HUNTER×HUNTER #297 『最後』 零・一個・百式観音・千の拳

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HUNTER×HUNTER No.297 『最後』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 12 号)

Japanese Zero (by Telstar Logistics) (by Telstar Logistics)

戦闘シーン(やエロい描写)で「花が散る」という表現があります。これって、花にそれなりの意味(花言葉など)を持たせて、描かれているのでしょうか? 花に詳しい人からすると、「ここでこの花を出すのはヒドイ!」ということがありそう。

たとえ詳しくないジャンルでも、作家は詳しく描かないと、ヒドい目にあうことがあります。世界一腕の立つ殺し屋さんとか……。

世界一腕の立つ殺し屋のまとめ

自分の場合はカメラが大好きなので、「状況にあったカメラの選択と持ち方」をしていないと、かなり違和感がありますね。

たとえば、「一眼カメラの両脇を包むように握る」なんて、カメラ好きにはあり得ない! 普通、左手はレンズの下に来ます。左手でカメラの重みを支えるのですね。──まぁ、天下のジャンプで、そんなカメラの持ち方をする主人公なんて、載るわけないですケド。

(ヒント: 今週号からの新連載)

笑わせんな

ネテロの止血法は、かなりエグイですね……。想像を絶する痛みが全身に走ったと思います。

そういえば、その昔、ヒソカは腕を切断されたときに、軽くオーラで止血していました。でもあれは、戦いのあとですぐに治してもらえる、という状況だから、仮に血を止めていたのです。あのまま治す手段がなければ、さすがのヒソカも根を上げていたかもしれません。

──というか、イマゴロ気がつきました。あの時は、天空闘技場の主催者側が、すぐにヒソカの治療を申し出るべきだったのでは。ケガ人が続出するイベントにしては、ちょっと甘い。まぁ、救護班がやってきたけど、ヒソカが軽くあしらった、という場面があったのかも。

全く以って 感服する

この状況では、さすがに、ネテロの言葉も強がりに聞こえてしまいます。それとも、本当に勝ち目があると確信していたのか……?

コムギと軍儀で対局をしたことが、王の強さを引き上げたとは……。何とも皮肉ですね。コムギにその意思はないし、間接的すぎるけれど、人類が人類の行く末を暗黒にしてしまった──とも言えます。

ただ、たとえコムギと王との対局がなくても、現時点までのネテロには、打つ手がなかったのでは? このまま延々と百式観音の掌打を続けていても、ネテロが消耗するだけでしょう。

──やはり、「零(ゼロ)」だけが王に対抗する手段か……。

生涯現役

ネテロは決死の覚悟で王へ挑んでいます。一方のネテロは、ますます楽しそうに攻撃している。もう、誰の眼にも、勝敗は明かですよね。それでもネテロは、負けを認めるわけにはいかない。

おそらく、いつかは百式観音の動きを王に見切られる──とネテロは悟っていた。それでも、気力でワザを出し続けたに違いない。その結果が──いまのネテロの姿とは、あまりにも哀れです。「九十九の掌」を連続で出し続ける、とかはムリなのでしょうか。

祈りとは 心の所作

ついに出た百式観音 零の掌

「零」は格闘ゲームに出てくる「ガード不能攻撃」のようなモノですね。いままでの描写からして、この「零」もゼロコンマ何秒で捕らえられるハズ。並の使い手であれば、何が起こったのかも分からないまま、冥府へ旅立つことでしょう。

──というか、たいていの敵は、「参の掌」で押しつぶせる。正直、ちょっと「参」と「零」は似ているよな、と思ったしだい。

無慈悲の 咆哮である

百式観音のこれまでの打撃攻撃では、王へのダメージがほとんどありません。それならば、なぜ、初めから「零」を使わないのか──疑問でした。

ところが、「零」を放ったネテロを見て納得です。ネテロの体力と気力の消耗が計り知れない。これは一度使うと、もう二度と「零」──どころか念能力も使えなくなるのでは? 本当に最後の最後の手段なのですね。

ただ、戦いの中盤あたりで、すでにネテロは「零」を出す予定だったのです。あの時点で、すでに「零」以外では手詰まりであると考えながら戦っていた、という……。

ネテロを支えているのは、人間としての意地なのか、あとに続く若い世代なのか。

まさに 個の極地

全身全霊・全オーラを込めた「零」でさえ、王に付けた傷はわずかでした……。零の威力は、いったいどれくらいなのでしょうか?

いままでに出てきた念能力の中で、威力が高そうな攻撃を思い出しましょう。

見た目が派手な攻撃と言えば、ゼノの「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」とシルバの「両手から放たれた光弾(名称不明)」が思い浮かびます。ただ、どちらも直撃した相手にはダメージがほとんどなかった。

いま考えると、ウボォーギンの「超破壊拳(ビッグバンインパクト)」はすさまじかった! ネテロの「零」と比べても、見劣りしないのでは? ──避けられなければ。両者の能力が直撃して開いた穴の大きさを比べると、材質に違いがあるとは言え、ほとんど変わらない気がします。

地面に穴、といえば、モントゥトゥユピーの「怒って爆発する能力(仮称)」があったか。でも、何度もナックルに逃げられていたから、あまり驚異に感じていませんでした。威力だけなら、「零」以上かもしれませんね。

うーん、そうやって挙げていくと、いつも最後はノヴの「窓を開く者(スクリーム)」とメレオロンの「神の共犯者(かみのきょうはんしゃ)」コンボが最強、という結論になるんだよなぁ……。ノヴの能力は、「自分より格下の相手にしか使えない」という制限があるのかも?

まだまだ念能力には未知数な部分もあるとは言え、「スクリーム」以外には「一撃必殺」のワザがない、というのがいいですね。工夫しだいで、能力の強さなんて簡単にひっくり返る。

あと、「残像だ」とか「幻覚」とかいうウサンクサイ念能力は、絶対に出てきて欲しくないですね……。そういう能力は、どこかのマンガに任せておけばいい……だと…… !?

零でさえも ……………

ネテロの渾身の「零」も、王にとっては「褒めて遣わす」と言いたくなるような素晴らしい 一撃だったという……。

この場面は、『幽☆遊☆白書』のある場面を思い出しました。飛影が放った「邪王炎殺黒龍波(じゃおうえんさつこくりゅうは)」を食らった仙水忍が、「うむ 心地よい」と言っているところですね。憎たらしいまでに余裕のある敵と、なすすべがない主人公側です。

無駄では なかったのだ

ネテロの言う俺は 一人じゃねェ… という発言は、意味深です。ゴンたちのことを言っているのか、それともまだ援軍が来るのか……。

ネテロ:
「オレが 一人だって 誰が言った?」
王:
「なん……だと…… !?」
ネテロ:
「ワシの分身は 108 人までいるぞ!」「食らえ! 108 人で百式観音っっっ!!」(ダメージは 0)
王:
「(えーやだーめんどくさい……)」