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『ソウ ザ・ファイナル 3D』 (Saw 3D)

Game Over
(ゲームオーバーではなく、これからだ──といいな)

『SAW』シリーズの最後となる作品を観てきました。

去年から今年の初めくらいまでは『SAW VII』と呼ばれていたはずなのに、いつのまにかタイトルに「3D」と付くようになって、さらに日本では「ザ・ファイナル」と名付けています。

日本の配給側はシリーズのプロデューサー、マーク・バーグに「本作が完結編となり、続編・外伝さらにビギニングも製作はしない」と確認をとったうえで邦題を決定した。

ソウ ザ・ファイナル 3D - Wikipedia

このシリーズは何から何まで「容赦がない」。

「いよいよこれが最後か……」と緊張感や期待・不安が混じった中で劇場の席にいると、いきなり「ソウ集編(総集編)」から始まります。これがなんと、シリーズ 1-6 までのソウ大(壮大)なネタバレ特集なのです!

前作までのあらすじを追うだけではなく、「『SAW ○』生存不明者」──とナレーションが登場人物たちの生死をわざわざ教えてくれる(おいおい)。でも、何人も何人もいるから初めて観た人には覚えられないし、あまり意味がないような気がしました。

なによりも、最初の『SAW』でラスト付近に出てくる「世界が反転するような衝撃の映像」がサラッと映るのです! これは──やりすぎでしょう。『3D』のあとで『SAW』を観た人は、がっかりするのでは?

さて、初代からのファンには「待ってました!」と叫びたくなるシーンから『3D』は始まります。そして、ラストも期待通りに終わる。

でも、あまりにも「そのまま」すぎて、なんだか物足りない……。3 作目あたりで「このまま終わればいいのに」と思っていましたが、いまでは「あと 5 作は作れるのに」と感じています。

ひとことで言えば、「『SAW』を好きでいて良かった!」ですね。ぜひ、シリーズの 1-6 まで味わってから『3D』をご覧ください。

ジグソウは一人

今回も(初代)ジグソウは出てきます!

やっぱり、ジグソウは彼だけですね。彼の意思を本当に継ぐことができた者は、誰もいなかった。まぁ、ジグソウ自身がクレイジィだから、他人には彼を理解することができないでしょうね。

「サイン会」に現れた『3D』のジグソウは、物静かな容姿と語り口ながら、相手の心臓にノコギリの歯を当てるような、すごみを感じました。うん これこれ! …って なにが 「これ」なんだろう…(『孤独のグルメ』)。

うーん、彼がジグソウになるまでの「とうとつ感」がいまだに消えていないので、『ソウ ビギニング』を作ってくれませんかね……。あ、そっか──『ジグソウ』というタイトルで新しく作ればよいのでは? 我ながら良いアイデア!

1 番○○なゲーム

自分がもっとも痛そうに感じたのは、「カギを取り出す」ゲームです。

よく考えてみると、今回の中では 1 番低予算でできそうなゲームですよね。基本的には、レントゲンと血のり・糸があれば撮影できます。それでいて、観ている側は胃のあたりがチクチクしてくる……。

思えば 1 作目の『SAW』も、きわどいところは映っていません。「のこぎりを使う場面」なんて、表情と音だけで演出している。それなのに、直視ができないほどの痛みをスクリーン越しに感じます。

こんな悪趣味なゲームを、よく考えたものだ!(絶賛)

そういった「予算をかけずに観客を恐がらせる」ところがホラー映画の醍醐味では? どうも『3』あたりからその傾向がゆらいで、「一大アトラクション映画」に成り下がっている気がします。

最高に違和感を覚えたゲームは、最初の「回転ノコギリと 3 人」でしょう。

いままでのゲームはすべて、「被験者」を間近で見た(saw)のはジグソウくらいでした。あとは、モニタ越しに警察官が見るくらい。ところが今回、衆人環視の元で初めてゲームが行われたのです。

あのゲームも、悪趣味が極まった感じがしました。「哀れな対象を携帯電話で撮影する人たち」のなんと醜いことか……。せめて小型のレンズ交換式カメラを用意しろよ! Panasonic GF1 がオススメですよ♪(おーーーうぃ!)

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さて、不謹慎ながら 1 番「面白かった」ゲームは──、「鎖でつながれたジルと自走車」です。一応は「人を殺してしまう」映像なのに面白いとは何ごとだ──とは、ホラー・ファンは思わないでしょう。あれはワロタ。

ジルのゲーム──というか処刑自体は痛そうだし悲惨な映像なのですが、彼女の衣装が──なぜか「まっピンクのミニスカ・ボディコン」なんですよ! なんでやねーーーん!!

いや、ベッツィ・ラッセルはキレイな方だし、グラマラス(ゴクリ……)なんですけれど、ちょっと「お姉さん」すぎるような……。とくに『3D』の後半は、ジルを「SAW のヒロイン」に仕立て上げようとする演出が鼻につきました。

もっとも哀れに思った(罰)ゲームは、「巨大な焼却炉」です。1 番シンプルでありながら、1 番苦しそう……。

なぜかというと、一般的に「焼き殺される」場合は、窒息死することが多いですよね。でも今回の罰ゲームは、「じわじわと焼かれていく」のです。被験者には煙が届かないように配慮されている。シェフのこだわりですね。

3D であることの意味

『バイオハザード IV』の感想でも書きましたが、いまだに自分は 3D 映画(3D 映像)には疑問が残っています。正確に言うと、「XpanD」方式の 3D メガネが不快──ということですね。

『SAW 3D』はそれ以前に、3D で見せる必要はなかったように思いました。上で書いたとおり、観客に痛みを伝えるには過剰な仕掛けは不要です。「釣り針とカギ」なんて、まったく 3D の要素がないですからね。

この素晴らしいホラー映画のシリーズとともに、自分は 3D 映画からも卒業しようかな。

──と思っていたら、予告編で観た『バトル・ロワイアル 3D』が気になりました。あの「ハリウッド女優」である栗山千明様のお姿を立体で観られるなんて……!(信者乙)

映画『バトル・ロワイアル3D』公式サイト

「ゲームオーバー」の見せ方に不満

最後は、これ以上はないくらい納得ができる終わり方でしたね。これ以外には考えられない。

ただし、見せ方がまずすぎる! そのせいで魅力が激減しました。極上のカレーライスを便器に盛る──かのような編集です。

ラスト近くの「豚の仮面を脱いだ」あとに、『3D』のオープニングと回想シーンを流せば良かったと思う。そう、『ソウ 2』と同じ見せ方です。それならば、シリーズの中でもトップ 3 に入る名作だったかも。

どうせ「あの人」のキャスティングが決定した時点で、あのラストはファンには丸わかりでしょう。それならば、できる限り「出し惜しみ」をして欲しかった。

最近の映画は、どれも「最初の 10-15 分にすべてを賭ける」傾向にあります。『バイオハザード IV』も、一番初めのバトルがもっとも派手で面白かった。

調べる気もないけれど、アメリカでは「映画の開始から○分間までは返金ができる」みたいなシステムなのでしょうか? それくらい、「面白さの前倒し」に見えました。

オレオレ総集編

来週あたりに、1-6・3D の感想をまとめて書きます。じつは、このブログでは初代『SAW』の感想をいまだに書いていないという……。

ソウ 6 (SAW VI) - 救いのない男の最期・最後に生き残る男 : 亜細亜ノ蛾

蛇足

もうすでに苦難の道でしかないけれど──、今回もまた、タイトルはゲーテの言葉から発想しました。

「苦しみが残していったものを味わえ!苦難も過ぎてしまえば甘美だ」 [記憶に残るセリフ] - メルマ!

でも、上の言葉はまさに『SAW』シリーズにピッタリ! 『3D』に出てきた被害者たちの集いを見ていると、どこかしら──甘い夢に浸っている感じがしましたよね。

そう、ジグソウによって自分の人生に目覚めることができたのは、けっきょく一人もいなかったのでは……。

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