『バクマン。』 95 ページ 「毎晩と合体」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 35 号)
自分は、〈原作〉と〈それ以外〉を切り離して考えます。そのため、「マンガが良かったから、アニメを見よう」という発想にはなりません。
ただし、子どもたちは、まったく違う考えなのでしょうね。アニメが面白かったら、マンガのアンケートに票を入れたい──のかもしれない。
そういえば、自分も子どものころは、マンガとアニメを〈同じ物〉として楽しんでいました。ブラウン管に映っていても、紙面のインクでも、ドラえもんはドラえもんです。また、アニメ化されていないマンガを読んで、「どうして声が出ないのか?」と疑問でした。
あと、いまの子どもたち──というか、『バクマン。』の世界に生きる未来の子どもたちには、携帯用ゲーム機でゲーム化されているかどうかが重要そうな気がする。
友だち同士でバトったり、一緒にマンガ・アニメを楽しむ。時代が移り変わり、遊びが変化しても、子どもたちは友だちと遊ぶ。泥にまみれたり、走り回ったり、虫を捕まえたり──をしなくても、子どもは健全に成長していくものです。
ただし、あんまり独りで遊んでいると──、
asiamoth みたいになっちゃうぞ!
アニメ記念の 巻頭カラー なのに
エイジが予想したとおり、〈速報〉では『+NATURAL』よりも『PCP』のほうが上の順位でした! サイコーが絵柄を変えたおかげですね。
今までやってきたことを全部ぶつけて連載を獲り、
すべてを捨てる覚悟で作風を変えて人気を獲る。
つねに成長をし続ける 2 人です。
ところが服部は、〈本ちゃん〉での結果は変わる──と予想している。これも、エイジと同じ見解ですね。
ただ一人、また港浦だけが──置いてきぼり。
アニメ版の『+NATURAL』を見て折原が言った感想に、森屋が突っ込んでいる。人の意見に、「そうだね」と言えない性格ですね。
ただし、それはマンガのこと──仕事上でのことかもしれません。友人に対しては、意外と気さくだったりして。
森屋が言うには、アニメの『+NATURAL』は、原作以上というより 子供向けにできてる
、とのこと。たしかに、岩瀬が書いた話だし、原作はオトナ向けに感じていました。『ポケモン』っぽい世界観なので、子どもをターゲットにしたほうが良いと思う。
絵が凄いのは わかるが…
雄二郎は、打合せ通りに してもらわないと 困るな
、と珍しくエイジに意見しています。エイジの担当になった最初のころは、打合せすらしていなかったのに……。
秋名──岩瀬は、毎晩のようにエイジのところを訪れているようです。ちょっと、いや、かなり意外な展開ですね! エイジに才能を褒められたことが、そこまで岩瀬にはうれしかったのか。
この場面で雄二郎が焦っていたのは、どうしてでしょうね。エイジが言うとおり、何を ほどほどに するです?
という感じがする。
原稿が遅れることを恐れているのか、
それとも──〈オメデタ〉いことを想像しているのか。
どちらを考えたのか──、アフロの人間性が問われる。
永遠の少年だから 少年マンガ描いてるんですケド
、と断言するエイジが格好いい! 中途半端なピーターパンは、けっきょく──たんにワガママなだけだったりしますが、エイジは違います。
ずっと少年の夢を追い続けることが、彼にはできる。
同じような作家が、いったい何人いるだろうか……。
これも また 青春か……
港浦の評価は、ますますうなぎ下がりです。
自分が担当している女性の作家を、通い妻
なんて単語で呼んで、コウフンするなんて……。なんだか作者が、わざと嫌われるように港浦を描いているような気がする。
まぁ、いいか──、港浦だし……。
雄二郎が気にしていたのは、作品に影響が 出る
ことでしたね。マンガ家と原作者との恋愛は自由
なので、エイジと岩瀬がくっついても問題はないようです。
問題にしたがるのは──、両キャラのファンですね。
2 人で生きましょう
岩瀬のうわさ話(声大きすぎ)を聞いている、服部の表情が面白い。「君子は危うきに近寄らず」──といったところでしょうか。
何しろ服部は、〈岩瀬被害者・友の会〉の二代目会長ですからね……(初代はシュージン)。
さて──、このページまでは、編集者たちが邪推しているだけなのでは、と思っていました。しかし──、エイジと岩瀬の姿を見ると、ちょっと言葉が出てきません。岩瀬が自分から口説いている
なんて言っているし……!
「ダンナ様の影を踏まないように」とか、「三歩さがって夫についていく」とか、そんな古き悪しき慣習が頭に浮かぶシーンです。
そう言えば岩瀬は、大正ロマンな衣装が似合いそうですね。和装も洋装も。エイジが羽を装着するように、岩瀬も原作を描く時には変身(コスプレ)すればいいのに。
「CROW」を見てみてくれ…
ここまでは「打倒! 『+NATURAL』」という内容が続いてきたのに、服部は『CROW』を見せようとする。
「なぜ?」と思う間もなく、迫力がある『CROW』の画面に圧倒されました! これは、小畑健さんも気合いを入れて描いたでしょうね。いつも思うことですが──、『バクマン。』は、小畑さんの画力なしには成り立ちません。
新妻エイジの表現力を描ききれるのは──、
小畑健さんしかいない。