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『バクマン。』 76 ページ 「決めギャグとメッセージ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 14 号)

Zenith Television Set, 1977 (by Roadsidepictures) (by Roadsidepictures)

趣味と仕事は違う──とよく聞きます。自分もそう思う。趣味として楽しんでいるときは良いけれど、それを仕事にすると、心と体に負担がかかる……。

マンガは、多くの人にとっては楽しい娯楽です。しかし、マンガ家の中でそう言える人は、いったい何人いることやら……。

亜城木夢叶と新妻エイジとの一番の差は、そこにありそうです。

これからずっと 水~月で

折原の彼女 いるわけじゃないし発言キター!(などと盛り上がっている女子はいるのかな……)

でも──え? 折原ってモテそうに見えますケド。年上のおねいさんの誘惑に負けそうになりつつも、幼馴染みとのモドカシイ純愛をつらぬきそうな、そんな感じに見えます(それはまた別のマンガでは?)。

高浜と同じく、折原もまた、マンガに青春のすべてを賭けたのでしょうね。マンガ家はバクチ打ちだ!(意味が違うと思う) ──いやいや、描いてないだけで、高浜も彼女がいたりして。高浜の精神の強さ(ガマン強さ)は、何か・誰かの支えがありそうなんですよね……。

ネームの全体チェックをする際に、アシスタントが 2 人とも笑わない──。これは、寒い。アシスタントといえど、「プロの目でマンガを見る」ため、そんなには笑わないと思いますが、ここまで「素」だとヘコみますよね。もしかして、作者も経験したことなのではないでしょうか。

そういえば折原も、「弟たちが『タント』を喜んで読んでいた」と言っただけで、自分の感想はほとんど語っていない。高浜も、客観的な評価しか言っていません。2 人とも、『タント』を面白いとは思っていないのでしょうね……。

きつくなりますよ

高浜の「経験者は語る」なアドバイスが重いです。

この場面を見ていると、ギャグマンガは順位がそれほど上位を獲られないし、描くごとにキツくなるという、「悪いことずくめ」な気がする。とくに、サイコーもシュージンも、ギャグマンガをやりたくて描いている──ワケではないところがツラいところです。

『疑探偵 TRAP』の時には、完成したネームを途中で描き直すくらいの気力があったのに、いまのシュージンは何とか仕上げることしか考えていない。その状況を、たぶん僕が一番分かっていた、とサイコーは言う。シュージン本人も港浦も、気がつかないか、気付かないフリをしているのですね。

ああ、亜城木夢叶にこんな日が来るとは! 『トラップ』の時には、下から数えた方が早い順位になっても、最後まで面白い作品を描こうとしていましたよね。あの熱い日々は、何だったんだ……。

いや 高木香耶さん か

シュージンはもう限界が来ている。睡眠時間もかなり削っているようですね……。

自分の経験上、寝ないで何かをやって、ウマくいった試しがありません。そして、多くの人も睡眠の重要性を語っている。ネームが遅れることを決めたのであれば、シュージンはキッチリと眠ったほうが良いと思います。

──まぁ、すでに、寝たらいいとか何かすればいいとか、そういう問題でもなくなってきていますが……。

作者も分かってそう描いているのだと思いますが、どうしても、港浦が悪いと思ってしまいます。そして実際に、連載を立ち上げるまでは、アレコレとアドバイスしたり参考資料を渡していましたが、始まったらネームをチェックするだけ。あとはテキトーにはげまして、シュージンの体調に関しても無関心です。

笑っていいかも !

絵的な演出とはいえ、シュージンがものすごくヤツレテいますね……。目も死んでいる。本人が一番ツラいのですが、新婚のカヤもカワイそう。

ここで注目なのが、カヤがキチンとした格好をしていることです。いつものジャージではない。これは、たまたま「今から買い物に出かける」だけかもしれません。しかし自分には「元気のないダンナのために、せめて自分のキレイな姿を見せたい」というオトメゴコロではないか、と思いました。

いいかもー シュピーン

なんと、新妻エイジがテレビに出演ですよ! 声優・何多良幹羅(なたら かんら・適当な名前!)とエイジとの関係が気になるところですが、その後の展開を考えると、エイジのほうからテレビへ呼ぶように仕向けたのでしょうか。

エイジの受け答えを聞くと、じつは、シュージンと同じくらいマンガに時間をささげているんですよね。ただ、決定的に違うのが、マンガ描いてるときが 一番 楽しいですケド、というところです。ここが、シュージンもサイコーも足りないところですね。

そう、亜城木夢叶の 2 人は、2 人なりに頑張って・歯を食いしばって・疲れ切ってマンガを描いてきました。しかし、楽しそうにマンガを描いている時間が、あまりにも少ない。もっとマンガを・人生を楽しむことができたら──その時に初めて、新妻エイジと並ぶことができるのではないでしょうか。

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