『魔法少女まどか☆マギカ』 (PUELLA MAGI MADOKA MAGICA)

happy accident (13375)
(きみと──相まみえる幸せ)

アニメ史に残すべき第 3 話がやってきました! 第 1 話から見続けていたら、1 時間くらいで「あの場面」がやって来る──。何という展開の早さでしょうか。

ただし、『まど☆マギ』は「魔法少女ものにしては過激な場面がある」というだけのアニメではありません。この作品で真に評価すべきな点は、マミさんのおっp繊細な心理描写です(台なし)。

第 3 話で まどかと父親の知久と話す場面は、とくに素晴らしかった。自分の妻のことを尊敬できるし自慢できると子どもに語れる夫は、世間に何人いるでしょうか? この夫婦と一緒に暮らしているから、まどかは優しい良い子に育ったのです。

ていねいに心情を描く場面があるからこそ、『まど☆マギ』は名作になれました。これ見よがしに残酷な物語を押しつけるだけのアニメだったら、すぐに飽きられたでしょう。

第 3 話 「もう何も怖くない」

上条恭介(かみじょう きょうすけ・声: 吉田聖子)の病室に美樹さやかが訪れる場面は、ふんいきが最高です。

ガサツな言葉づかいと態度の さやかにも、女の子っぽいところが あるのだな──と視聴者には初めて分かる。本当の彼女は心優しくて女性らしいのだけれど、そういった性質に気がつけるのは、とくに親しい友人だけでしょうね。ちょっとソンをしている性格です。


マミがキュゥべえと契約した時の回想が出てくる。この場面も不思議です。都合良く事故現場にキュゥべえが現われたのは、偶然なのか──それとも、契約するのに絶好のタイミングを狙っていたのか。

また、マミの願い事は何だったのかも気になります。これまでに判明している限りでは、「家族を蘇らせて欲しい」ではないはず。彼女の身内は、遠い親類しかいなくなりました。

「魔法少女になる代わりに、死者を生き返らせる」ことができるのかどうかも、現時点では不明です。キュゥべえの口調からすると、これくらいの奇跡も起こせそうな気がしますが……。

おそらく、願い事を考えている余裕さえなかったマミは、「死にたくない」とだけキュゥべえに伝えたのでしょう。彼女からすれば、キュゥべえは命の恩人です。暁美ほむらをマミが嫌う理由も、これでよく分かる。

とはいえ──、夜の公園で ほむらと会った際のマミは、すこし腹黒に見えました。じつは まどかの才能に気がついていたり、いじめられっ子の発想ね──などと言ったりする。マミが黒幕(何の?)なのか──と思ってしまう。


魔法少女は、他人のために願い事をして良いのか──。じつは、これが『まど☆マギ』の大きなテーマになってきます。

上記のことを質問するさやかに、マミが真意をたずねる場面は素晴らしかった! マミの口調が厳しくて耳をふさぎたくなるし、地味な場面ではある。このような会話は、見たくなかった人もいるのでは? しかし、こういう心情をていねいに描けるのはすごい。

マミは、心の底から仲間が欲しかったはずです。誰にも知られずに、たった一人で戦うのは、さみしい。まどかと さやかとの出会いは、本来であれば飛び上がるほど喜んで良いと思う。

それなのに、さやかのことを思って、わざと冷たい言葉でマミは忠告する──。友人のために嫌われる覚悟で話すなんて、オトナになっても できない人は多い。とても中学三年生の言葉とは思えませんね。


まどかにとって、魔法少女として──ひとりの人間として、尊敬ができて あこがれの対象であるマミが、初めて弱みを見せる場面も秀逸です! 独りで戦い続けることは、本当に心細かったのだろうなぁ……。

魔法少女になれる素質──というかキュゥべえが目をつける条件は不明ですが、おそらく何百人・何千人に 1 人だと思う。そんなチャンスが目の前にあるのに、まどかにも さやかにも、よく考えて契約するように──とマミは言うのです。

普通の中学生だったら、キュゥべえと一緒になってマミが契約をせまっても おかしくありません(そんな二次創作が見たいぞ)。ホンマに、エエ子やなぁ……。


さて、いよいよ魔女戦ですが──。

SPECIAL|魔法少女まどか☆マギカ
魔女図鑑: 「お菓子の魔女」 | SPECIAL|魔法少女まどか☆マギカ

この魔女・Charlotte(シャルロッテ)の本体は、じつはイスに座っていた ぬいぐるみではないか──とネットでは言われています。実際のところは、現状では分かりません。ほむらが「本体」を踏んづけたから倒せたのか、何度も爆破したのが良かったのか──。

もしも、動かなかった側が本体だった場合は、一気に決めさせて もらうわよ! の場面で、マミがもう一つのイスも倒していれば──、と考えてしまいますね(あの時、どうやって銃を連射したのだろう?)。

参考: File:Ep3 Charlotte Fake JP.jpg - Puella Magi Wiki


シャルロッテは ほかの魔女とは比べものにならないくらいに優遇されています。まず、下のグッズなどで、 公式に名前が公開されている。本編でも、コラージュではなく「普通のアニメ」で動いています。

かわいらしい魔女の容姿だけに、「頭に押し当てた銃をゼロ距離から撃つ」マミは──、ちょっと(かなり)こわかった。この時点では、今度の魔女は これまでのヤツらとはワケが違うという ほむらの言葉も意味が分からなかったはず。


巴マミが「マミさん・マジカル・ステップ」(マミカル・ステップ?)で変身して、スタイリッシュに魔女を倒して、キュゥべえが「契約~契約~」と言う。──そんな展開がずっと続くと思っていたのに……(最後だけ当たっている)。

でも、そんな状態が 10 話くらい続いてから、目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるって、そういうことよ──を見るほうが、よっぽど つらかったかも。

どちらにせよ、悲しい別れですね……。

第 4 話 「奇跡も、魔法も、あるんだよ」

卵の黄身を見てマミを思い浮かべる まどかは、ちょっと ひどい。気持ちは分かるけれど、「黄色 = マミ」という公式は、どうなんだろう。


魔法少女を非難できるのは、同じ魔法少女としての運命を背負った子だけ──とキュゥべえは語る。前回の最後で、グリーフ・シードを拾う時に ほむらが言っていたことと重なります。

じつは、まったく逆の意味で 2 人に ほむらは忠告していました。「あなたたちとは関係のない世界のこと」だから、「魔法少女には ならないで」──という意味が込められていたのです。分かりにくいよ!

さらには、あなたを非難できるものなんて 誰もいない──と まどかに対して ほむらは言う。ほむらの優しさが、ほぼ初めて まどか(と視聴者)に届きました。本当は、第 1 話から ずっと思いやりがあったんですけどね、ほむらは……。


魔法少女の過酷さは、「わけの分からない敵と戦う」だけではありません。どれだけ人や街を守るために戦っても、誰からも褒められない。最後は、人知れず消えてしまう──。まどかを説得するには、十分な言葉の重さを ほむらは持っています。

たった 1 人で戦い続ける ほむらにとって、彼女のことを絶対忘れたりしないと言う まどかの言葉は、何よりも ありがたかったでしょうね。

それならば、なぜ、まどかが魔法少女になることを ほむらは阻止しようとするのか──。


むくわれないのは魔法少女だけではなく、さやかも同じでした。献身的な さやかに文句を言う上条には、ガッカリしましたね。ただ、自分の生きがいを奪われたら、誰でも上条と同じ気持ちになると思う。どんな優しさも、上から見ている者の同情に感じる。

まどか・さやかの前から あっさりと去ったのに、ここで突然現われるキュゥべえには、ほんのすこし黒さが出て来ました。ただたんに「少女たちの願いをかなえるマスコット」ではないな──とようやく分かる。


黒さと言えば、「緑」こと仁美も本性を出して、ボディ・ブローで まどかを襲う! ──って、ネットでは「緑 = 腹パン」とネタにされていますが、よく見ると普通に「手を出して まどかを止めている」だけなんですよね。

その仁美を操っている魔女は、公式サイトでは おどろおどろしい姿です。面白いことに、劇中に出てくるテレビ・モニタの中では、「かわいらしい少女(のシルエット)」でした。これは、「いつまでも可憐な少女でいたいと思う魔女の願い」なのかも。

SPECIAL|魔法少女まどか☆マギカ
魔女図鑑: 「ハコの魔女」 | SPECIAL|魔法少女まどか☆マギカ


さやかが魔法少女になることは、誰にも止められなかったでしょう。その重大さは、まだ完全には明かされていません。だから、魔女を倒す さやかが格好良かった! と軽く思える。新しい魔法少女・佐倉杏子の登場も、ワクワクして見られますね。

いまのところは……。

おわりに

(テレビ放送やネットの配信では)第 3 話からエンディング・テーマが流れました。このノリの良い曲は、劇中でも何度か挿入されて、気分が盛り上がります。シッポまでおいしい鯛焼きのように、イントロからずっと聞き応えがある。

エンディングの映像は意味深です。さやかとマミは まどかの「手前側」、杏子と ほむらは「奥側」にいる。そして、「どこか」へ歩いて行く まどかに向かって、ほむらは手を伸ばす──。どういう意味でしょうね?

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