『バクマン。』 80 ページ 「見た目と挨拶」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 18 号)

Day 211 (by [cipher]) (by [cipher])

天命というか、自分が何をするために生まれてきたのかを、自分で見つけた人は幸せです。今回の話に、その幸運な 2 人が出てきました。

なんとなく、ジャンプに出てくる主人公たちの中で、自分の生きる道を歩いているキャラクタはすくない気がします。

──「イヤイヤそんなことはないだろう」という声が聞こえてきそうですが、どうも「他人のために生きている」人物が多い。または、自分の意思とは別のところで、ムリに戦っていたり……。

とくに人気のバトルマンガほど、その傾向が強い気がします。たぶん、人気が出てくると、自分の欲望に忠実な主人公が描きにくくなるのでしょうね。少年がオトナになっていき、眉間にしわを寄せる場面が増えてくる。

でも、もうちょっと自分勝手な主役がいてもいい。たとえば、『HUNTER×HUNTER』のゴンのように──。

苺:
「オレの巨乳カノジョ返せし wwwww」
元メガネ男子:
「だめれす wwwwwwwww」
苺・元メガネ男子
「じゃあケンカするおー www」
濱口:
「織姫とったど~! (^q^)/
苺・元メガネ男子
「えっ(誰?)」

──いや、なかったことにしてください。

『バクマン。』の登場人物は、みんな自分の生きたいように生きています。サイコーはストイックすぎますが、M なんだから仕方がない(えっ?)。

そこ なんだよ な

連載会議の前日だというのに、サイコー・シュージン・カヤは 3 人とも落ち着いています。もう慣れてきたのかな。それに、今回の『この世は金と知恵と金』(『KTM』)には自信がある。無知ではなく自信から生まれた余裕は、見ていてスガスガシイです。

サイコーの余裕の発言が面白い。『走れ! 大発タント』の連載終了から間もないことを冷静に見つめて、次の連載までに普通 半年は空ける──、などと言いながら、サラッと「KTM」は 文句なし 面白いよ、とシュージンを持ち上げる。このさりげないホメ方は、シュージンに似てきましたね。

いよいよ、亜城木夢叶はこのマンガ 描くために 生まれてきたんだ、と思える作品を描いた。サイコーもシュージンも、ものすごい自信です。これだけハッキリと言いきったのは、初めてではないでしょうか。

これなら『KTM』が連載になって当然だろう──、とスンナリいかないのが、このマンガ(と人生)ですよね……。

どっちが面白い

服部もまた、サラリと『True human』よりも『KTM』のほうが上だと言っている。アイマイな言葉でお茶をニゴス日本人が多い中で、『バクマン。』男子はサッパリキッパリと断言! 見習おう。

ところが服部は、だからといって『KTM』で連載は決まり、とまでは楽観視していない。これまたバッサリと切り捨てるように言っています。このあたりは、ちょっと相田のようなドライさを感じました。編集者を長年やっていると、だんだんと乾いていくのでしょうか。

だが、服部の中ではマンガに対する熱い情熱がいつも燃えている……!

相田班 こっち

連載会議の結果、静河流の『True human』が始まることとなり、『KTM』は落とされました。何度も『KTM』の死亡フラグが立っていたので、予想はできましたが、ちょっとキビシイ結果ですね。

どうやら、服部も相田も、今回の連載会議では『KTM』が落とされる、と予測できていたようです。この時の服部の心境が読めません。次のページを読んでも、ちょっと理解ができない。

服部にとっては、『KTM』ではまだ不満があった。だから、今回の会議で落とされたことは良かった、と服部は考えている。──では、服部が考える、次の一手は何でしょうか? ここが、今回の話の焦点でしょうね。今後の展開で服部の真意が見えてくるはず。

服部は何をするつもりなのか──、ワクワクしながら待っています。

あんな自信満々 だったのに !?

サイコーもシュージンも、落とされたことを聞いて、フリーズしています。そりゃ、そうだろうなぁ……。

今までの港浦だったら、会議で落とされても「大丈夫だ!」とかなんとか言って、根拠のない自信──という名前のカラ回りを、2 人に押しつけるだけでした。

それが今回は、バカボンのパパの息子の父親みたいに、しかし これで いいんだ、と余裕です。亜城木夢叶は追い込まれるほど実力を発揮する、ということをよく分かっている発言に聞こえたため、サイコーも喜んで受け入れたのでしょう。

それともサイコーは、あまりにも急に港浦が変わったので、背後にいる服部の影を見たのでしょうか。ガンダムで敵のプレッシャーを感じた時に鳴る効果音(※)が、サイコーの頭の中で聞こえたのかも。

(※)→参考サイトを挙げようとしたけれど、見つからなかった。「ピロリロリーン♪」とかなんかそんな感じの音だったと思う。

さて、次の連載会議に向けて、シュージンはどんな話を書くべきか。

『KTM』のアイデアをもっと練り直して、さらにエグイ話に持っていったり、あるいは逆に少年マンガらしく洗練させる。まずは、そういう方向へ動くと思います。

しかし──、まったく別の作品を作る可能性もありますよね。邪道は静河に取られたので、ふたたび王道に進むのでは。ただ、そうなると、いままでやって来たことをほとんど否定することになりそう。うーん、先が読めませんね……。

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