『バクマン。』 133 ページ 「励みと想い」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 25 号)

Poisson d'avril
(魚を盗んだのは──同一犯かと思われる)

新妻エイジが、読者アンケートの 1 位を狙っています。呼吸と同じレベルでマンガを生み出す天才ですら、「ジャンプ」の頂点は手ごわかった──。

ここで、ちょっと想像してみましょう。

現実世界の「ジャンプ」で、人気アンケートの順位が現在 1 位なのは、おそらく『ONE PIECE』でしょう。2 位と 3 位は、『NARUTO 』・『BLEACH』・『トリコ』あたりが取り合っているはず。

参考: ジャンプ掲載順考察

2 位以下のマンガが、この状況で『ONE PIECE』を抜く週があるかというと──、うん、ありそうな気がします。じつは、書き出すまでは「むずかしそうです」という結論を導きたかったけれど──、だるい回想シーンの回がありますからね……。

そう考えると、2 番手がいくら面白い話を描いても、『ONE PIECE』が不調の回と重ならないと、なかなか 1 番には ならないでしょう。つまり、実力だけでは 1 位を獲りにくい。

それでは、エイジも同じなのかというと──。

よく 寝てたな

助け合うための 2 人組だろとサイコーに言われたあとの、シュージンの表情が面白い。寝ぼけたような顔をしています。なんだか妙に かわいらしい。

これが「原作を仕上げた夢」だったら、こわいケド。

夢オチでは なかったですが、まだまだピンチは続いている。シュージンは まだ本調子ではないし、『PCP』の順位も二桁のままです。読んでいて、こちらも不安になってくる……。

まだアイディアが…

とうとう新妻エイジの『CROW』が 1 位になりそうです。長く続けてきた連載のため、新鮮味を出すことはむずかしいはず。それでも、獲ろうとして 1 位を獲ってしまうところが、エイジのすごさです。

エイジを 2 位と差をつけてる勝ち方にしたのは、実力で勝ち取ったことを強調しているのでしょう。上位の状態や運ではなく、本当に面白い作品を描かないと、2 位を引き離した 1 位を獲ることはできない。

さて、いままでも力を抜いていなかったはずだけれど、なぜ急にエイジは頂点を目指したのか──? 考えられることは、次の 3 点です。

  • 嫌いな マンガをひとつ 終わらせる権限の発動
  • トップに立ちたかっただけ
  • 亜城木夢叶を励ますため

今の流れから考えて、「『PCP』 つまんないから 終わらせてください!」とは ならないはず。また、まったく脈絡なく ほかの作品をエイジが終了させるのも、考えにくい。『+NATURAL』をやめる──くらいでしょうか。

ほかの 2 つの理由だとすると──、ここまで引っ張ってきた亜城木のドラマとは、あまり関係がないような気がします。

もしかして、「シュージンのスランプ編」は今回で終わりで、エイジを主体とした別の話が すでに進行中とか? おお、それだったら面白い!

──これで次回、亜城木とエイジが「上位同士 お互いに もっと 頑張りましょう!」とか言い合って終わったら、イスの脚がもげる(そうなりそうな予感がするなぁ……)。

久しぶりに ファンレターを

サイコーが言うとおり、ファンからの手紙を出す時期が絶妙です! 自分もさすが 服部さんと思った。シュージンの気持ちが すこし上向きになってきている今が、ベストでしょう。

これが港浦だったら、シュージンが もっともショックを受けている時期あたりに、手紙の束を持ってくるはずです。読者の中にも、その状態の時に渡すほうが良い──と思った人がいるのでは?

繊細な心を持つシュージンのことだから、落ち込んでいる時にファンの励ましを読んだら、「なんとかして 読者の期待に応えなければ……」と必要以上に重く受け止めるでしょう。ますます原作が書けなくなる。

贈り物は、タイミングが重要ですね。

同一犯の可能性が

前回の金庫侵入事件は、『PCP』の一場面をマネた犯罪なのかどうかは、けっきょく分かりませんでした。

しかし、今回は違う。亜城木夢叶の作品に対する明らかな侵害です。犯人は、『PCP』の熱烈なファンなのかもしれませんね。聖地巡礼の一種だとしたら、こわい。

それとも、亜城木に恨みがある人の犯行でしょうか。でも、外部の人間とは ほとんど交流のない作者だしなぁ……。もしくは、『PCP』が面白すぎて、受験に落ちた人とか。

ところで、「銀行強盗」の成功率は おそろしく低いのに、金庫に侵入するだけなら捕まらないのか──と不思議な感じがしました。『PCP』──というか『バクマン。』を読んで、現実世界で実行するヤツが出てこないと良いけれど……

ここまで やられると ………

アシスタントの安岡が、電話 しないんスか? と聞いている場面は、個人的にツボでした。何かあると、福田は亜城木に電話をかけていますからね。安岡のモヒカン──いや頭の中では、ニュースの画面を見ながら、すでに連絡する福田の姿が再生されたに違いない。

とはいえ、こんな状況の時に、まわりの人間は何を言えるでしょうか? シュージンと同じような状態を考えるのは むずかしいけれど──、友だちが事件に巻き込まれたら、どうしたら良いのだろう? 自分には、何もできない気がする。

「何もしない」という選択が最善の場合もあるし、ほんの一言で相手が立ち直ることもあります。最良の答えは「状況による」だけれど、どんな時に何をしたら良いのか、自分の頭で考えることが重要でしょう。

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