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バクマン。 #70-1 「三度目と 2 本目」 スプーンと GAME OVER

『バクマン。』 70 ページ 「三度目と 2 本目」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 08 号)

(by Robert in Toronto (down under))

今週号は、「服部の回」でしたね! この展開からして、「ずっと服部のターン!」が続くことでしょう。それに、もうひとりのマンガ家も……。

そういったオイシい場面は、後半から始まります。序盤は、まだ助走の段階ですね。ああ、早く後半の感想が書きたい!

よくできている

岩瀬の原稿を読んだ感想が、服部にしてはマヌケです。

いくら東応大生で勉強ができるからといって、創作活動での役に立つとは思えません。しかも、マンガの原作は、岩瀬にとっては畑違いの分野であるはず。ここは素直に、岩瀬の才能がスゴい、と驚く場面ですね。

あくまでも岩瀬は、服部に対して低姿勢です。これほど人に頭を下げることは、彼女の人生で今までなかったのでは? 以前、蒼樹が近くにいるのに、シュージンに対して「私と付き合いなさい」と言っていた人とは、同一人物に見えません。

ということで、服部が真に認めるべきなのは、岩瀬の「猫かぶり能力」でしょう。

これ 読み切り用ですよね?

読み返して気がつきましたが、服部がものすごいことを言っています。

岩瀬:
「45 ページの 読切用と 言っていたのに …………?」
服部:
「ああ 僕はもう 続きを 読みたくなっている」

これは、マンガ家にとって最高の賛辞ですね。それに、服部の情熱が噴きだしている。

服部は女性を口説くときにも、ストレートで情熱的なのだろうな、と思いました。──あ、そういう面で、岩瀬と服部は似ているのかもしれない(一人で勝手に納得)。

話そのものは何てことはないのに、読ませる。──この服部の読後感は、蒼樹が描いた『hideout door』の読み切り用ネームを読んだ、シュージンの感想と似ています。作者が考える「女性の描いたネーム」のイメージなのでしょうか。

どこを 直すんだろ?

順調にジャンプでの連載が近づいている岩瀬と比べて、シュージンは不調そうに見えます。

シュージン自身は、直す部分のないネームを描いたのに、連載会議で落とされた。つまり、それが現在のシュージンの実力なのです。

さらに、連載へたどり着けない不満を、担当の編集者である港浦にぶつけている。これは、よくない傾向ですね。まぁ、あの港浦には、文句の一つ二つ三つ──くらい言いたくなりますけれど。

なんつー顔 してんだ

港浦と相田の会話には、「不毛」という言葉が頭に浮かびます。いつも、港浦はグチや疑問ばかりを言い、相田は当たり障りのない事ばかりを答える。この 2 人が話し合うことで、はたして良い作品は生まれるのでしょうか……?

『タント』のネームは、港浦の目から見ても直すところが見つからない。それなのに、じゃあそのまま 次の会議に出せよと相田は言う。これは、ヒドすぎますよね。連載会議で落とされたネームを手直しせずに出して、通るはずがありません。

だから言ったろ

静河流が退場する、という可能性が出てきました。これにはビックリしましたが、彼の性格を考えれば、こうなることは当然かも。連載が始まってから辞められるよりは、良かったですね。

──いや、まだ静河がマンガをやめるかどうかは、分かりません。ほかのマンガ家も自分の弱点を克服して成長しています。今後の山久の活躍で、静河流の連載が決まるでしょう。

それにして、同じ編集部内なのに、港浦・相田と山久・吉田との会話の違いは何なのでしょうか。吉田の的確な指導を聞いていると、相田の適当な言葉なんて無意味です。

港浦の無能さは、上にいる人間のせいなのかも……。

asiamoth: