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『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

Free Funny Weird Girl with Braces and Dog Yawning Creative Commons (I'm taking a short break from Flickr, this is my last photo for a little while until I feel better)
(犬の気持ちを──理解するために)

この作品には、大場先生のクールな部分が現れている。

「ジャンプ」が舞台のマンガを「ジャンプ」で連載し、実在する編集者が出てくるのだから、もう少しマンガ家と編集者が仲良く──たとえば一緒にご飯を食べに行っても良いくらいです。

「ほら、『ジャンプ』は・集英社は、こんなにも良いところなんですよ──」と読者にアピールする機会にもなる。大場先生と編集部との関係も良好になるでしょう。

でも、そこまで甘ったるい世界は描かない。

DEATH NOTE』にも、「みんなと仲良く」という場面はなかった(夜神月の策略のため、大学の「お友だち」たちと街なかを歩いたくらい)。

なんだったら、『バクマン。』に出てくる編集者・編集長を、ハッキリ名指しして「嫌い!」と言う人もいるでしょう。さくしゃは、そういう描き方をしている。

『バクマン。』と同じようにマンガ雑誌の編集部を舞台にした作品の、『編集王』が自分は好きでした。しかし、どうも──すべてが「御涙頂戴」の方向で描きすぎている。

両者を比べてみると、『編集王』よりも『バクマン。』のほうが好きです。甘すぎず、厳しすぎず。

そして、この作品を堂々と連載している──「ジャンプ」編集部の度量の深さにも注目しましょう。

まず 連絡事項

意外なことに、亜城木夢叶にとって初めての 1 周年巻頭カラーです。『疑探偵 TRAP』も『走れ! 大発タント』も、一年間は続かずに終わった。

今ごろ気がつきましたが──、『バクマン。』の読者からすれば、サイコーとシュージンは「すごい才能とやる気の持ち主」ですよね。でも、作品の中にいる「ジャンプ」読者から見ると──、「連続打切り作家」「新人で長期休載作家」と認識されているはず。

『PCP』の連載が一周年を迎えたことで、亜城木夢叶は打切りばかり──という汚名も返上できましたね。ようやく、「これからだ」という感じになってきた。

今回の服部とのやり取りを聞く限りでは、契約金と原稿料が上がるためには、すくなくとも一年間以上の連載を続けることが条件になってきそうです。おそらく、連載の期間が延びるほど、報酬も上がるのでしょう。

お金の計算をするシュージンを見て、いやしいな…とサイコーは言っている。これは、サイコーのほうが下品だと思う。仕事ととしてマンガを描いているのだから、報酬を気にするのは当たり前です。お金を軽く見るほうが良くない。

ただ──、いつも気になっているけれど、シュージンが独身時代にため込んでいたはずのお金は、どこへ行ったのでしょうかね? シュージンの自宅は質素なままだったし、彼自身もカヤも着飾っていない。すべて貯金しているのかな?

シュージン:
「おお ヘッドホンもジャージも 今週のは いい感じだ!」(毎週買い換えている)

連載を毎年立ち上げてきた亜城木よりも、ずっと連載が続いていた平丸のほうが契約金・原稿料は格段に上なのでしょうね。『ラッコ 11 号』のアニメ化とグッズも大きい。

世間の評価では、すでに平丸は「大作家」なのか……。

厳しい世界だ

連載してなければ 原稿料は 0 だと服部は言う。

よく考えると、このタイミングで言う話ではないわけで──、現在絶賛休載中のある作家のことを指摘しているのでは? あの人を誰か、ハントしてください……。

服部はあいかわらず、2 人が推薦してくれた 亜豆美保さんのことを聞かない。サイコーとシュージンも、亜豆のことを話しません。やっぱり服部は、2 人とも「声優オタク」だと思っているのでしょうね。

まぁ、「自分のカノジョに声優として声を担当してもらい、結婚する」なんて、ある意味では「究極」だよなぁ……。

連載も 1 周年となれば、連載表彰式があるそうです。2 人(のどちらか)は感激していましたが、『バクマン。』に出てくるマンガ家たちは、こういう式は苦手そうな気がする。エイジは式よりもマンガを描いていたいし、福田は照れくさがりそう。

文句なしの 人気マンガ…

サイコーもシュージンも、2 人とも順調すぎる現状にとまどいながらも、あとは自分達の作品さえ アニメ化できれば良いのに──という思いがぬぐえません。

ただし、『恋太 & ピース』や読み切りをやることには、シュージンは疑問を持っている。このページを読んだ時点では、本当にここまで やる必要あったのか? というシュージンの考えは、慢心かと思っていました。

まさか、ここから不安の渦が広がろうとは……。

駄目だな

服部の口からハッキリとダメ出しされるなんて、亜城木の 2 人にとっては久しぶりですね。頭の切り替えが早いシュージンでも、さすがに少し落ち込んでいる。

『恋太』の読み切りも一話目も、良いネームだと服部は評価したのだから、その流れで 2 話目も「賢い犬ピース」(どこかで聞いたような……)を面白がりそうなものです。しかし、「主役は誰なのか」をキチンと考えて批評している。

やっぱり、服部は素晴らしい編集者ですね!

じゃあ 読み切りの方

サイコーの描いた読み切りのネームは、意外にも服部には高評価を得ています。これは幸先が良いですね。少女マンガっぽい──という点が気になりますケド。

ほぼ完全にサイコーだけで読み切りを描ききった──と服部が知ったら、驚くことでしょう。でも、なぜか亜城木たちはいまだに、そこまでは服部と打ち解けていない。あくまでも「ビジネス上のつきあい」なのです。

このクールな人間関係は徹底していて、「福田組」のメンバたちが「マンガ抜き」で会うことも、ほとんどありません。たまには、飲みに行けばいいのに……。

もしかしたら、現実世界のマンガ家同士も同様のクールさのため、新年会や表彰式などのイベントを編集部が用意しているのかも。

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