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『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)

京都国際マンガミュージアム
(いろんなマンガを──読み込むべし!)

この作品を読んでいると、「では、どのようなマンガを描けば人気が取れるのか?」を考えたくなります。いまの「ジャンプ」では、何が「正解」なのだろう……?

──それは『magico』(マジコ)です!(断言)

最近の新連載の中ではダントツに面白い。ていねいに描かれている絵も上手で、話の見せ方もうまい。1-2 話の時点で、アニメやゲームに生かせそうなアイデアが山盛りです。そのうち、「能力バトル」も出てくるはず。

「ジャンプ」のヒロインと言えば気が強い女の子──と判で押したように決まっている。ところが、『magico』のエマは(いまのところ)気が弱そうにオドオドしています。この点も目新しいですね。いま流行のなかなか変身しない魔法少女(魔女)だろうし。

自分のにごった目で見ると、エr ──美少女マンガを描いていた上連雀三平(小野敏洋)氏の絵柄と似ているから、なんだかヘンな期待までをしてしまう。主人公・シオンが女性に弱いところから考えて、色仕掛けを迫ってくる敵も出てくるはずです。

『magico』の作者である岩本直輝氏の作品は、意識して読んだことはありませんでした。彼の描いた作品のタイトルだけを眺めると──なんとなく亜城木夢叶っぽい。本誌で連載デビューするまでに苦労したところも似ている。

岩本直輝 - Wikipedia

「見かけはヒョロ男なのに、筋力はガチ☆ムチ」な主人公が多い(多すぎる)中、シオンは魔法使いです。たぶん、ダーク・シュナイダー(『BASTARD!! 暗黒の破壊神 』)みたいな超絶不死身主人公でもないでしょう。このあたりも「邪道で王道」です。

ここまで自分の大プッシュする『magico』がコケるとしたら、その理由は──読者の マンガを観る目が なさ過ぎるからだ。

本ちゃんで 1 位になることは

──そう、上で書いたように、自分の信じる結果と違う反応が返ってきたら、他人を──読者や編集者を責めたくなるものです。七峰の感想は当然だと思う。

とくに強調してこの場面は「七峰は悪」という見せ方で描かれているから、素直に「彼の考えは、すべて間違っている」と読んだ人も多いのでは?

たとえば、自分の大好きな作品が打ち切られた時のことを想像してみてください。「そうか、面白くなかったから終わったんだ。納得納得♪」──とは思えないはず(そんなヤツはマンガ読みじゃねェ!)。


なんとかして編集部の人間として七峰の作品にかかわろうと、小杉はがんばろうとしています。ただ、初めからムリがあるんですよね──、51 人目の「判定人」という立場から意見することは。

なぜなら、ネームの 最終判断をくだすということは、「ほぼ完成したネームにケチをつけること」に近い。

このブログでも好き勝手言いまくっていますが、「じゃあ、お前が話を作ってみろよ!」と言われたら、(いつものように)のら~りくら~りと ごまかすしかない。

アイディア入れ過ぎ なんてことは

ここから待望の七峰大暴走! が始まりました。着実に「新世界の神」へと近づいていますね、彼は。『バクマン。』でのヘン顔芸は、サイコーに替わって七峰の担当になるでしょう。


自分は七峰を支持する側なので、この場面で彼が言っていることは、ほとんど同意できます。

小杉の指摘は的を射ているとは思うけれど、そもそも連載の第 1 話がスッカラカンのストーリィだったら誰も読まない。服部も言っていたけれど、新人の初連載が 2 位を獲ったのに失敗してるかの ように言うなんて 普通に考えて 編集者としておかしい

しかし、大半の読者は「七峰は間違っている!」と読むはずです。それは当然で、そう思わせる展開と演出によって描かれている。もしも「七峰支持者」が読者の半数以上いたら、演出を失敗しているか、「ジャンプ」編集部が間違っているか、どちらかです。

どっちだろう……。

難し過ぎたんですよ

このページを含めて、『バクマン。』では誰もが正しいことを言っています。怠惰の極みで自分に絶望していたところで頼りにされた中井がいい気になるのは当然だし、彼を非難するアシスタントの気持ちも分かる。平丸も蒼樹も正しい。

上手くいかないのを 読者のせいにするなという小杉の言葉も間違っていません。変えるべきなのは七峰のやり方だ──という意見も、編集者ならば当然です。

七峰の言動も、自分には正当な考えに思えました。彼の言い方が悪いだけで、もっとシンプルに 感覚にうったえるような絵を描くことは正解でしょう。

アンケートの集計表を破り捨てた七峰は、完全に反感を買いそうだけれど──、たとえば、読者の意見やアンケートを気にして、新妻エイジはマンガを描いているでしょうか?

それに、かつてサイコーは、才能に応じて 描く作品は人それぞれで いいんだと思いますと言いました(『バクマン。 (11)』 p.41)。まさに七峰はそれを実践している。

全員が間違っていないから、面白い。

速報 1 位です

──とはいえ、ウソをつくのは良くないですね。七峰が速報の結果を知らせたのは、たんなるチャットの仲間ではなく、自分の協力者です。「判定人」たちと自分は同じ立場──と七峰は思っていないことが、このコマによって分かりました。

ここから七峰の崩壊が始まるのかな……。


ただし、七峰がウソつきであることは、読者には分かりません。「マンガは面白ければいいんだ」と誰もが思っている。

七峰と同じく絵を描くことしかできないサイコーの目から見ても、『有意義な学園生活に必要なそれ』(長っっ)の絵は向上している。

サイコーの発言で注目なのは、「背景は良くなった」ではなく、絵のクオリティが 上がってると言っているのです。七峰が描いた人物には、最初から問題はなかったことになる。やはり、七峰はすごい!

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