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『バクマン。』 101 ページ 「苦情と上昇志向」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 42 号)

Ghost Motion in Shibuya
(日本国民の全員から── 1 円を集めれば……!)

かつて安西先生は、あきらめたら そこで試合終了 だよと言いました(『SLAM DUNK (8)』)。

この有名なセリフとほぼ同じ意味の言葉が、なんと、同じ作者の『バガボンド』にも出てくるのです。

あきら めろ

あきらめ たら そこで 闘いは 終わりだ

バガボンド (33)

ほとんど同じセリフですよね。しかし、語られている状況と、言葉に乗せた心は、まったく違います。むしろ、意味は正反対と言える。

単純に現状から逃げ出すためなのか、先へと進むためなのか。「あきらめる」と一口に言っても、いろいろあります。

今回の『バクマン。』に出てきたのは、どちらの「あきらめ」なのか……。

内容が アニメ向きじゃない

アニメ化まで 計算して 作らなければ 駄目だった──。しばらく前から感じてはいたのですが、服部にハッキリ言われると、キツイですね……。

ただ、前回の連載会議では「ジャンプ」に残れるかどうかが最重要課題だったワケです。その条件を満たした上で、アニメ化を意識した作品を創り出すなんて、ムリでしょう。

いま思うと、正直に服部に事情を話していたら、服部は「新妻エイジと競える、アニメ向きの作品」をアドバイスできたのだろうか。それとも、あきれるだけでしょうかね。

マンガは アニメ化まで考えて 作るものじゃない、と服部は言う。しかし、エイジはアッサリとアニメになった作品を描きました。しかも──、たぶん、「考えて」もいないでしょうね。無意識に創り出している。

もちろん、新妻エイジという怪物を生み出したのは、作者です。サイコーがアニメにこだわる理由を設定したのとほぼ同時に、「息をするようにアニメ向きのマンガを描く天才」を創造したはず。

亜城木夢叶の最高傑作である『PCP』は、いまや「ジャンプ」作家として生き残るための通行証と化しています。シュージンが言うように、次の作品でアニメを目指すしかないのか……。

上昇志向があるのは 良い事だが

シュージンは友だち思いだから熱くなっているし、サイコーは「真の理由」をばらさないようにするし、見ていてモドカシイですね。服部も、「何が何だか わからない」という感じで、目が点です(元から元から)。

サイコーが服部に真意を伝えないのは、照れでしょうか。それとも、「そんな理由でマンガを描いているのか!」と怒られるのがコワイからでしょうかね。いまさら、水くさい気がする。

ちょっと驚いたことに、この時点でサイコーもシュージンも、『PCP』でのアニメ化をサクッとあきらめているんですよね。まだまだ「次」がある、若さゆえの判断なのかもしれません。

シュージンは、深夜枠のアニメでもいいなんて言っていますが──、「小学生が完全犯罪をする深夜アニメ」ですか。マ、マニアックな……。ああ、だから深夜のほうが向いているのか。

なんとかならないん ですか !?

『バクマン。』の世界で「子供がマネしたら困るマンガ」といえば、どれよりも『ラッコ 11 号』だと思います。まぁ、「手が岩石になる」ことと「手に石を持つ」ことを混同する人がいなくて良かった。

平丸が疑問に思っていたように、グッズの売れ行きも視聴率も良いのに、アニメが終了するのは不思議ですね。2 人の様子からして、「アニメが原作に追いついた」という話でもなさそう。

このブログで 512 回くらい書いていますが、『バクマン。』の世界で一番の天才は、平丸一也です。新妻エイジのようにマンガ好きでも努力家でもなく、脱サラして軽々と人気作品を世に生み出している。

しかも、平丸は浪費家に見えるのに、貯金が1 億 2 千万円も残っているのです。吉田氏に拘束されて、使うヒマがなかったのかもしれませんが……。

平丸だったら、そのうちに 20 億円くらい稼いでしまいそうですね。そしてそのころになって、ようやく「マンガ家として生きる」道を真剣に考え始めたりして。

それにしても、ちゃんと操縦してくれないとって、平丸はすごいことを言っていますね。やっぱり、この 2 人の関係は──。

「アニメにならない」は ショック

おなじみの、シュージンとサイコーが一緒に家へ帰る場面です。中学生のころからずっと、2 人は並んで自転車に乗っている。自分が大好きな風景です。いいな、こんな親友がいて……。

一見するとほのぼのした場面ですが、さすがに話題は暗いですね。なにしろ、結婚が遅れる状況を、自分たちで作り出してしまった。

いや、そもそもサイコーの苦しんでいる原因は、亜豆です。やはり、彼女がラスボスか……(?)。

そういえば、亜豆はいくつで結婚するのが 理想か、誰も知りません。40 までにと多めに言っていたところからして、あまり早く結婚するつもりはなかったりして。

声優の事務所は、亜豆の結婚を嫌がるでしょうね。自分は詳しくない業界ですが、「結婚したことで人気が上がった声優」はいるのだろうか。

あと、ハイビジョン化を喜んだ女性タレント・女優っているのでしょうかね……。むしろ、YouTube 画質でモヤモヤとした映像を望む声が多そうな気がする。

やっと人気マンガに もっていけたのに

初めて読んだときには、ボーッとしていたせいか(いつものこと)、「亜豆にメールを送ったのに返事はないのか」と思ってしまいました。

恋人に「何歳で結婚したいか」という質問をするのは、良いことだと思います。亜豆なら、喜ぶのでは。ただ──、事情が事情だけに、「あまり若い年齢で答えるとプレッシャになる」と亜豆は思うでしょうね。

結婚はゴールではありません。出発点です。

サイコーはあまりにも「作品をアニメにして結婚すること」にこだわりすぎている。自分の目から見ると、すでに亜豆は、そこまでアニメに固執していない気がします。

それに、いまのサイコーなら、結婚したら気が抜けて漫画がおろそかに──とはならないでしょう。とっとと結婚して、亜豆の尻に敷かれたほうが良い気がする。亜豆もそのほうが幸せのハズ。

そうしないと、サイコーはエイジに取られるぞ……。

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