『バクマン。』 79 ページ 「わがままとアドバイス」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 17 号)

Hurdles start. (by Robert Voors) (by Robert Voors)

ジャンプに連載しているマンガ家には、それぞれに担当の編集者がつきます。──ということくらいは、いろんなマンガ家が話しているし、担当とのやり取りをコミックスのあとがきに書いたりしている。

しかし、担当者の重要さは、『バクマン。』を読んで初めて理解しました。今回の感想の範囲でも、ある意味、担当者の権限は編集長なみにある、と知る。驚きです。

さてはて、「亜城木夢叶の担当者が港浦で、本当に良かった」と思える日は、来るのでしょうか……。

私も勝てると 思っています

瓶子副編集長に続き、服部もサイコーも、シュージンは新妻エイジに勝てると言う。

──これは、熱い! 会話の内容は王道でなければエイジに勝てる、という話なのに、この場面はまさに王道の展開です。ライバルや仲間(じゃないけど)に実力を認められる主人公!

ところが佐々木編集長は、あくまでもシュージンに質問をしている。シュージンの口から返事がない限りは、話が先に進まない、という話し方です。なぜ、ここまで「高木秋人に直接確認する」ことに編集長はこだわるのか。

──それは、シュージンの「覚悟」を試しているからだ! と思う。

シュージン自身も編集長も、誰だって「ストーリィ物であれば亜城木夢叶は新妻エイジに勝てる」とは断言できない。だからこそ、シュージンの「勝ちたいと思う気持ち──覚悟」を編集長は聞きたかったのでしょう。

このままじゃ ダメなんだ

ついにシュージンがエイジへの挑戦を宣言する!

いざ決めたあとは、スラスラと具体的な決意をシュージンは語っています。さすが、秀才!

──ただ、いつもいつも、シュージンはまわりに流されて勢いで言っている、というところがありますよね。今回も、なんだか追い詰められて仕方なく言ってしまった、と見えてしまう。思えば、シュージンのペースで話が進んでいったのは、サイコーをマンガの世界へ引き込んだ時(最初期)くらいだったような……。

結婚も仕事も、すべて勢いで決めてしまったシュージン。彼の明日はどっちだ !?

そこまでは やらせてください

『疑探偵 TRAP』は、一時期、『CROW』と並ぶほどの人気でした。しかし、初めからそこまで人気があったわけではない。ジワジワと面白さが読者たちに伝わっていって、ようやく順位が上位になっていったのです。

──いま読み返すと、ちょっと『TRAP』の人気の上がり方は、急すぎて不自然ですケド……。

とはいえ、『CROW』だって、福田の見込みでは早期の打切りもあり得る、という感じでした。それをみんなで話し合って、面白いネームを描いて──と、おお、思い出したら、あの時は最高に熱かったよなぁ……!

やっぱり、このマンガには福田が必要でしょう。はい。みんなのオカン役です(自分の目には、福田はいつもエプロンをしているように見える)(←眼科行け)。

さて、亜城木夢叶の次の作品は、初めから新妻エイジと 競える作品を目指すという。これは、かなり高い目標です。──いや、高すぎる。そもそも、編集部に来る前までは、ここまでハードルの高い話じゃなかったはず。

これまた自分から勢いで厳しい条件にしてしまったが、大丈夫か、シュージン !?

それで いいのか?

編集長が言う私の一存で どうこう 言える事では ないなという言葉の意味を、自分は勘違いしました。てっきり、「ジャンプ編集長よりも上の人間に相談する」のかと。

ここでも、最終的に作品の行く末を決定するのは、あくまでも担当の編集者──港浦なのでした。これにはビックリです。担当者って、そこまでの権限があるのか……。

ここまで重要な役割を持つというのに、(基本的には)連載の途中で担当者は変わらないし、作家が指定することもできない。前から何度も思っていたけど、「作家と編集者が人間的に会わなかったら、アウト」のような気がします。

どんな仕事でも、最終的には人間関係が重要になってくるのですね。

最後の判断は港浦にゆだねられました。さてどうなるのか……?

サイコー・シュージン:
「港浦さん、お願いします!」
港浦:
「──やっぱり、いまの連載を続けたほうが……」
サイコー・シュージン:
「(えー)」
編集長:
「(えー)」
小畑健:
「(えー)」
大場つぐみ:
「(えー)」

新妻くん達に 勝とう

『タント』の終了が決まり、サイコーとシュージンが礼を言う。

──すかさずそこにツッコミを入れる、佐々木編集長が面白い。表情が見えないけれど、このときの編集長は、ちょっと口元が「ニヤリ」としていたのかも。

そんな、イヤミともジョークとも取れる編集長の言葉も、亜城木の 2 人は受け入れて先へ進みます。どれだけ険しい道のりだろうとも……。

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