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『バクマン。』 72 ページ 「文句と一喝」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 10 号)

Audrey Hapburn (by Marco Nunes) (by Marco Nunes)

今回の連載会議で、真っ先に「MONEYS」の正体を見抜くなど、吉田の鋭さには定評があります。作者と読者だけに分かるメタなことですが、『バクマン。』全体の話の流れも、吉田は正しく見ている。エイジと吉田は、『バクマン。』の水先案内人です。

そんな吉田が、平丸と一緒にいるときだけは、黒い。なぜだろう?

組の集会 !?

隣のページではハッキリと描かれていた吉田の顔が、だんだんと隠されていきます。──「黒吉田」へと変身する瞬間ですね。おそらく吉田は、マンガ家の中では平丸の前でだけ、黒く変わるのでしょう。

平丸は、それだけコントロールしやすいのでしょうね。ほかのマンガ家──というか一般的な社会人であれば、こんなにオダテに乗ってこない。

もしくは、吉田夫妻からすると、平丸は弟みたいに見ているのかも。とくに奥さんは、平丸の見合い相手を探しているし、まるで家族の一員のように思っていそう。吉田も奥さんへのプレゼントを平丸にあげていて、とても「マンガ家と編集者」との関係には見えませんね。

──まぁ、平丸が描く『ラッコ 11 号』のおかげで、それに見合うだけの稼ぎをたたき出している、ということなのかも……。

全員 集まったな

サイコーの発言がオカシイ。

この会合は「福田組の集まり」なのだから、いちおうは組員である中井がいないことを気にするのは分かります。しかし、時期的に「同じジャンプで連載している者同士が意見を出し合う場」と見るのが筋でしょう。

自分たちの祝勝会して くれるなんてシュージンは思っているし、やっぱり、最近の亜城木夢叶はたるんでいます。こんなことで、『タント』が人気マンガになるのでしょうか……。

さらに、当然のようにこの場にいるべきである秋名愛子(岩瀬)を、ちょっと 苦手だから呼ばないで欲しいとシュージンは言う。そんな個人的なことなんて、な事 知るかよと言われても、仕方がありませんよね。

とはいえ、この場にいる中で、マジメな意識で参加しているのは福田くらいでしょう。ほかのメンバは、忘年会みたいな気分で参加しているはず。サイコーとシュージンばかり責めるのは、筋違いかもしれません。それにしても、近ごろの 2 人には緊張感がないよなぁ……。

私わかります

エイジに会いたい、と岩瀬は言う。その気持ちはどこまでの強さなのでしょうね。

たとえば、『DEATH NOTE』を連載していた時の大場つぐみさんと小畑健さんは、ほとんど会っていなかったそうです。つまり、原作者と作画担当が会わなくても、連載はできる。

支障なく連載を進めるためだけに、一度くらいはアイサツをしておこう、と岩瀬は思ったのかも。つまりは、自分のために。なんとなく、それ以外の理由で岩瀬が他人に会おうとしないのでは、と思いました。──そこまで非常じゃない?

岩瀬は高木さんに 気があって、などと蒼樹はサラッと言っています。「人が人を好きになることは、素晴らしいことだ」と蒼樹は思っているから、こんなに普通に話せるのでしょう。または、話す相手は平丸だし、エンリョせずに話しただけかも。

平丸は平丸で、邪悪なオモイを胸にして、この集まりへ参加している。この情熱を、すこしはマンガのほうへ向けて欲しいものですね。

それに、平丸がこんな妄想をしている以上、現時点で「そうウマくは行かない」というオチが見える。──それが、マンガの法則です! なんともアワレですね……。

想像以上

そのままミラノコレクションでモデルがつとまりそうな格好と美貌で、岩瀬はやって来ました。ところが、立ちポーズが何だかカワイらしい。グーです!

岩瀬がここに来た目的は 2 つあって、エイジにアイサツすることと、シュージンに会うためです。優先順位からすると、シュージンに会いたい気持ちが大きかったはず。──と思っていたら、真っ先にエイジを探しました。ほかの人がいる手前、さすがに仕事を優先したのでしょうね。そこも彼女らしい。

「新妻先生」(ちょっぴり、いやらしい感じ)と岩瀬が、初めて出会うシーンは最高です!

以前からエイジは、お祝いの時には紙類のゴミをばらまいていました。今回は、なんと生ゴミに全身を埋めるというムチャっぷりです! エイジ、何やってんだよ……! いくらエイジのファンでも、これはマネができないでしょう。……ね?>ファンのみなさま(押すなよ! 絶対に押すなよ! 的な期待)

「新妻エイジはどういう人物で、どうやって接すればいいか」を、この一瞬で岩瀬は判断しました。なかなかこの状況で、岩瀬のような返し方はできません。どんどん夜神月化が進む岩瀬です。

本当ですか

そもそもこの福田組の集会は、お互いにマンガの意見を出し合おう、という集まりでした。意外にも、サイコーはキチンと把握していたようです。そうか、自分たちの連載を祝ってもらえる場、とはサイコーは思っていなかったのか……。

集まった意味を聞いて怒る岩瀬は、本当に昔の蒼樹みたいです。そうそう、どうも以前から岩瀬は「劣化版・蒼樹」に見えて、ちょっとイヤなんですよね。作者が意図的にそう描いているフシがある。連載まで行けたのも服部とエイジの力が大きいし、本当の岩瀬の実力が見られるのは、これから先ですね。

最後までキッチリと筋を通して、アイサツまでして、岩瀬は帰っていった。自分の目から見ると、岩瀬の態度には好印象を受けました。しかし、この場にいる福田組組員には、最悪の印象でしょうね。

この「第一印象がサイアク」というのは、ほかのキャラクタも同じです。福田組に対して、岩瀬も『バクマン。』流のアイサツがやっと済みました。これからは、ほかのメンバと岩瀬が急接近していく──のがいつものパターンですが、岩瀬だけは孤高の人を貫くのか?

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