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『バクマン。』 62 ページ 「小説と手紙」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 51 号)

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シュージンと岩瀬の「お付き合い」は、勘違いだと分かり、終わりました。ところが、シュージンと見吉との恋愛は、勘違いから始まったのです。

──この違いは、決定的に大きい。プライドの高い岩瀬からすれば、何年経っても忘れられない、屈辱でしょうね。それこそが、岩瀬がシュージンにこだわる理由なのかも

いや、それ以前に、女性という生きものは、「あの時の感情」を長い間──ひょっとしたら一生、持ち続けるのです……。

キレイに なってる…

シュージンと岩瀬の、感動的な再会シーンです!

──んなワケはねェよ! という感じで、けっこうな修羅場になる可能性もありましたよね。まさか、蒼樹がこんなにストレートな形で 2 人を対面させるとは、思いませんでした。

ここで、3 人の行動をまとめてみましょう。

蒼樹:
「高木さんと岩瀬さんを会わせなきゃ……」→会わせた
岩瀬:
「高木くんと会いたい……」→会った
高木:
「蒼樹さんに会いに行かなきゃ」→「あ、岩瀬、キレイだな……」

おいおーい! というくらい、みんな行動も思考も、素直すぎます。大学生の三角関係(?)なんですから、もうちょっと策略を練ろうよ! 「動物園でデート・現地集合~」というところも合わせて考えると、「中学生かよっ!」(三村ツッコミ)という反応が正しいでしょう。

──あ、なんだか、大場さんのネームにケチを付けているに聞こえるかもしれませんが、ノーです! 好きなんですよ、こういう真っすぐな「明るい男女交際」みたいな展開は。ベッタベタなラブコメのノリもグーです!

いや、それにしても、いちおうは蒼樹に「裏切られた」ことになりますよね。シュージンはどういう事 ですか? の返事を聞いて、納得ができたのでしょうか。

シュージン:
「キレイだからおk !」

(えー)

たまたま たまたまって…

このページは、シュージンの表情に注目です。

セリフだけを見ると、シュージンは岩瀬の事を絶賛していますよね。ところが──シュージンの顔は、それほど感動しているようには見えない。わざとらしい表情です。このリアルな描写でここまで描き分けられる、小畑さんの画力が光りますね。

あ、そうそう。よく小畑さんの絵を「動きが感じられない」などと批評家気取りで語る人が多いですよね。そういう人は、単純に漫符がない(少ない)マンガを読み慣れていないだけなので、そっとしておきましょう……。あるいは、「アニメじゃない」「声が出ない」と満足できない、とか。

それはさておき、今度は岩瀬を見てみましょう。──なんで、この人は、いつも怒った表情をしているのでしょうね。せっかくの美人なのに、もったいない……(今の世の中ではセクハラ発言?)。前のページでは、非常に良い表情をしていたので、もっと岩瀬は自分を知るべきですね。

僕はこれで ……

シュージンが無言になる気持ちも、よく分かります。たしかに、ちょっと何を話していいのかが、分からない状況ですよね。よく見ると、蒼樹も困った(汗をかいた)表情をしています。岩瀬には、他人を黙らせる力がある。

岩瀬の発言を、蒼樹が翻訳してシュージンに伝える、という構図が面白い。当人からすれば、気まずいことこの上なし、ですけれど。どうして、岩瀬は自分の口から気持ちを伝えないのでしょうか。

今回の後半でより明らかになりますが、シュージンは岩瀬に対して冷たいですよね。冷たいというか、興味がない。そこまでシュージンが岩瀬を避けたがる理由は、何なのか。ただ単に、岩瀬のキツい性格が苦手、ということかもしれませんね。

マンガなんて くだらない

シュージンは、マンガのことを本気で くだらないと 思ってるワケ ないだろ! と怒っている。この場面は、作者の気持ちが色濃く出ているのでは、と受け取りました。

他人が一所懸命にやっている事に対して、上だの下だのと言う人に、ぜひとも読んでいただきたいですね。まぁ、そういう人には、読んでも何も伝わらないかもしれませんが……。

岩瀬の小説は、3 万部くらい売れている・または発行されているようです。これは新人作家にしては、スゴい数字なのでは。蒼樹が例に出した何百万部という数字に引け目を感じる必要は、まったくありませんよね。

こういう細かいところに反応して、必死に反論する──これが岩瀬のカワイいところ、と思えてきました。非常につき合いにくい女性ですが、反応のツボが分かれば、彼女の良さを引き出せそうです。

な 何 言ってんだ

岩瀬は、何とかしてシュージンと同じ土俵に上がろうとしている。シュージンは逆に、岩瀬には小説書けよと必死に説得しています。

よく見ると、絵的には、シュージンと岩瀬との距離は近づいている(岩瀬がにじり寄っているのか?)。それなのに、こんなにも会話がかみ合わない。心は遠く離れている──悲しいですね。

ハッキリ言って、岩瀬は苦手でした。でも、こうやって感想を書くために、しつこくしつこく、すべてのコマを追っていくと、岩瀬が好きになりそう。とくに、肩を 並べていたいという発言は、非常にキレイな感情だと思います。

アスカ:
「ホント、つくづくウルトラバカね! それって、好きってことじゃん!」

(「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」より)

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