『バクマン。』 135 ページ 「連続と阻止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 27 号)

Horse racing event
(勝つために──逃げる)

「福田組」のメンバたちが、新妻エイジの仕事場に集まりました。ここにいる人の数は、合計すると 8 人です。この人数には、何か見覚えがあるような……。

創作物における主要な登場人物は、大昔から「5 人」が黄金比率でした。それが最近では、「8 人」になったのかもしれませんね。そう言えば、「約 5:8」も黄金比です。

黄金比 - Wikipedia

または、「七峰透編」のように、上記作品の作者同士で順位を競っていたりして。つまり、「主要人物の 8 人が集まったあと、いったん別れて戦う」という展開を描く企画だったわけです。

──などという「都合の良い例だけを集めた でっち上げ」を信じないように、みなさんもお気を付けくださいね!

自分で 終わらせたい形

新妻エイジが、胸の内を語っています。右のページを読んだ時には、『+NATURAL』と同様に、マンネリ化した展開に飽きてきたのかと思いました。実際には、まるで違う。

『CROW』を嫌いなマンガだと言った真意は、自分には納得ができません。どちらかと言うと、「好きなマンガだからこそ やめる」という感じです。

おそらく、エイジが初めて「権限」のことを言いだした時には、作者もその意味を固めていなかったのでしょう。「嫌いな」の部分は、面白おかしくするための味付けだったと思います。もしくは、本当に気に入らないマンガを切るような人物に設定していたとか。


とはいえ──、自分のマンガを終わらせる時期は 自分で決めるとエイジが思っていたことには、説得力があります。彼なら、本当に描く前から 決めていたでしょう。

最近のエイジは、表情が険しかった。それだけ真剣にならないと、天才・新妻エイジといえども、「ジャンプ」で 1 番にはなれない。

──といった部分には、十分に納得ができました。

ただ、エイジの態度が急に変わった(ように読者には見える)のは、不調な『PCP』を読んだ直後です。完全に読者への引っかけだったわけで、心がモヤモヤする。

ホントに「大場さんめ~」って感じです(笑)。

参考(?): 『まどか☆マギカ』斎藤千和さんによると第10話は「すごいけど、虚淵さんめ~」という感じになるらしい|やらおん!

僕の方から 出した条件

大人気マンガを作者の希望で終了できるなんて、佐々木編集長も物わかりが良い。──と思ったけれど、最短でも 20 週分・コミックス 2 巻分は描く必要がある。何だかんだ言って、まだまだ「金の成る木」は手放さない。

しかも、「ずっと 1 位を獲る」という条件です。エイジだから受け入れられた条件で、ほかの作家にはムリでしょう(『ONE PIECE』の尾田先生 以外は)。

「ジャンプ」で連載したマンガが、人気絶頂のうちに終わることは、これほど過酷な道のりなのか──。人気があるうちに終了した「ジャンプ」マンガは、過去に何作あったのでしょうかね? 『ジョジョの奇妙な冒険』なら、最高潮で終わった部もあったかも(6 部あたり?)。

難しい 問題ですよね

この場面でも、ほとんど高浜は一人で しゃべっています。アニキ肌の福田が面倒を見なければ、高浜の独り言で終わっている。

──なぜ、亜城木夢叶は無言のままなのだろう……。「高浜昇陽を応援する人を応援し隊」隊員としては、なんだか悲しくなってきます。


ほかに何か描きたいテーマが決まっているから、エイジは『CROW』を終わらせるのかと思っていたら、違いました。しかし、いま描いている作品に全力を尽くすのは、いかにもエイジらしい。

エイジが次に描く作品は『CROW 第 2 部』でも良いのでは? ちょうど上で例に出した『ジョジョ』で言うと、第 2 部から第 3 部への変化みたいに、同じ世界の話でありながら、世界観はガラッと変える。それなら面白そう!

──エイジさえ納得すれば、編集長も雄二郎も読者も、全員が喜ぶ展開だと思うなぁ……。

ヒットするとは 限らない

マンガ(というか仕事)に対する考え方がまるで違う高浜と平丸──という場面のようでいて、じつはよく似ています。

2 人とも、お金を中心にして創作を考えている

高浜のほうが、「多くの人に自分の作品を読んでもらいたい」と思っています。でも、それならば、ジャンルの違う新作マンガを次々に発表するほうが良いはず。

個人的には、平丸の考えのほうが好きです。しかし、完全に引退はせずに、しばらく遊んで、その経験で面白いマンガを描いて欲しい。そういった「再出発」をして成功したマンガ家は、現実世界にも いるのかな……。


この場での蒼樹紅は、すっかり平丸のお守り役になっています。かわいらしいけれど──、場の ふんいきに合っていません。

彼女は否定したけれど、じつは平丸の言っていることこそ、この会合のテーマそのものです。

すなわち、何のためにマンガを描いているのか

上で書いたように、高浜と平丸は、「マンガを描いたあとの結果」(金銭面や人気)を中心に考えています。ところがエイジは、たぶん「マンガを描くことそのもの」のことしか頭にない。

同じ気持ちです

このまま大人数で、各自のマンガ論を聞いているのも面白かったです。ただ、『バクマン。』は少年マンガなのだから、やはりバトル展開に行くほうが良い。エイジに「やめないでください!」と言うのもヘンだし。

福田は、戦いの口火を切る役目が似合いますね。アフロよりも編集者に向いている。実際、福田のおかげで「ジャンプ」が盛り上がった──という部分も大きいと思います。さすが、組長ですね!

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