『バクマン。』 79 ページ 「わがままとアドバイス」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 17 号)

The late night video editing coffee bean run (by Smashcut) (by Smashcut)

今日は 4/1 ──エイプリル・フールですね! ということに気がついたのが昨日、ということを毎年繰り返しています。よって、とくにこのサイトでは四月馬鹿ネタはありません……。

さて、ちょっとビックリしたことに、編集長によると、服部は異動させられていた可能性があったとのこと。この場面は、ビミョウに冗談交じりのオドシ文句にも聞こえますが、編集長が本気だとすると、いろいろな問題があります。

まず、 「ナチュラル」が 成功してなければ、という前提条件を出している。逆に言えば、 裏でコソコソ 動くようなことをしても、 作品がヒットさえすれば万事オーケー、ということですよね。結果がよければ、ある程度はムチャをやれる──のかな……?

あと、これまでは「なにがあっても担当の編集者は替えられない」と認識していました。その例外として、当然のように「担当者が辞職する」場合は想定していましたが、異動でも担当替えがあり得る。

みなさん、 どうすれば港浦を異動させられるか──とか、考えちゃダメですよ! 本当に、ダメ。ゼッタイ。

(そういえば今日は、エイプリル・フールですね……)

お騒がせ いたしました…

ここでまた、佐々木編集長と瓶子副編集長の会話が、いい味を出していますね。

副編集長は、あたりさわりのない・どっちつかずの・ドーデモイーことばかりをいつも言っていますが、亜城木夢叶の才能を認める点だけは、キッチリと話す。

よく考えると、亜城木のことを一番強く編集長へ推薦しているのは、瓶子ですね。ほかの編集者が編集長に言うよりも、影響力がありそうです。ただ、編集部内での編集長の権限の大きさがどこまであるのかが、イマイチ見えてきませんが……。それに、編集長が亜城木夢叶を特別扱いすることはないだろうし。

そして、珍しく(初めて?)、編集長が「ニヤリ」とした表情をしています。イカすオジサマですなぁ、編集長!

言うまでもなく(?)、自分の脳内では、佐々木編集長は 立木文彦さんの声で再生されています(アニメ版のキャスト? 何のことです?)。この場面では、立木さんのいつものオドケタ感じで聴こえました。

まぁ、ちょっと上のほうではイヤミのようなことを書きましたが、 マンガは面白ければいいんだ 面白いものは連載される 当たり前だ、という考え方の編集長ですからね。服部のように「何が何でも、どんな手段を使ってでも、面白いマンガを生み出す」姿勢は、佐々木は個人的に支持しているのでしょう。

とはいえだがしかし! ──服部の持ち味は「 暗中飛躍(暗躍・あんやく)」ですからねェ……。 その当事者の 前で 堂々と提案すると、かえってウマくいかないような気もします。

そうやって見ると、この場面は面白すぎる。編集長からすると、「コソコソしなくてもいいから、堂々と面白いことやってくれよ!」と勧めたい。しかし、服部は「ウラでコッソリとプロジェクトを進めたい」と思っている(たぶん)。2 人の意識にズレがあるわけです。──面白いなぁ!

めちゃくちゃ いいやがって

気分を入れ替えて、さっそく、サイコーとシュージン・港浦で「いつものように」打合せをしています。

ここで、港浦が本当に「いつものように」振る舞っていることに、自分は好感を持ちました。たとえば以前のように土下座をしたり、2 人に対して港浦が恐縮していたり、自己嫌悪に落ち入っていたら、もっと港浦を嫌いになっていたかも。そんな態度は、作家の前で見せるべきではない。

──みなさん、もしかして、港浦に対して「反省と謝罪を要求するニダ!」とか思っていませんよね? それはちょっと、違うと思うぞ……。

第三者の視線から見れば、どう考えても『タント』は「亜城木夢叶にとっては」失敗です。そのせいで、シュージンは体調を崩して、サイコーの二の舞になりかけた。現状では、どうあがいても作者が望むような「新妻エイジと競えるような作品」にはなり得ない。

しかし、ジャンプの連載作品としての『タント』は、ある意味では成功なんですよ。「大成功」ではないけれど、低年齢層の支持を受けている。──その、「大成功ではない」という部分に亜城木夢叶がコダワッテいるだけで、一般的なマンガ家だったら、ジャンプで連載を続けようとするでしょう。

別に自分は、港浦を支持するわけでも、好きなわけでもありません。どちらかと言うと、キライ。でも、彼の編集者としての仕事は、そこまで非難されるモノでもない、と思っています。まぁ、「もっとがんばれよ!」くらい、かな。

港浦は、今回の件を乗り越えて、編集者として成長してくれることでしょう。──おそらく。

亜城木夢叶も、マンガ家としての成長──進化が要求されます。『この世は金と知恵』と『疑探偵 TRAP』を超える作品という、いきなり大きな壁が目の前に立ちはだかっている。いったいそれは、どんなマンガなんだ……?

あと 2 話で終わりですか !?

高浜と折原に、亜城木夢叶は連載の終了時期を告げる。

この時に、サイコーもシュージンもとくに理由は言わないんですよね。イサギヨイにもほどがあります! 高浜くらいスルドイ人間でなければ、「ああ、人気がないから打切りになったのか」と思うだけでしょう。たとえば小河だったら、「それよりも次の仕事を──」と考えるはず。

それにしても、高浜は亜城木への接し方が絶妙です。

「亜城木先生」への尊敬の念はつねに忘れずに、一定の距離を保ちながらも、ほぼ同年代同士なので親しさもある。港浦と中ナントカいう人に、自分の作品をぶち壊されても、めげなかった。亜城木作品へのアドバイスも適切だったし、本当にいい人物です。

いまのところ、高浜の評価は「最高のアシスタント」(シャレではない)止まりなのが惜しい。マンガ家・高浜昇陽としての成功を、待っています!

港浦さんを ねじ伏せる

──で、その「いいヤツ・高浜」をタップリと語ったあとで、「打倒・港浦!」の高浜が出てきて、笑ってしまいました。サワヤカでいながら、内心では港浦を「絶対に許さない。絶対にだ」と思っていそう……。

『TRAP』が終わったときには、亜城木の 2 人はアシスタントのキープを考えていませんでした。ところが今回は、高浜も折原も引き止めようとしている。半年の内に連載を始めるからなのか、この 2 人のアシスタントが良かったからなのか。両方でしょうね。

サイコーがはものすごくよい条件を出しましたが、高浜は断わる。ここ、熱すぎます! 高浜は、中──丼? でしたっけ? とかいう男とは違う。あくまでも、自分の作品を連載する、という決意を固めました。漢(おとこ)、ですなぁ……!

折原は、亜城木の仕事場に残るようです。この決断も、折原にとって将来の力になりそうですね。亜城木夢叶の次回作・入魂の作品を描く現場に立ち会える。

スゲー根性だな

福田の反応がナイスです。自分の強力なライバルとなる相手に対して、 できる限り 応援しねーとな、と言う。言葉自体は、「新妻師匠」とはまったく逆ですね(内心ではエイジも応援していると思うケド)。

新妻エイジは、左手で下書きをしながら・右手でペン入れをする、というカミワザを使っています。羽ぼうきと G ペンを両手に持つことはあっても、今回の持ち方は初めてでは? まだまだエイジは進化するのか……!

この場面でも、服部の会話術がさえています。亜城木先生に対するエイジの「負けない宣言」に対しては、服部の返し方がベストなんですよ。それでこそ、エイジのやる気をより引き出せる。アフr ──雄二郎だったら、たんに「そうか……」とか何とかボケボケしたことしか言えなかったでしょう。

あと、細かいことですが、エイジが 哲さん サイコーでーす、と言っている。普通は、自分の作品に「サイコー」というキャラがいたら、こういうセリフは書けないですよ。「最高でーす」にする。

──でも、ひょっとするとエイジは、「真城先生」としか名前を知らないのかも。本当にどうでもいい部分ですが、このエイジのセリフはリアルだな、と思いました。

[2] このページの一番上へ戻る