被写界深度)が狭いため、ボケやすい(良くも悪くも)。

いわゆるピンぼけにも善し悪しはあるが、今回のテーマではないので、このあたりにしておく。

問題は、露出だ。

Wikipedia で露出の定義を見てみよう。

フィルム等にあたる光の量は、感光材料や撮像素子の感度、使用するレンズのF値、露光時間(シャッタースピード)によって決まる。

露出 (写真) - Wikipedia

上記のことは、デジタルカメラでもほぼ有効だ。ISO 感度・絞り値・シャッタ速度の三要素で露出が決まる。

──そう、このたった 3 つのことで写真の露出が決定されるのだ。だから、難しい。

今月号の「GANREF | デジタルカメラマガジン」(以下 DCM)では、露出の特集が組まれていた。多いに参考にしながらも、気になった点について書いてみる。

デジタルカメラマガジン 2009年 07月号

デジタルカメラマガジン 2009年 07月号 [雑誌] (雑誌)
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露出の話をする前に、DCM の宣伝をしよう。

今月号のカメラ雑誌は、どれも OLYMPUS PEN E-P1PENTAX K-7 の特集記事が載っていた。まぁ、いま書かずに いつ載せる! という感じもするけれど。

あらゆるカメラ雑誌の中でも、この二機種の特集に力を入れていたのが DCM だった。ある雑誌なんか、K-7 は 1 ページしか載っていなかったのに……。

ということで、(パンケーキレンズを合わせると R2-D2 っぽい)E-P1 と(PENTAX K20D を「なかったこと」にしてしまう勢いの) K-7 を狙っている人は、DCM を読もう!

ニコンが語る露出の話

ニコンの技術者へのインタビュー記事である「露出の深イイ話」が興味深い。

フィルムカメラの時代はシャッターと絞りの制御により、フィルム面に ISO に応じた所定の光量を与えることを露出としていました。デジタルカメラではこれに加えてイメージセンサーで画像処理を行い、所定のレベルが得られるという部分まで含めて露出の範疇に入ってきています。

デジタルカメラマガジン 2009年 07月号」 p.63 ニコン・青柳氏の発言

これによると、上で書いた「3 つのこと」に加えて、カメラ内部でデジタル処理を行なうところまでが、デジカメの露出になるようだ。なるほど、同じ絞り値・速度・ISO 感度でも明るさが違うのは、これが原因か……。

「絞り優先マニュアル露出」とは

p.52, p.53 に「マニュアル露出を極めよう・ポートレート編」という小特集がある。この内容が悩ましい。

まとめると、次のようになる。

  • 「絞り優先 AE + マルチパターン測光」では、逆光で白飛びしやすい
  • マニュアル露出 + 中央部重点測光」にすれば、人物の顔の明るさを一定に保てる
  • 絞り値を決めたあと、露出インジケータが「0」になるようにシャッタスピードを調整する
    • マニュアル露出でありながら絞り値を優先して決めるため、「絞り優先マニュアル露出」と呼んでいる

これを読んで、「なるほど!」と思った人もいるだろう。自分も最初は そう思った。

しかし──よく考えて欲しい。

要点は、「マルチパターンに頼らないで測光する」と「逆光などの明るさに差がある場所でも露出を一定に保つ」ことだ。それだけなら、

「絞り優先 AE + 中央部重点測光 + AE ロック」

──で十分に再現が可能なのだ。マニュアル露出(M モード)にこだわる必要性が見えない。

その前に、F 値を変えるたびに、シャッタスピードもガチャガチャと変えるのは、メンドウだ!

露出のまとめ

今月号の DCM と自分の(つたない)経験から、デジタル一眼カメラにおける露出について、まとめてみる。

  • デジカメの露出は「絞り・速度・感度」に加えて、デジタル処理まで関わってくる
    • そのため、カメラのクセをつかむことが大事
    • マルチパターン測光が信頼できるカメラもあれば、中央部重点測光しか使い物にならないカメラもあるだろう
  • 露出補正とは、「明るく写す・暗く写す」機能──ではない
    • どちらかと言うと、「ここまで明るく/ 暗く写ってもいいよ」とカメラに伝える機能である
  • けっきょく、逆光時などの難しい状況での撮影は「自分が慣れている方法」が一番
    • マルチパターンとプログラム AE でプラス側に露出補正をするか、
    • 中央部重点と絞り優先 AE で撮るか、
    • マニュアル露出で自分のカン(または露出計)を信じるか──自由だ
  • いつの日か、「ピントも露出も全自動でカンペキに行なうカメラ」が現われる──ことを信じている

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