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『バクマン。』 58 ページ 「一桁と二桁」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 47 号)

Zimbabwe Inflation Rate 2.2 million percent (by Gregor Rohrig) (by Gregor Rohrig)

この作品はバトルマンガである。

──じゃなくて、バトルマンガでよく見る展開や構図が、盛り込まれています。ライバルたちとの熱い戦いや、「昨日の敵は今日の友」という人間関係、戦いに夢中でヒロインがほったらかし、など挙げればキリがありません。

さらに、連載の初期からしばらくは「ジャンプで連載するまでの苦労」を描いていたのに、最近では次々に新人作家がデビューしています。バトル物にありがちな、戦闘力のインフレですね。

ところが、よりによって主人公コンビが、インフレ連載バトルに乱入できないかもしれません……。

進めておくか

『TEN』の本ちゃんの結果が 10 位と知って、亜城木の 2 人は安心して『未来時計』の連載ネームを進められる。──となるはずが、2 人の顔は冴えません。

サイコーは『TEN』での連載は望んでいないため、今回の結果は希望通りだったはずです。その彼でさえ、こんなに悪い結果だとは思わなかった。

シュージンも、港浦が大笑いしていた話なので、もっと上位を獲る自信があったのでしょう。それが、冷や汗をかいています。

なんとなく、この場面からずっと、「イヤな予感」が漂っている……。高浜からの電話も、港浦さん やっぱり 駄目ですが第一声ですからね。ダメ空気で満ちています。

変に笑いを入れて

高浜の悲痛な叫びが、重い。自分の意志とは異なるところで、自分の作品の評価が低くなるとは、やり切れないですね……。

『バクマン。』では、「本当に面白いマンガとは何だろう」という話は、じつはほとんど出てきません。そのため、このマンガを「面白いマンガを描くためのハウトゥー物」と思って読むと、肩すかしを食らいます。何度も繰り返し、「ジャンプではアンケートの結果がすべて」という場面が出てくる。

ということで、「港浦の意見を取り入れた『BB ケンイチ』は、本当は面白いのでは?」という疑問をはさむ余地は、ないのです。読み切りが 2 位で、連載の 1 回目は 6 位だった。その結果が、すべてです。『ドラゴンボール』で言うと「戦闘力の高いヤツが強い」。

シュージンと高浜との会話を聞くと、亜城木夢叶の策略家ぶりがよく分かりますね。担当者との打合せを通した読み切りと、通さない読み切りとを、両方とも載せる。──これは、長年やっているプロでも、なかなか経験できないことなのでは?

実際 可哀想 だよ

3 人とも高浜を相哀れむという感じですが──人ごとではありません。『BB ケンイチ』よりも『TEN』は順位が低かった。その低い評価の作品を見て、「亜城木夢叶のマンガは面白くない」と読者は思うのでは。それを、今後も引きずったら……。

すべては『未来時計』の評価にかかっています。5 位以内を獲ることが目標ですが、いまは結果を待つしかない。サイコーとシュージンは、もどかしくて仕方がないでしょう。

じゃ 何が?

見吉の質問に対して、シュージンは生返事です。これは、『Future watch』の本ちゃんが気になるからでしょうね。中学・高校と同じく、大学に入っても、勉強どころではない。ゼイタクなような、もったいないような話です。

いよいよ知らされた結果は── 9 位でした。これはショックです。話の流れから、この結果をある程度は予想できましたが……。確定した情報として聞くと、ガクゼンとしますね。

こうなると、シリアスもギャグも、亜城木夢叶のマンガは人気が取れない、という評価になってしまいます。いや、もう編集部の中では、そういう判定が下されているかもしれません。

港浦が言うには、読み切りのアンケート結果が二桁でも、連載になった例は多いそうです。ただ、編集部から期待のかかる亜城木夢叶のことだから、今回の順位を踏まえて「やはり、もう少し連載の間隔を空けるべき」となるのでは。

亜城木夢叶にとって、試練の時です。

すでに、サイコーは「18 歳までに──あらため、18 歳のうちにアニメ化」とは思っていないでしょう。ここは、じっくり話を練り直すべきだと思います。──まぁ、このマンガのことだから、次回で急展開になっていると思いますけれど……。

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