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『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

Got milk?
(運命の相手とは──自然に引かれあう)

今回のラストで亜豆は、「サイコーのどこが好きか」という話をします。「『バクマン。』は、恋愛の話でもあったんだよなぁ」と久しぶりに思いましたね。ものすごく密度が濃い恋の話で、原液のカルピスを煮詰めて練乳で割った感じ。

ところが最後の最後まで、サイコーは読み切りで描くマンガの話だけを、亜豆は自分たちの恋愛の話だけを言い合って終わるのです。

男は仕事の話ばかり、女は私事の話ばかり。

お互いにすれ違っているようでいて、それでもサイコーと亜豆の話はちゃんとかみ合っている。出会い方から付き合い方まで、奇跡のような恋人同士です。2 人とも、別の人とは付き合えないでしょうね。

誰が 1 位を獲るか ……

たんなる読者サービスだったはずの「人気作家読切祭(スーパーリーダーズフェスタ)」が、いつの間にやら、「人気作家恋愛読切祭(スーパーリーダーズラブフェスタ)」という真剣勝負の場へと変わりました。

なんというバトルマンガ的な展開……!

──それはいつものことなのですが、より『バクマン。』らしく、ラブをテーマにしているところが面白い。そう、このマンガの本題は、サイコーと亜豆との恋愛にあったはずなのです。最近はずっと遠のいていましたケド。

バトルマンガと言えば、「解説役」が場の雰囲気を盛り上げます。今回は名解説の折原が欠場のために、シュージンが代わりを務めている。とんでもない 新年会に なったな…(ゴゴゴゴゴ……)なんて、バトってるマンガでしか聞いたことない!

新年会 始まるぞ

恋人からの電話を着信して、すぐに浮かぶ言葉が、何か急用? ──どこまでもユニークな 2 人です。たしかに、サイコーから亜豆に電話をする時は、いつも走っている気がする。『24』シーズンいくつだよ!

今回はとくに電話の内容が面白くて、サイコーはいきなり亜豆に小 4 の時から 僕のこと意識 してたんですよね──なんて聞いている。最近の彼のセリフは、本当に「(キリッ」と語尾をつけたくなります。あるいは地獄のミサワ化が似合う。

恋人から「いつから好きだったのか」なんて聞かれたら、悪い気はしません。しかし、恋愛が義務教育に組み込まれているようなイタリア人でもない限り、サラッとは聞けない。

そこでこの、「ダッシュしながら通話→単刀直入( A キャンセル A + B + C)」のコンボが有効に働くのです。サイコーは恋愛の経験が少ないはずなのに、この大技を会得している……! これが才能か。

何でも聞いて

大技には大技で返す。

一目惚れ だったと思うという亜豆のセリフは、言葉の意味自体も言うタイミングも、すべてがハイレベルすぎる! どうして、こんなことを脈絡なく急に言いだしたのでしょうね。「岩瀬」という単語に反応したようにも見える。

いわゆる「行間を読む」みたいな思考の流れがあって、この亜豆の「一目惚れ発言」につながったはずです(お米のブランドの話だったりして)。必死になってマンガの話ばかりをするサイコーに向かって、自分の気持ちや恋の話を、亜豆は伝えたかったのでしょう。

どことか 理屈じゃないけれど、何となく好き。──これって、本当に好きなものに対する気持ちだったりします。

なぜか好きな作品と言えば、自分の場合は村上春樹の『アフターダーク』ですね。「どこが好きか」と聞かれても、非常に困る。「ふんいき」としか言えないのです。人生の大半では忘れているのに、でも好き。

『アフターダーク』 理解できない「無」の恐怖 : 亜細亜ノ蛾

役に立ちたいから

亜豆は、すごいことを言っている。

話した事もないのに この人は私の求める 全てを持ってる──なんてことを、亜豆は小学生の時に思っていたそうです。たとえオトナになっても、そこまで思える相手に出会えない人がほとんどでしょう。

この会話を聞くと、新妻エイジの読み切りマンガもリアリティがあることを証明したようなものです。「こんなのマンガだけだろ」なんて笑って読んでいると、逆に笑われるかも(あの編集部の人とか)。

でもまぁ、自分の小学生時代なんて、ジャージの袖に鼻水をこすりつけるのが仕事──みたいな感じでしたからね。恋愛なんて、実感としても概念としても知らなかった。「ダウ平均株価」や「超ひも理論」と同じ。

──もしかしてひょっとして、勘違いや何かかと思っていたけれど、あの──幼稚園時代に好きだった保母さんが、オレの世界中で 1 番自分に合う 運命の人だったりして……。

余談

さて、『バクマン。』もようやく、『DEATH NOTE』の最終話と同じ話数──108 話まで来ました。まだまだ続きそうなので、うれしい限りです。

この記念すべき 108 話の途中で、愛用パソコン(2004 年に自作したもの)のマザーボードが昇天するというハプニングがありました。何この縁起の悪さ。中古のパーツを探して交換し、いまは快適です(何年持つことか……)。

まぁ、映画の『ハプニング』をエンドレスで再生するよりかは、256 倍マシだけどな!

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