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『バクマン。』 120 ページ 「ネットと顔」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 11 号)

It was a cold and windy night...
カイトは──天へ昇っていったよ)

今回は、『シンジツの教室』を他誌で連載するという話が出てきました。ただし、別の作品を「ジャンプ」で連載する可能性のほうが高いから、まぼろしの作品として『シンジツ』は終わりそうです。

よく考えたら、(基本的には)「ジャンプ」に連載できるのは専属のマンガ家だけという制限さえなければ、他誌での連載も実現が可能になる。

それ以前に、『めだかボックス』の原作者である小説家の西尾維新adさんは、今でも小説の執筆を続けています。つまりは、「原作: 七峰透」であれば、ほかの雑誌に連載を持って良いのでは?

あれくらい面白いマンガであれば、隔月刊くらいでも待つ人は多いでしょう。──そう言えば、ずっと連載の再開を待っているマンガは、「ジャンプ」にもあるよなぁ……。

隠していても 仕方ない

七峰の演技もこれまで──という場面だけれど、どこか芝居みたいに見えます。ノートパソコンのフタを開けるときに、腰に手を置く人なんて初めて見た。ずっと「良い子」を演じてきたから、クセになっているのでしょうね。

演技と言えば、普段はお行儀の悪い言葉遣いをしている「判定人」たちも、小杉の前では礼儀正しい。でも、マンガはキャラだと思いますという書き込みは、明らかに小杉を小馬鹿にしています。みんな、編集者をナメている。

完全オリジナルですよ

判定人がいつまでも無償で協力を続けるのか・バレたらどうするのか──。この点について、前回の感想で考えてみました。あれこれと自分は理由をつけてみたけれど──。

バクマン。 #119-2 「過信と宣伝」 大ファンと冷静な分析 : 亜細亜ノ蛾

七峰の答えはシンプルでした。アイディア料を 出せと言う人がいたら切って他の理解者を 入れればいいバラされたら認めればいい 画期的な作り方してますと。そ、そんな考えで大丈夫か?


企業秘密という言葉から、七峰には協力者がいることを、小杉もある程度は想像していたでしょう。しかし、こんなチャットの画面でやり取りをしているとは思っていなかった様子です。拒否反応が出ている。

もしも七峰の担当が別の編集者だったら、どう思ったでしょうね? 昔の山久だったら、チャット好きだし受け入れそう。今の山久は「直接会って話をすること」の重要性を知ったから、小杉と同じような反応になるはず。

新しい考え方が好きでテキトーな性格の雄二郎は、七峰に賛同しそうな気がする。しかし──、新妻エイジや福田と長年接してきて、マンガ家のあり方・編集の立場を肌で学んできた彼だから、やっぱり七峰を拒否するかもしれない。

たぶん、いまの「ジャンプ」編集部には、七峰のやり方を良く思う人間はいないでしょうね。個人的には、魅力的な方法論で実験する価値はあると思うのですが、リスクが高すぎる。

──あ、そっか、「少年スリー」などで試せばいいのか! 現実世界で言うと、「ウルトラジャンプ」あたりで「七峰法」を試してみたら面白い。他社がとっくに目を付けていそうだけれど……。

僕じゃ 力不足 なのか?

完全に七峰のキャラが変わっています。いや、まるで『バクマン。』ではなくなっている。『DEATH NOTE』みたいな感じです。

七峰の成功・失敗によって、小杉の立場も決まることでしょう。判定人のことを黙っていたことが発覚すれば、減給される可能性もあります。七峰の持っているシナリオは、本当に「デスノート」そのものかも。


連載経験者も 編集を 5 年以上やった人も判定人の中にいる。これには驚きました。まさか、(元?)プロまで無償で手を貸していたとは……。

そのプロたちが現場にいたのは過去の話だ──と七峰の口調では聞こえます。もしかすると、現状の出版界のやり方に不満を持つ人たちなのかもしれません。

新しいやり方に挑戦する新人を(元)プロの人間が無償を求めずに協力する──。美談で語れそうな話だけれど、いまの七峰の態度を見ていると、応援しにくいですね。

かといって、「本当に判定人のみなさんには感謝しています!」という七峰の誠意さえあれば許される方法なのか──。マンガの中だけに終わらせずに、出版業界で議論になると良いと思う。

51 人目……

このページの小杉は、ちょっと情けなかったですね。俺の立場が どうのこうの ではないと判定人を非難しようとしていたのに、3 年以内に 結果出さないと 異動になりますよという七峰のハッタリにうろたえている。

ただ、これはいちサラリーマンからすれば、当たり前の反応ですよね。この「編集者はサラリーマンにすぎない」という描写は、なんとなく──作者からの皮肉にも見えました。

結果 欲しいでしょう?

どこの新世界の神だよ! という表情の七峰が笑えます。手に持っているのが「デスノート」ではなくて「ジャンプ」なのが不思議なくらい。

ここで七峰が落とした「ジャンプ」は、ちょうど『PCP』のページを開いています。「亜城木夢叶へのあこがれを捨てた」という表現ですね。たぶん、もうとっくにそんな敬意を七峰は捨てていたと思うけれど……。

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