• 更新:
  • 投稿:
  • カテゴリィ:

『バクマン。』 116 ページ 「狙いと評価」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 07 号)

Death Note
(そのノートをまた──目にする機会があるとは)

今週号の『バクマン。』は、カラー・ページから始まりました。いかにも「コピックで塗りました」といったラフな仕上げと、最近の小畑健さんが得意なとするポップな絵柄が合わさって、楽しい 1 枚です。

ふと思ったけれど──、蒼樹紅は、横向きの絵が多い気がする。まるで、何かを強調するかのように……。関連性は不明ですが、岩瀬愛子の場合は、真っ正面の絵ばかりを見た気がします。不思議だねッ!


カラーのページをめくると、『バクマン。』アニメの情報が載っています(自分はノー・チェックですケド)。ここの発表がすごい!

なんと、劇中のキャラクタである KOOGY と、現実世界で大人気の HYDE さんがコラボレーションするそうです! 2 人で CD も出すらしい。

TVアニメ「バクマン。」KOOGY CD [Single, Maxi]

上のリンクからその CD が予約できるのですが、なぜか「HYDE」さんの名前からは検索ができずに、「KOOGY」の名前で見つかりました。きっちりしなさいよ!

まったく、HYDE さんの扱いはしんちょうにして欲しいものです。──ん? 強調した部分に他意はないよ……(何のことか分からない人は、HYDE さんのファンが集まっている場所で聞いてみてください)。

邪道の心理バトル ……………

今回は、ほぼ丸ごと『シンジツの教室』の生原稿をサイコーとシュージンが解説する──という話でした。「マンガ家を主人公にしたマンガ」なのだから、こういう展開は多そうだけれど、丸ごと 1 話分を使うのは珍しい。

このメタな構造は『SKET DANCE』でも見られますが、あちらのほうでは「面白くない原稿をツッコミで盛り上げる」という手法が得意です。

しかし、『シンジツの教室』は面白い!


前回の時点で気がつかなかった自分は、つくづく「マンガ読み」としてのスキルが欠けているな──と実感したことがあります。それは、主人公キャラの名前すら まだ出てこないこと。

「ジャンプ」マンガにどっぷりと漬かっているサイコーは、主人公のキャラ 全然立ってない基本的な事が できてない──と切り捨てています。おそらく、編集部でも同じ意見が多かったでしょうね。

元から思想が「邪道」に寄っている──、つまりは「『ジャンプ』らしくないマンガ」が得意分野のシュージンは、作者の狙いを見抜いている。

それは、「週刊少年ジャンプ」 否定マンガです!


「ジャンプ」の新連載は、まるでそういう「お作法」が決まっているかのように、ほとんどが「ぼく・オレ」のモノローグや紹介から始まる。『シンジツ』みたいな描き方は、「ジャンプ」では見たことがありません。

しかし、「主人公の名前がなかなか出てこない」という描き方は、小説や映画の世界では良くあることです。「主人公は何を考えていたのか」が、最後まで分からないことまである。

『シンジツ』は、その基本から壊したいのだろうか?

自分の事しか 考えてなかった

どちらかと言うと、『シンジツ』は、邪道の心理バトルというよりかは、生き残りをかけたサバイバル物になる。そのあたりも、「ジャンプ」らしさから外れていますね。

たとえば、『【エニグマ】』は生き残る目的(母親を助ける・仲間を救う)がハッキリしている。それに、仲間たちが協力し合うことで、脱出に必要なパスワードが見つかります。最近になって、倒すべき敵としての「エニグマ」が描かれました。

そう、『【エニグマ】』は、ちゃんと「友情・努力・勝利」の三本柱が立ったマンガなんですね。

それと比べると、『シンジツ』は、三本とも柱をたたき壊している。しかし、「ジャンプ」に掲載するマンガとしては問題があるけれど、マンガそのものは面白いのです。


やっぱり、『進撃の巨人』の作者が、「ジャンプ」の編集部へ原稿を持ち込んだ話と、よく似ているなぁ……。

参考: 人気プロ漫画家が告白「僕がジャンプからマガジンに乗り換えたワケ」 - ガジェット通信

設定も 唐突すぎる

サイコーとシュージンとの感性が、まったくズレているところが面白い。これだけ長い間、2 人でマンガを描いてきたというのに、気にするポイントがまるで違う。


その 2 人の話し合いの中で、久しぶりに『DEATH NOTE』の名前が出てきました!

この名作には、映画化の話がふたたび出ています。しかし、大場・小畑コンビによる「本物の『デスノート』」は、もう見られないのでしょうか……。そう言えば、まだ「特別編」もコミックスに載っていないし。

人気漫画『デスノート』がハリウッド映画化決定! 米誌「ワーナーが映画権を獲得」 - ガジェット通信


マンガの設定には、最低限の理屈とか 説得力が必要かどうか──。自分は、必要だと思います。読者を納得させるために作者は創作をしているわけではないけれど、たった一言の説明でスッキリすることは多い。

サイコーのアホ毛は、どうやってセットしているのか──(エクステ?)。早急に、納得ができる説明が欲しいです!

ここに死体が ないんだから

この状況で主人公が小倉の話を信用するのは、明らかにおかしい。シュージンが指摘したように、まず自分が どう生き延びるかしか 考えてないような男が、こんな楽天的な思考はしないはずです。

これはたぶん、大場さんがわざと、矛盾を感じさせるような原稿に描いているのでしょうね。あまりにも上手すぎて、初投稿なのに亜城木夢叶よりも上になっては、それこそ彼らの努力が報われない。

いやでも、現時点で『PCP』よりも『シンジツ』のほうが、続きを読んでみたいかも……。個人的に、毒がある──毒があふれかえっている作品が大好物です。

喋らない方が いい……

この主人公──高橋が立ち上がったポーズを見ても分かるとおり、かなり絵を描き慣れた作者ですよね。初心者なら、首のバランスがおかしくなったり、足が大きいままになるはず。

クラスメイトのために、「しゃべるな」と高橋は本心から言っている。消された 4 人との対比も、上手に見せています。

この時点では、作者は誰か分かりません。自分の中では、すでに連載を持っているマンガ家が、「ジャンプ」編集部に挑戦するために投稿してきたのかと思っていました。そんな展開も、面白かったと思う。

[2] このページの一番上へ戻る