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『バクマン。』 85 ページ 「完全犯罪と第一関門」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 24 号)

Rice Raider (by Vermin Inc)
(スズメ「完全犯罪──成立!(キリッ」)

今週号の『バクマン。』は、いよいよ亜城木夢叶の『完全犯罪クラブ』(仮題)が見られます!

ほんの数ページだし、ネームの段階ですが、「マンガ内マンガ」を描くのはタイヘンでしょうね。亜城木の自信作なので、読者に「面白そう!」と思わせる必要があるからです。

正直なところ、『完全犯罪クラブ』の出だしを面白いと感じる読者は──、少ないと思う。

しかし、それは「先の展開を想像させる」描き方をしていることが原因です。「ここが面白いですよ!」とアピールするマンガに慣れていると、『完全』の面白さは伝わりにくいかもしれません。──それがこのマンガの弱点でしょうね……。

『バクマン。』だって、「1 ページ」の前半部分(サイコーが教室へ戻るまで)を読んで、こんなにも面白いマンガになるとは、想像ができませんでした。なんか、暗いオトコノコの話かな、と。

そう考えていくと、『完全』を温かく見守ってくれる読者が多いかどうかが、カギになってきそう。

亜豆の誕生日に

妙にかわいらしくデフォルメされた港浦(ドキ ドキ)ですが──、考えていることは、今までと同じです。連載を立ち上げられるかどうか、ということだけを心配している。

すこし前までは、山久に対して港浦はライバル心をむき出しにしていました。それが少年マンガらしくて好ましかったのに、けっきょく港浦は自分のことしか考えていない。

──と落としておいて、あとで港浦を持ち上げる。うーむ、作者がよく使ういつもの「手口」ですね! 持ち上げる場面はまだ後に出てきますが、ジワジワと港浦も成長しています。ほんの少しずつですけれど……。

『KTM』よりも 100 倍面白いのか、と港浦に聞かれた(おそらく)シュージンは、それは 大げさですけど、と断りを入れている。これが逆に、「自信あり!」という気持ちが伝わりました。自信がない人ほど、口先だけは威勢の良いことを言うのです。

こんなセコイことかよ…

「本編の 1 ページ分の感想を、1 章ごとに書いていく」という書き方を続けていますが、さすがにそれでは、見開きは書きにくい。ここからの 4 ページは、2 ページを 1 章(上の見出しが 1 つ)にして書きます。

久しぶりに、亜城木夢叶の原稿(ネーム)が見られました! サイコーが描く精密なネームは、本当に素晴らしい。某・先生の完成原稿よりも描き込みが多いのでは、と思ってしまいます。

『完全犯罪クラブ』(仮)の始まり方は、やはり大場つぐみ先生が書く話と似ていますね。当たり前だけど。

どのあたりが似ているかというと、ほかのマンガ家さんみたいに「わたしはダレダレで、ここはドコソコです」という、普通だったら最重要の説明からは入らないのです。学校の昼休みの説明という、ドーデモイー解説から始まる。

──ここで読者は「ん?」と疑問に思い、スルスルと話に引きずり込まれるのですね。

不思議なマンガだな…

そして、読者に対してとつぜん、謎を見せつける。まんまと「南の目的は……?」などと思わされるワケです。

ただ──、ちょっと「カタイ」気はしますね。それこそが亜城木夢叶の味なのですが、対象の読者を子ども──小学生から中学生と想定しているのであれば、もうちょっとクダケタほうがいい気がする。『タント』寄りにする、ということです。

いや──、どこまでもリアルにしたほうが良いのでしょうね。これがギャグマンガのような絵だったら、それこそ「子どものイタズラ」として見てしまう。真剣に読むからこそ、面白さが出てくる。

たとえば、『DEATH NOTE』の“L”やニアの言動なんて、ほとんどギャグです。「世界一の名探偵」と自称するなんて、笑う場面かと思ってしまう。だからこそ、あのリアルな絵が必要なんですね。

『完全犯罪クラブ』は、亜城木夢叶のやってきたことが凝縮された、本当に描きたかったマンガです。さて、問題は──、『CROW』や『+NATURAL』・『True human』よりも上位が取れるかどうか……。

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