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『バクマン。』 117 ページ 「FL とブログ」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 08 号)

Fruitpark Fujiya Hotel
(なぜ──国旗なのか?)

今回の目玉は、『シンジツの教室』を描いた七峰透(ななみね とおる)が登場することです! 彼(「彼」でいいんだよな?)は、外見も内面も興味深い。

もう一つ注目するべき点は、現実世界の「ジャンプ」で連載中である『【エニグマ】』の名前が出てくることです。この作品の名前が、こんな状況で出てくるとは……。


正直なところ、『【エニグマ】』が連載を開始したころは、「まぁ──、10 週コースかな……」と思っていました。

ところが、最近の『【エニグマ】』は、ものすごく面白いです! 今週号は、「シリアスな笑い」をまじえつつ、ぶっ飛んでいて最高でした。

ブログを書く時間が伸びつつある状況ですが、できれば、この作品の感想も書きたい!

発想力か…

やや説明セリフっぽいですが、シュージンは『シンジツの教室』のルールを説明しています。その内容が、きわどくて面白い!

前回は、「第 1 ゲームの教室から脱出した 8 人(描写は 7 人)」と、やや飛んで「第 3 ゲームで侵入者に追われる主人公」のコマが公開されました。

てっきり、最後の最後まで、主人公・高橋とヒロイン・佐伯は生き残ったのかと思いましたが──、第 2 ゲームのルールからすると、佐伯はカミに消されたはずです。しかも、高橋との話し合いの末で……。言ってみれば、高橋が殺したようなものです。

何という悪趣味なマンガなんだ!(訳: 読みてェ!)


ようやく、サイコーが『シンジツ』をどことなく嫌っていた理由が分かりました。たしかにあの作品は面白いけれど、「PCP」の アイディアが 負けてるとは思いたくなかったのでしょう。シュージンにも、そんなことは言って欲しくなかった。

新妻エイジに関しては、「乗り越えるべきカベ」としてサイコーは考えている。そのエイジが描き出すのは、「王道のバトルマンガ」です。

王道のマンガに対しては、ライバル心を燃やして勝とうとする意欲がわく。ところが、同じような邪道の道で上を行かれたように感じると、嫉妬してしまう。──サイコーは、こう感じたのでは?

このあたりは、『DEATH NOTE』『バクマン。』と続けて邪道寄りの作品を発表した、作者の姿を反映しているのかもしれませんね。


アイディアって 突然の閃き なのか、それとも考えていって 閃くもの なのかと作家であるシュージンが悩んでいるのは、なかなか哲学的です。いままでの自分を振り返れば、どちらかは分かりそうなのに、急に考えると答えが出ない。

この場面を読んで、下記の引用文を思い出しました。

状況は、萌絵という探偵役の女性が、「ある謎について 2 時間後に説明する」と刑事に宣言したけれど、その 2 時間後に、「つい先ほど、謎の答えを思いついた」と言ったのです。

不信感を持った刑事に対して、平然と彼女は言い放つ:

「あと二時間で思いつこうと決めていただけです」萌絵は言った。「変ですか? でも、思いつこうと思わなければ、思いつかないでしょう? 考えなければ、アイデアは浮かびません。突然、何もしていないのに思いつくなんてことはないはずです」

捩れ屋敷の利鈍 (講談社ノベルス)』 p.160


サイコーが何やら考えついたけれど、今回はその「何か」は明かされませんでした。これは珍しい。いつもだったら、最後のページで大ゴマを使って「次回への引き」が描かれるところです。

この場面で思いついたサイコーのアイデアが、亜城木夢叶の次回作になるのでしょうか……。

担当さん ですか !?

七峰透の登場です!

パッと見で気になるのは、さわやかな笑顔と──ジャケットが七分丈であること。そう言えば、平丸もパンツの丈が短い。これが天才に共通する特徴──と思いきや、エイジは上下とも普通の丈ですね。まぁ、どうでもいいけれど……。


七峰の猫みたいな目は、いつも「棒状の光」で輝いている。サイコーやシュージンが、何かをひらめいたり熱く語っている時に、この光が発生します。自分は、この光が出ている状況を「スーパーサイヤ人状態」と呼んでいる。

以前はとっておきの場面にしか出てこなかったこの光は、最近ではほかの人物も連発しています。この「インフレ」具合も、元ネタの『ドラゴンボール』っぽい。ただたんに、「目をキラキラさせている」以上の意味がなくなりましたね。

もっと柔らかい 表現にして

亜城木夢叶の作品と『【エニグマ】』から、多くを学んだ──というかパクらせてもらった七峰は、今でも亜城木のファンです。すくなくとも、表面上は……。

『走れ! 大発タント』で亜城木に失望した七峰が、尊敬の念を憎悪に変えていたら、自分としては面白かった。亜城木の得意分野に割り込んで、より面白い作品を描き、彼らの居場所をなくそう──と七峰がたくらんでいたりして。

今のところ、その可能性は否定できないけれど……。


七峰が末恐ろしいところは、サイコーとシュージンが悩んでいる部分を、あっさりとクリアしているところです。

「邪道の心理バトル」を描いただけではなく、そこへ自分のスタイルを盛り込んでいる。しかも、どうやら 1 人だけでその境地へ至ったのです。このまま伸びていけば、作品の人気でエイジすら抜けるのでは?

隣 うるさい な…

自分は、定期的に購読しているマンガ雑誌は「ジャンプ」だけなので、七峰の言う他誌に比べて 「ジャンプ」は 保守的過ぎるという言葉が実感できません。

ほかの雑誌は、もっと規制がゆるいのでしょうかね?

もしそうならば、今週の『いぬまるだしっ』に出てきた法律がもっと ゆるくなればというセリフは、某・都知事に対してではなく、佐々木編集長に向けて言ったのかも。

佐々木:
「私が 法律だ」

──あ、なんか、いかにも言いそう……。

終わったみたい だな

あのエイジですら、じつは、状況によって自分のキャラを使い分けるという──社交的な人物であることが、あとから分かりました。そうでなければ、ちょっと「イタイ人」ですからね(いまでも充分?)。

七峰もエイジと同じく、明るく社交的で 話がしやすい人物を演じているフシがあります。つまりは、誰も 2 人の素顔を知らないのでは──と思ってしまう。

それはそれで、社会人なら当たり前ですケド──本当に「天然の天才」が 1 人くらいいても良い気がする。平丸が一番近いかな。

ということで、小杉も雄二郎も、「仮面をかぶった」七峰にしてやられる──という展開が、今から見えてくるわけです。今回のラストですでに描かれていますが、今後もトラブルが続きそう。


「計算型の天才」は、どれだけの才能を発揮するのか?

ここまで読んだ感じだと、『シンジツ』の 1 作だけで七峰は燃えつきそうです。次回作のアイデアも、同じ『シンジツ』の焼き直しという点からも、一時だけ「ジャンプ」編集部をさわがせて終わりそう。

──という予測を裏切って、かんたんに話題作をポンポン創り出す天才だったら、楽しい展開になります! しかも、どれもこれも邪道の極みという……。

考えてみれば、あの『シンジツ』の面白さを保ったままお子様バージョンにできたのならば、七峰の実力は本物です。ぜひとも、その方向へ進んで欲しい。「ジャンプ」へのテロで終わらずに。

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