『バクマン。』 129 ページ 「青春と末路」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 20・21 合併号)

Hope
(闇の中にいるからこそ──光がよく見える)

前のページで平丸は、マンガに対する姿勢を中井に問い詰めています。「お前が言うな!」と思ってしまいましたが──、今回のページでは、その不純な気持ちは同じであることを平丸自身も認めている。──ちゃんと自覚はあったのか……。

平丸もエイジも、「世間から自分は どう見られているか」をじつは意識していて、発言や行動に気をつけています。メチャクチャな言動をしているのは、なれた(なめた?)相手の前が多いんですよね。

天才たちは、意外と社交的だったりする。

褒められたものではない動機でも、ちゃんとした結果を出しさえすればいい。そうすれば、他人からも認められます。中井だって、アシスタントとしては一流の仕事ができるはずだから、ヤケにならずに前を向いて欲しい。

それにしても──、呼吸をするようにヒット作を生み出すエイジには勝てないけれど、刺身の上にタンポポをのせる仕事レベルで平丸は連載作品を生み出せる。もうすでに、アニメ・フィギュア化も済ませています。

平丸をうらやましいと思うのは、中井だけではなく、サイコーも同じでしょうね。ひとりの女性を振り向かせるためにマンガを描く──という点ではサイコーと同じですが、天才は遠く先を行っている。

僕も同じだ !!

そんな天才でも、女性関係では凡人と並んでいます。蒼樹との関係を、ただのお茶友達であると平丸は認めている。中井や第三者からすればうまくやってるように見えるのに、まったく進展していない。

この発言を聞いた福田が、「じゃあ オレが──」と蒼樹嬢にアタックしたら、面白いのになぁ。仁義に厚い彼が、友だち──いや知り合いのオンナに手を出すとは思えませんけどね。福田自身がオクテだし。

私を殴ればいい

4 段ぶち抜きで蒼樹紅が登場です! いつでもどこでもスタイリッシュな蒼樹は、急に登場しても美しい。

凛ッ!(by. 『めだかボックス』)とした態度の蒼樹を見ていると、心のケガレが浄化されます。まさに女神ですね(作品が違う?)。

闘ってきた 意味が…

蒼樹が平丸を責める場面は、いままでも多かった。それが 2 人の親密さを表している──と普通なら感じるところだけれど、彼女は初対面でもがんがん自分の主張を通す人だからなぁ……。

ゆるふわヘアだし、目が垂れ気味だし、泣きぼくろもあるし、おとなしそうな幼い顔をしている──わりには、性格がキツめの蒼樹さんです。そのギャップが、魅力の 1 つですね。男と男の戦いに割り込んできた彼女の行動もまた、漢(おとこ)らしい。

そう言えば、『バクマン。』ガールズは、みんな強気な女性ばかりですね。少年マンガのヒロインたちは、たいてい気が強いけれど……。

逆恨み…… わかってる…

中井が自分の思いを打ち明ける しんみりとした場面だけれど──、福田・高木のツッコミーズが冷静に茶々を入れています。

たしかに中井は、不真面目な気持ちでマンガに取り組んできたように見える。しかし、一時期は真剣にマンガと向き合っていた。それも事実です。

亜城木夢叶も福田も、マンガに ほぼ人生の すべてを かけてきたから、中井の言葉は まだ甘く感じるのかもしれませんね。蒼樹だって、恋もせず(できず?)に がんばっている。

──ますます、のほほんと脱サラして天下の「ジャンプ」で人気作家になった、平丸ひとりが浮いているなぁ……。

もう 何もない

『hideout door』の連載を始める前と連載中は、本当に中井は輝いていた。その時の光がまぶしすぎて、いまの彼は自分を見失っているのでしょう。

未来の希望は人生を温かく支えてくれるけれど、過去の栄光は重荷になる。いつかは、捨てなければ行けません。


平丸とシュージンは、中井に感化されています。でも──、高浜のところでアシスタントをしていたころの中井を知っているから、彼の涙も 40% くらいは薄まって見える。

つくづく中井は、応援のしにくい人物ですね。

平丸が中井に同情している理由は、次のページで分かります。── 100% ムードに流されている。

かつて、シュージンはその場の勢いで、カヤとの結婚を決意しました。その結果は上々なのだし、時にはノリで決断することも大事かもしれません。

──彼と違ってあまり若くない平丸に、同じことが言えるかどうかは、疑問だけれど。

[2] このページの一番上へ戻る