『バクマン。』 68 ページ 「トイレとお風呂」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 05・06 合併号)
今回の見どころは、服部の話術です。読んでいて、ゾクゾクしました! 相変わらず、服部はいいキャラだなぁ。
服部と会話をしているのは、非常に素直な性格の人物です。きっと、これからだんだんと「服部色」に染められていくことでしょう。ワクワクします(悪趣味)。
好きな 少年マンガは ?
いよいよ、岩瀬と服部が対面しました。
ここでも岩瀬は正直者です。好きなマンガはない、と答えていますが、せめて『いぬまるだしっ』とか無難な答えを言っておけばいいのに(無難?)。──って、通常の企業への就職活動をやっているわけではないので、余計な「ごますり」は不要ですね。
「週刊少年ジャンプ」へ作品を持ち込む人は、圧倒的に少年マンガ好きが多いはず。しかし、岩瀬は違う。服部がわざわざ質問したところからも分かるように、岩瀬の原作は少年マンガらしくなかった。もし、原作を読んだのが服部ではなかったら、突き返したかもしれませんね。
言う通りに やれば
ここでは、服部の言動に注目してみましょう。
単刀直入に自分の知っていること──相手の弱みとなりうる情報を突き出す。しかし、余計な詮索はしないことを宣言する。その上で、自分の指示に従うように、キビシい口調で言う。今度は、相手がライバル視している人物と同じ才能を感じる
、と持ち上げる。欠点を指摘して、やるべき事を伝え、やる気を探った。
──この短い時間のやり取りで、これだけ相手の感情を上げたり下げたりしているのです! 服部は、大海の荒波やー!(あの人風)
岩瀬にとって幸運だったのは、服部が悪者じゃなかったことですね。彼女からは、やっぱり「清楚高田」の香りがプンプンする……。たとえば、服部が出世欲のカタマリで、ヒット作を描かせるために、岩瀬の望まない作風に変えさせる──。なんてことも、服部ならチョチョイのジョイやでっ!(?)
あの動物園の場面では、岩瀬がマンガの原作をやると言ったのは、たんなるその場の勢いかと思っていました。それに、経験のまったくない岩瀬が原作を書いても、シュージンに勝てるわけがない。ところが、服部という策士が味方に付くとは、予想できませんでした(チクショー!)。このコンビの今後が楽しみです!
それはそれとして──。服部のこの子ならやれる…
というセリフと目つきは、絶っっっ対に、違う意味に取ったコラマンガやアスキーアートが作られているのだろうな……。
何度言ったら わかんだ !!
○子「さぁみんな集まってー! 福田と蒼樹のラブラブシーンが始まるよー!」
いやはや、どう見ても仲が良すぎる 2 人です。うらやましい!!
とくに蒼樹は、登場のたびにミリョク的になっていきますね。しかも、チャームポイントが増えていく。単純にキレイ・カワイイでは終わらない、ステキな女性になりました。本作のヒロインは、やはり、蒼樹で決まりですね!
──亜豆さん、元気かなぁ……。
面白い事に、蒼樹がムダに過激な描写をしすぎるところを、福田が制しています。その昔、福田は、作風が暴力的すぎることを蒼樹に指摘されていたというのに……。
福田はあくまでも、蒼樹の作品をより良くするために指導しています。しかし──にごった自分の目で見ると、どうも「オレの蒼樹はそんな作品を描かない!」と言っているように思えてしまう……。「飛影はそんなこと言わない」、ですね。
ありえねーだろ
蒼樹がキャラ崩壊しています。なんだか、80 年代のマンガに出てくる女の子みたい。ゲストの桂正和先生が蒼樹を描いたのかもしれませんね(ねェよ)。
岩瀬と同じように、蒼樹も「指導係」から根性を試されています。そして、 2 人とも自分の心意気を示しました。もちろん、作者は狙って同じように描いているのでしょうね。亜城木夢叶の強敵(と書いて「ライバル」)たちが、順調に準備を進めているわけです。
また 描きかえた のか?
そうそう、山久と吉田との会話で思い出しました。蒼樹は、山久のことを嫌っているのです。だから、「パンチラ指導」のことも山久には相談していない。蒼樹の独断でやっている。
──結果的に、山久はデスクに座っているだけで、蒼樹の原稿はどんどん良くなっています。お互いにプラス方向に物事が進んでいるという、理想的な環境ですね! ──いまのところは……。
吉田が言う描く度に 人が変わったよう
な作家と言えば、亜城木夢叶も当てはまります。しかし、服部やエイジは、最近の亜城木を「器用貧乏」にならないか気にかけている。それに対して、蒼樹の評価はどんどん 少年誌らしい作品になって
いるとのこと。──この違いは、大きい。
背景が苦手という弱点もなくなる
蒼樹に、サイコーとシュージンは勝てるのか?