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HUNTER×HUNTER No.303 『痛み』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 18 号)

30 Ways to Shock Yourself (by bre pettis) (by bre pettis)

今回の冒頭の場面では、キルアとコムギ・プフが出てきます。

この 3 人は、「髪の毛が白色で前髪あり(ようするに白・飛影スタイル)・白いシャツ」という共通点を持っている。それなのに、誰も「キャラがカブってない」のがスゴい。「ハンコ絵」しか描けない人だったら、「何が何だか わからない」シーンになりそうなところです。

一時期、『H×H』の絵が荒れていた時に、「冨樫先生は原作だけやって、絵は別の人が描けばいいのでは?」という意見を聞きました。まぁ、言いたいことは分かりますが、それはマンガというものを分かっていない意見だな、とも思う。

冨樫義博が書く話は、冨樫義博にしか絵を描けない。ほかの、どんなに「絵が上手な先生」でも、『HUNTER×HUNTER』は描けない、と思っています。

自分からすると、原作者が同じであれば絵は誰でもいいという考え方は、ちょっと理解できない。原作が小説なら、まだ分かりますケド。

分身でも 出来る !!

シャウアプフの目的は当然、コムギということですが、疑問な点が一つあります。

殺害したあとのコムギを、しばらく王の目に 触れぬ所に 隠すという理由が分かりません。あの指導者やカイトと違って、ネフェルピトーにコムギを操らせる意味もない。いや、その前に、コムギを殺したことが分かれば、ピトーはプフを許さないでしょう。

あと、モントゥトゥユピーの反応も気になるところです。

いままでのユピーなら、コムギのことなど何とも思っていなかった。しかし、いまは王・メルエムと精神を共有している。──コムギを殺せば、ユピーにはプフのシワザだと分かりそうです。その時、ユピーはプフの真意(王のため・生物統一のため)を察する前に、激怒しそうな気がする……。

しかし、自分の中ではコムギの立ち位置というのは、すこしアヤウイ気がしています。──これについては、あとで書きますね。

とんでもなく… 疾い… !!!

充電が完了したキルアには、「神速(カンムル)」の派生ワザの一つ・疾風迅雷がある。コムギの護衛役には適任ですね。

しかし──、コムギを保護する役目をメレオロンにさせれば、討伐隊のカナメを両方とも守れる気もする。プフはまだ「神の共犯者(かみのきょうはんしゃ)」の本質を見抜いていないから、2 人とも逃げられるのでは。

ただ、そうするとプフの出方が読めないし、作戦も組みにくかったのでしょうね。それに、討伐隊の急所が一点に集中するのはキケンです。──それよりもなによりも、「マンガ的に盛り上がらない」(一番の理由)。

キルアのセリフからすると、どうも時間稼ぎをしたがっているようです。まるで、プフの心中を見透かしているかのよう……。ただ、王と護衛軍が戻ってくる今の状況は、キルアたちこそノンビリしている場合でもないはずです。

──もしかして、討伐隊すでに王を倒す算段はついているのか?

悪魔の策

プフが見いだした最高の… 魔法は、シンプルで効果が高いです。くそぅ、これは思いつかなかったぜェ……!

ここでプフが分裂する意味が分からない。キルアの油断を誘ったのでしょうか。現に、キルアは“神速”使う までもないと思っている。ただ、「総帥様」の付き人であることを「娘」に対して強調するのであれば、「いろいろなところから声が聞こえる」のはオカシイような……。

今回の話は、まず「プフはキルアを説得してコムギを奪おうとする」のかと思っていた。交渉しだいではコムギを確保してから始末できる──、とプフは考えるのではないか。ところが、もう、一コマ目からプフは殺す気マンマンです。

キルアのほうは、この娘は 王にとって 重要な人物と理解している。だからこそ、王や護衛軍に引き渡すハズがない。最初から交渉はあり得なかったワケですね。──そのことを、プフはすでに推測していたのだろうか。だから、交渉よりも殺害を考えたのかも。

たぶん、答えは「マンガ的に交渉はダルい」っぽいですケド……。

離すて

何か ビリビリ するす !! は最高ですね!

あとあと分かりますが、「神速」の「疾風迅雷」は、敵を焼きこがすほどの威力を持っている。しかし、背中に負ぶさっているだけだと、ちょっとシビレル程度のようです。──そこはコムギさん、「静電気体質」と思っておきましょうよ……。

コムギの立場になってみると、たしかにキルアはアヤシすぎる。この宮殿の中では、コムギが一番信用しているのは「総帥様」(だけ)だし、今はまだ王と軍儀(グンギ)で対局中、と思っているのでは。

そう考えていくと、そもそも、どうやってキルアにコムギをオンブさせたのかが気になる。荒れ果てた宮殿もコムギには見えない。だいたい、コムギは「ケガをしているわけでもない」のです。たとえば、王の名をカタって盲目の少女をだました、とも思えない(キルアはそんなウソつかない)。

たぶん、コムギはワケも分からないままにキルアの言うことを聞いてきたけど、とうとうガマンの限界が来た、ということでしょう。最初から、コムギに今の状況を信じてもらうことは、「詰み」だったワケです。

そして、ゴン !! の時に、キルアの後頭部にコムギの鼻水がくっつくことも、不可避なのです……!(ゴゴゴゴゴ……)

毒は回った !!

プフには時間がない。とはいえ、この時点でキルアに真意を知られたのは、明らかに失敗ですね。コムギがもうすこし暴れて、キルアから離れた瞬間を狙ったら──、「成功」していたでしょう。そうならなくて、良かった……。

キルアはキルアで、すぐに作戦を切り替えています。頭の回転の速さがスサマジイ。キルアの最大の武器は、「神速」よりも頭脳ですね。知恵があるからこそ、「疾風迅雷」などが生きてくる。

今のところ、「神速」の弱点は充電切れしかなさそうです。今回のように最初から短期戦だと分かっていれば、無敵の能力に見える。対抗するとなると、「キルア以上に素早く攻め続ける」か、「キルア以上の力で強引に押し切る」しかなさそう。

──そして王ならば、両方とも可能な気がします……。

苦戦して いるのか?

メルエムの手を 貸すぞ? という言葉は、さりげない一コマですが、今回で一番おどろきました。

以前の王であれば、まず、「人間ごときに苦戦を強いられるような者は、王直属護衛軍には不要だ」と言いそうです。それなのに、プフの身を案じた上に、助けようとまで王は考えている……!

ここまで性格が変わってしまった今のメルエムは、次に何をしようとするのか、まったく読めません。

前回の話からすると、キメラアントの中に残っている人間の我(が)の部分は不要だ、と王は考えている。どう見ても、王が人間に情けをかけるようには思えない。

しかし、王が人間の群れを見ても、プフが言うような王本来の 光あふれる 宿命などとは感じていないようです。ではいったい、「選別」のために集められた人間たちを、メルエムはどうするのか?

じつは、キルアたち討伐隊が「勝ち」となる条件も、ゆらいでいるんですよね。

もしも、キメラアントの王が生物大統一を放棄すれば、それで戦いは終わりなのか。ナックルだったら、「和解」の道を望んでいそう(殴り合った上で)。アリの駆除を命じられたのはハンター協会会長・ネテロだけであって、ほかのメンバは従わなくても罰則はない──のでしょうか。

いや、ゴンたちが王の討伐に失敗すれば、第二・第三の討伐隊がハケンされるだけでしょう。その時には、もっと、手段を選ばず犠牲をいとわず、徹底的に破壊活動を行なうはず。ミイラ取り──ならぬ、アリ捕りがアリになる……。

何か記憶の手がかりになる様な 物

プフが「軍儀」の盤を思い出すところは、ゾッとしました。まさか、(もう何十年も前の話に思える)プフが玉座の間に向かった場面は、ここにつなげるために描いていたのか !?

思い返してみると、「龍星群(ドラゴンダイヴ)」の直後にしか、プフが盤を見るタイミングはなかったと思います。そのほかに、王がいつも居た 場所へプフが向かう理由がない。ここまで先を考えて描いているから、休載もやむなし、ですね!!

──まぁ、「裏切り者」(メレオロン)とコムギたちを探す時に分身を使ったから、その時に見られたと思うケド……(気付いて急に元気がなくなった)。

う… まずい… !!

さて、プフは「王がコムギのことを思い出したらアウト」と思い込んでいますが──、本当にそうでしょうか。

ちょっと考えてみると、王とコムギは、ほぼ盤面の上でしか「語り合って」いない。コムギのほうから「総帥様」の名前を聞こうとしたりして、なんとなく 2 人の気持ちが接近しているように見えましたが──、王にとっては、まだ「コムギのことをどう思っているのかが分からない」のが本当のところでしょう。

重傷を負ったコムギを見て、王は悲しんだはず。本心からコムギをなおして欲しい、とピトーに頼んだはずです。王がコムギを思う気持ちは、恋愛でも親愛でもなく、ただただ「同じ生物として尊敬できる存在」なのでしょう。いまのところは。

──で、だからといって、「コムギが人間だから、人間を統べることをやめる」とはならないハズ。現に、ネテロと戦っている時の王は、最大限に譲歩しても救うのは一部の特別な人間だけ、と明言していました。

メルエムが思い出そうとしているこれではない 何かとはコムギのことで間違いないと思います。ただ、王にコムギの記憶が戻っても、それで人間を救おうと考えるとは、どうしても思えない。

討伐隊が助けたいのは、全人類の命。キメラアントの王が見逃そうとしているのは、選ばれたごく一部のヒトだけです。これまでのところ、この 2 つの意思に妥協案が生まれるスキは、ありません。

そこで、もう 1 つか 2 つミラクルが起きるのでは、と期待しています。

今回の話を読んで、ほとんどの読者が「コムギがカギだ」と思わされましたよね? いつも読者よりも「必ずその少し斜め上を行く!」作者のことだから、まだ何かを出してきそうです。

たとえば、王の双子とか……。

双子:
「コルトは オレが おいてきた 修行はしたが ハッキリいって この戦いには ついていけない…」
ナックル:
「ああ そのほうが いい」
コルト:
「(えええー……)」

(「王の双子」というのが回りくどいけど、まだ弟か妹か確定していないはず。本編では「レイナの生まれ変わり」と明記されていない。──それなのに「オレ」と書いてあるのは、元ネタに合わせただけです。あまり気にしないように!)

あそこだ 行くぞ

ペイジンに到着したゴンとピトー。はたして、カイトは元に戻せるのか……。

ところで、「東ゴルトーの首都がペイジンだから、いままでいた宮殿がペイジンにあるんじゃないの?」という疑問が当然のように浮かぶと思います。

どうやら、宮殿の場所は「ペイジンよりもすこし南」にあるらしい。王のいる宮殿に「東ゴルトー」という説明が入ったことはあっても、「ペイジン」とは書かれていない、と思う。──『ハンター×ハンター (No.22)』に出てくる地図を見ると、かなり微妙な説明ですけどね……。

(p.111: 「首都・ペイジン」を示す星印と、p.190: 王たちがいる場所の星印は、ほぼ同じ位置)

ピトーの苦しそうな表情は、自分で折った腕の痛みでしょうか。いや、普通にピトーは立っています。これは肉体的な苦痛ではなく、精神的なものでは。つまり、カイトをなおすのはムリそうに見える……。

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