バクマン。 #61-1 「同盟と同級」 ヤキモチとパートナ

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『バクマン。』 61 ページ 「同盟と同級」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 50 号)

餅 (Mochi) (by Robert Otani) (by Robert Otani)

「恋とは何でしょう」──といえば、有名なジャズの名曲の邦題です。

YouTube – What Is This Thing Called Love

それはさておき(おくのかよ!)、本当に、恋って何なんでしょうね──? 謎です。

「先生……、現実って何でしょう?」(……)

「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」(……)「普段はそんなものは存在しない」

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER』 p.357

──恋も、同じかもしれません。

なるべく電話だけで

シュージンには、『DEATH NOTE』のライトみたいな、ずるがしこさがない。根は正直なんですね。そもそも、蒼樹と「どーにかこーにか」なる気はないため、素直にカノジョとパートナの話をしています。

それがまた、女の子には胸キュンなんですよ! とくに、蒼樹のように恋になれていない女性は、イチコロでしょう。

お互いに、ほかの誰にも言わないヒミツを持った者同士、という部分も高得点ですね。

──そりゃ、蒼樹もクラクラです。

高木からの電話を待つチラ…な蒼樹は、どう見ても恋する乙女だぁー! 蒼樹は、こんな人ではなかった気がするのだけど──オッケーです! グーですよー!!

10 時ピッタリ

ケータイを意識してソワソワとしていたり、着信音にビクッとしたりする蒼樹は、まるでラブコメのヒロインですね。カワイすぎます。ある意味、キャラ崩壊でしょう。だがそれがいい !!

いつもは部屋着でもスタイリッシュな蒼樹さんですが、今日はラフなパーカ姿ですよね。これが逆に、「ヘンにオシャレをしていると、意識していることになってしまう……」と悩んだ末の格好では。そう考えると、萌えます。萌えまくりですよ-!

シュージンは、気配りのできる男で、徹底的に素直です。ちょっと緊張していますといった、自分の気持ちを正直に言う。すごいと思ったことも、すっげーっ !!と叫ぶ。純朴な青年、という感じです。

世間ではワルな男がモテるとかなんとか言われ、ムリに背伸びをした男子も多いようですが、けっきょく、最後に残るのは、シュージンのような好青年でしょう。まともな女子なら誰でも惚れる。

──しかし、それこそが、シュージンの「オンナ泣かせ属性」を開花させるきっかけになりそうで、この先がコワいです。ここのサイトでは、ずっと言い続けていますが……。

そんな事より

意外にもスルスルと蒼樹の個人情報を吸い出すシュージン(←オンナ泣かせらしさ)に対して、蒼樹からツッコミが入ります。そのときにシュージンが妄想した蒼樹は、ベッタベタな「女教師」で笑いました。でも、最高! です。

どうして、男って、こうベタなエロスが好きなんでしょうね。何かの刷り込み?

シュージンが話す「見吉との出会い」にしても、勘違いから始まった成行きの恋──アリガチじゃないですか! 当人たち(とくに女性)には、これは「運命」と置き換えられるのです。

蒼樹からすると、サイコーと亜豆のような、「ガッチガチに・硬すぎる・お付き合い」が理想的な恋愛とのこと。片思いばかりの彼女には、サイコーたちの純愛は、耳に心地好いでしょうね。

…素敵 ですね…

シュージンもサイコーも、お互いに陰口を叩きません。ぜったいに、悪いようには言わないんですよね。素晴らしい! これは、多くの人に見習って欲しいです。自分も、気を付けよう。

蒼樹にとって、シュージンの話は作品作りの役に立つ。それだけではなく、自分の理想とするステキな恋愛をしている人がいる、という事実を知った。このことは、自分の恋愛観に間違いはない、という裏付けにもなるわけですね。蒼樹がウットリとする気持ちも、よく分かります。

ちょっと不思議だったのは、これだけ話し合ったあとで、ようやく「蒼樹の次の作品は恋愛物」であることをシュージンは知りました。キャラクタの造形を深めるためにマンガ家同士で話し合う、という前提だったとはいえ、シュージンの中では「純粋に恋愛話がしたかった」のかもしれませんね。

中井の気持ちを察して気づかいながらも、(どさくさに紛れるように)カレシがいるかどうかも聞く。──やはりシュージンは、女心をもてあそぶ男になっていきそうな気がします……。

まだ 話し中って

見吉の勘の鋭さは、いままでにも描かれていました。絶賛発売中の『バクマン。 5』でも、珍しくサイコーから電話がかかってきたときに、すぐにやな予感がしていましたね。

そんな彼女のことだから、電話が通じない理由をサイコーに聞いて担当じゃね? と言われても、絶対に信じていないはず。もう、この時点で、オンナの気配を感じ取っているでしょうね。

これは、この先が面白く──いや、コワくなってきましたよ……。

一方、そんな事を知らないシュージンと蒼樹は、なんともメルヘンチックな感じになっている。素直な気持ちで恋愛について語らいあう姿に、ピッタリの背景です。

恋愛とは──「好き、ということ」とは、こんな風に、フワフワと宇宙空間で漂うようなもの──なのでしょうね。

コメント

  1. 神速 より:

    今週も密度の濃い週でした~。やっぱりバクマン。は面白いなぁ・・・
    蒼木さんいいですね~、何だか読んでて楽しい(ニヤニヤしてしまう)展開でした。

  2. asiamoth より:

    もう、今週号は(も)「詰め込みすぎ!」って思うくらいに、充実していましたねー。
    「蒼樹はツンツンしていて苦手」という人も、一気にファンになったのでは?
    まぁ、自分は、初登場のころからのファンですけどね!(ちなみに自分はウソつきです)