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HUNTER×HUNTER No.291 『自問』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 05・06 合併号)

Dance of Love (by Kjunstorm) (by Kjunstorm)

ようやく、やっと、ついに、『H×H』が再開されました!

非常に気になることは、今回は「10 週間限定の再開」とは書かれていないことです。これは、「10 週と言わず、ずっと連載が続く」のか、それとも「10 週分も持たない」のか、期待と不安でドキドキする。

それと、アオリ文で最後にして最大の戦い! などと書いてあります。これまた、「たんにラスボスとの戦いが始まった」のか、「この作品の最後」なのか……。

新春なので、明るく考えましょう! たとえば、あとン年後のサードインパクトが起こる時にも、まだまだ『ハンター』の連載は続いている! とか(ただし、まだ No.300 付近)。

(表紙)

センターカラーの表紙は、コムギが主体になっています。

構図的には凝っているものの、よくある感じ。しかし、キャラクタの特徴とはいえ、「鼻水」をそのまま描くとは大胆ですね。鼻水を垂らした少女と怪物・老人を並べて描いて、「シュールなお笑いイラスト」になっていないことが、スゴい。

いつからだ……?

今回の内容は、ネテロの過去を描いた場面が多いです。

回想シーンでキャラクタの厚み付けをするといえば、ビノールトのことを思い出しました。本誌での掲載時にはなかったビノールトの過去話が、コミックスで追加されたのです。長い長い『H×H』の歴史の中でも、かなり異例のことでした。作者は、彼を気に入っていたのでしょうか。

ネテロ会長は、間違いなく作者も好きな人物のはず。自分も、初登場のころから、ずっと好きなキャラクタです。そういえば、いつの間にやら、クラピカやレオリオよりも、ネテロの出番が多くなっているのでは……(彼らは元気だろうか)。

ただ──、こうやってその人物の過去を描いて、タップリと肉付けをした、「そのあと」に不安があります。

ハッキリ言って、今回の昔話は、話の流れには無関係ですよね。それをわざわざ描く。読者に親近感をいだかせる。──この作者のことだから、単純な「キャラクタの人気取り」で終わるはずがない。そうすると──。

いつでもいいぜ

ネテロが「赤車流」の道場破り(?)を挑んでいる場面を、もう一度ご覧ください。

ゲームの「鉄拳」に出てきそうな人物(おそらく師範代)とネテロは、戦う直前なので、当然ながら向かい合っています。

しかし、来なと挑発している場面では、男はネテロの前面に描かれている。

イラスト・一枚絵ではアリガチな構図ですが、マンガ内では枠線で区切るのが通常です。これまた大胆な構図ですね。たとえば、マンガを見慣れていない人には、「ネテロのシャツに男が描かれている」と見えるのでは?

でも、我々・マンガジャンキィは、絶対に見間違えない。初見でも「ネテロと男が対峙している」と 0.01 秒で理解できるのです。

──ということを、作者は計算して(あるいは本能レベルで)描いているに違いない! どうでもいいことですが、あらてめて作者の非凡さに驚くばかりです。

百式観音 九十九の掌

王に対してネテロが繰り出した連続攻撃は、おそらく「百式観音」の奥義なのでしょう。破壊された地面の描写からすると、ウボォーギンの「超破壊拳(ビッグバンインパクト)」をはるかに超える威力で、モントゥトゥユピーの「爆発」(仮称)に匹敵するくらいの破壊力がありそう。

だが──しかし──! 王は、まったくの無傷に見えます。

防御をしている腕からは、ベキ メキなどと、いい音を出していますが、運動前のウォーミングアップ時に「骨が鳴る」程度のことなのでは……。

ネフェルピトーとの空中戦でも、まったく不意を突いて一撃を与えたはずが、ありがちな「ゴホッ(せき込むか、血を吐く)」みたいなダメージすらありませんでした。ただこれは、百式観音の威力が不足しているのではなく、護衛軍と王が「硬すぎる」からですね。

それよりなにより、「壱乃掌」の時には太刀筋が 見えぬと言っていた王が、いまでは防御姿勢を取っています。もう、「速さで圧倒する」ことは難しい。

今のところ、王には遠距離にいる敵に攻撃する技がありません。すくなくとも、まだ描かれていない。このままネテロが手数で押し切れば、勝機が見えるのか……。また、この墓場に王を追い込むことが作戦であれば、まだ何か「手」があるのでしょうね。

──いまさらながら、墓場ではなく、ノヴの「4次元マンション(ハイドアンドシーク)」に押し込んで空気を抜く事ができれば、地球上の生物に勝ち目はないのになぁ……。あるいは、「神の共犯者」と「窓を開く者(スクリーム)」のコンボとか(だからこそ、ノヴはマンガから退場したのだろう)。

感謝するぜ

さて、ラストの見開きには、「──!! チクショー! 冨樫めェ……! 人をバカにしやがってェ!!!1(満面の笑みで)」という感じでした。一年間も読者を待たせて、これかよ! と(もちろん、喜んでいますよー)。

どう考えても、某ちゃんねるで AA 作られるの、狙ってるだろ!

──という冗談はさておき(えー)、よく読むと、まったくお笑い要素はないわけです。むしろ、ネテロは自分の死期を悟っているように見える……。そう思わせるモノローグです。

ようやく、全霊を以て臨む事ができる相手・王に出会い、ネテロは感謝をしている。これまでの 全てとは、今回の「アリ騒動」(笑)だけではなく、彼の人生そのものを指しているのでは。

強敵に対して本気で拳を繰り出すことこそが、「武」に対する感謝であり、ネテロの「愛」であるわけです。彼が武の極みを求めて以来、たぶん、初めて出会った敗色濃い難敵が、王なのでしょう。

さて、そんなネテロに対して、王はどれくらいの「本気」で向き合うのか、気になります。それとも、本当にすぐに詰んでしまうのか──。

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