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『バクマン。』 125 ページ 「焦慮と逆転」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 16 号)

大学芋。ごま油はこれか。
(ごまだったら──貸してもらっても良いけれど)

今回は、「キャラ崩壊」全開でした。最近の展開を読んでいない人には、「作画崩壊」に見えたでしょうね。それくらい、すごかった……。

『バクマン。』の原作者である大場つぐみさんは、話を先に考えてから、登場人物をコマのように使う人だと思います。だから、キャラクタの印象をコロコロ変えることに ためらいがない。

一方、作画の小畑健さんは──どうなんでしょうね? 一度決めたキャラのイメージを壊すことは、絵を描く人間ならつらいと思うけれど……。

小畑:
「うひょー、七峰はこうなりましたか! まじ最高スよ、大場さん!」
大場:
「いいでしょー」

小畑さんは「うひょー」とか言わない。

電話には 出たのに…

中井巧朗は、やっぱり「中♯」だった(?)。「改心フラグ」は何度かあったのに、すべてブチ折っている。これからの急成長に期待──もできませんね、これは。

ただ、中井が連載を持つには困難が多すぎます。

まず、絵が上手とはいえ、人物の表情は描けない。蒼樹紅みたいに「キャラの顔と原作は上手だが、体を描くのは苦手」という都合の良い作家と組める機会なんて、めったに ありません。

次に、話が作れない。あれはたしか縄文時代あたりだと思いますが、中井がオリジナルの話を書いた時には、難解な物ができていました。「ジャンプ」では、ムリ。

今はアシスタントなのだから、中井はしっかりと背景描きをすれば良いじゃないか──。そう言いたいところだけれど、サイコーから見ると絵も雑になっているらしい。どこにも期待ができませんね。

このまま消えていくとしたら、何のために中井は復活したのだろう──。それとも、奇跡の巻き返しがあるのか!?

すこし人気が 落ちたくらいで

七峰透もまた、どこかへ行ってしまった……。この場面に出てくるのは、「3.5 峰」くらいだと思う(?)。

幸いにして自分はウツとは無縁の人生をのし歩いていますが、本当に追い詰められた人間は、今回の七峰みたいになるのでしょうかね……。だとしたら、笑えない。


七峰も中井も、絵で語ることしかできません。自分から見るとよく似ているコンビですが、決定的に両者は異なることが今回でハッキリと分かりました。

ボロボロになりながらも、七峰には勝つ意欲がある

──もちろん、不正行為だろうと手段を選ばないという七峰の考え方は、褒められたものではありません。それでも、中井巧朗のように自分の可能性を投げ捨てるよりは、勝利にこだわる七峰のほうが良い。

ほんのすこし歯車が狂えば、出会いがなければ、サイコーやシュージンも七峰のように なっていたのだろうな……。『バクマン。』に描かれていないマンガ家(志望者)や、現実世界の人たちは、もっと悲惨な例が いくらでもあるはずですね。

『疑探偵 TRAP』の最初と最後のほうは、亜城木夢叶も苦戦していました。ボツになった作品も山ほどある。それでも彼らは苦難を乗り越えて、『PCP』という最高傑作を生み出しました(「アニメ化はなし」という苦行つきだけれど)。

最悪の時こそ、人間の真価は問われます。七峰も、ここから立ち直って欲しい。

な… 何言ってんだ?

亜城木のネームを盗むというのは、そういう意味だったのか……。いや、前回までは、『有意義な学園生活に必要なそれ』(小杉の前髪並に長い)の話に生かしたり、同じ話で勝負する──といった積極的な意味で、七峰は言っていたはずです。

それが今回は、亜城木夢叶をパクリ作家呼ばわりするため──と話がすり替わっている。正常な思考もできなくなっているのか、七峰は……。

僕の特別待遇…

これはもう、中井じゃない。というよりも、人間ではなくて『DEATH NOTE』に出てきた死神みたいになっている。小杉もすごい目で見ています。

ただ、中井は「スーパー・アシスタント」なのだから、これくらいは要求しても良いでしょう。『有意義』の 2 話目で順位が良かったのは、明らかに中井の力です。話が面白ければ、そのあとも順位は落ちなかった──かも。

自分が中井の立場だったら、当然のように今後の待遇を心配するはずです。それならば、七峰にちゃんと状況を聞いたほうが良い。

──と思わせないくらいのマイナスな迫力があるよなぁ、いまの中井は……。作者も、読者に共感させる気は まったくないと思う。


こんな状況でも、七峰は中井の態度を責めません。小杉を怒鳴ったように、中井に当たり散らさないのは なぜか?

やはり、七峰にとって中井は最後の持ち札なのでしょう。担当者が使い物にならなくても、「判定人」が半分に減っても、中井の画力さえあれば──と七峰は考えている。

絵描き同士、七峰と中井は力を合わせて再出発して欲しいです。『有意義』でも新連載でも良いから──。

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