『バクマン。』 143 ページ 「お金とリサイクル」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 35・36 合併号)

crow - 3
(今日も真面目に働く──アルバイト店員)

今週号の『バクマン。』は面白かった! いま発売中の『バクマン。 (14)』の中で、「勝負所の話を出す時期を調整してライバルの出鼻をくじく」という場面が出てきます。同じように、『HUNTER×HUNTER』の再開と合わせて今回を盛り上げたのかと思いました。

いよいよ東たちのウラにいる「黒幕」が、本格的に登場します。最初のページからその姿も描かれている。

ところが、途中で「黒幕」の正体を勘違いしてしまいました。自分でも「そんなヤツおらんやろー」と言いたくなるような間違え方をして、ひとりで面白かったです。それは明日に書くとして、今回も最初から 1 ページずつ感想を書いていきます──。

本当に やりたいこと

お金持ちなのにマンガ家を目指す人は、白鳥家の長男だけではなかった。「黒幕」の父親も大きな会社を持っているようです。──格好だけは立派な「窓際族」という可能性も 0 ではないけれど。

さて、この「黒幕」の正体は……?

「Seven Perk Company」と思いっきり社名が出ています。しかし、最初に読んだ時は見落としていました。なるほど、7 つの──ん?

「峰」は英語で peak ですケド。

peakの意味 - 英和辞典 Weblio辞書

ということは、七峰透ではない可能性もありますね! 今回の話では、一度も「七峰」という単語は出てきません。ここまでやって「七峰のそっくりさん」オチだったら、ものすごい引っかけです!

──まぁ、コミックスで修正されるかな……。

読み切り 3 連弾て…

年齢に関係なく頑張っている人を応援するサイコーと、新人に機会を与えるべきだというシュージンとの間で、完全に意見が割れている。

どちらかと言うとサイコーは、年齢が上の人だからこそ支援したい──という意見ですね。川口たろうの無念が、サイコーの胸の中にも残っている。

シュージンが言う若い人との感覚の違いは、おもに話の内容について語っていると思います。実際には『ぱんちらファイト』の原作者は別にいたわけで、その指摘は当てはまりません。

話だけではなく絵にも、年齢による差が表われるでしょうか。たしかに、いまとなっては「古い絵柄」を描いていた作家が、絵の描き方を変えて──失敗した事例も多く見ます。「自分の絵」を長く描いてきたからこそ、急には切り替えられない。

そう考えると、何とか「イマドキの絵」を描けている東美紀彦は、現代でも十分に通用する作家です。もちろん、「作画の担当者なら」という話ですが、彼は以前からこの絵柄でした。いままで放っておいた編集者にも問題があると思う。

蒼樹紅がデビューする際に、作画担当者が見つからないため、相田班長はサイコーを引き抜こうとしていました。わざわざコンビを解消させなくても、東のような人材はまだまだ残っていたはずです。

それなりに面白い作品

新井先生だけで ギリだろというセリフには、「ギリギリ許せる」という意味と、「義理」がかかっていると見た! それはともかくとして──。

最初にシュージンの言っていたことは、往年の作家に対して編集部が 力入れるのは おかしいという客観的な見解でした。それなら同意できる。もしも編集者たちが、「昔の作家だから」特別な待遇をするようになったら、「ジャンプ」も終わりです。

ところが次には、たいした実績もない 歳取った作家なんて 「ジャンプ」に必要ないといった感情的な主観をシュージンは言っている。持ち込んできた作品の良し悪しではなく、「昔の作家だから」毛嫌いしているように見えます。

どちらにしても、作家の年齢にこだわりすぎだと思う。

たとえば、少年誌よりも下の年齢層に向けた雑誌は、オトナたちが作るしかない。シュージンたちよりも年上の絵本作家なんて何人もいるはずです。


最後には厳しい世界という言葉を極端な意味で使ったりして、いつものシュージンとは違う印象でした。普段の建設的で冷静な彼とは大違いです。

おそらく、シュージンなりに「何か良くないことが起こっている」ことを警戒しているのでしょう。だからイライラしている。状況がよく分からないところも、腹が立って不安になる原因です。

サイコーは「面白い作品なら載せるべき」という当然の考えで、編集長の言葉を借りている。シュージンよりは落ち着いた意見だと思います。しかし──。

──よく聞いてみると、2 人とも「ジャンプ」の編集者が言いそうな意見なんですよね。最後にはすぐに仲直り──というか仕事への切り替えまでして、オトナになった 2 人です。

かつての七峰が夢見ていたような、編集部の 言いなりには ならない「革新的な 考えを持った作家」は、もういない。デビュー前のサイコー・シュージンは、もっとヤンチャでした。初対面の服部を値踏みするサイコーの目は、いつまでも忘れられない。

何でここに 来てるんです?

わりと ひどいことをハッキリと言うほうのエイジです(ほう?)。たしかに、『CROW』が終わったのに雄二郎が通い続けているのは、不自然ではある。単純に考えて「未発表の面白いマンガが大量にある部屋」だったら、自分も通いたいですけどね。

ここで、ふと思ったけれど──。

編集者とマンガ家との垣根を越えて、禁断の関係になろうと雄二郎が申し出たら──つまりは、「友だちになろう」(ずこー)と言いだしたら、エイジはどんな反応をするだろう?

マンガの鬼・新妻エイジのことだから、仕事は仕事でキッチリと線引きをするはずです。──いままでは、仕事中でも雄二郎は馴れ馴れしく接してきたけれど、その態度を直させるかもません。

その上で、プライベートでは 2 人で「コンビニの前でダベったりー、茶ぁシバいたりー、オンナあさりに行ったりー」したら面白い(自分が想像できる精一杯の若者文化)。

現時点では下のような時間配分になっていますが──、

  • 新妻エイジの仕事時間 = マンガを描く
  • エイジの個人的な時間 = マンガを描く

──アフロと友だちになることで、個人の時間はマンガ以外で遊ぶようになるでしょう。そうなると、マンガがおろそかになる──のではなく、作品の幅も広がる。お互いのメリットばかりです。

そのうち、エイジもアフロになったりして。


まぁ、そんな展開にはならないと思うので、妄想は妄想だけにして、だれか 冬の薄い本 たのむ。

ついでに、岩瀬愛子や蒼樹紅といったマンガ家さんたちに 「マン」をつけられたりする本も、大至急、よろしく(なぜ女性限定?)。

あの読切 断トツ 1 位だ

『ぱんちらファイト』はエイジも絶賛している! ──この作品のキャッチコピーは、これで十分だと思う。

エイジの反応は意外でした。後半の展開を読むと分かるとおり、『シンジツの教室』と同じような感想──絵上手い方でしたとか作者の顔が 全然見えませんなどと言いだしても おかしくありません(『バクマン。 (14)』 p.105-106)。

『ぱんちら』のやり方が うまくいった証拠ですね!


東には原作者がついている──とエイジに指摘されて、ようやく雄二郎は その可能性に気がつきました。遅すぎるよ……。

以前に新人の小杉編集は、編集者に必要なのはマンガを 見極める目だと言っています。先輩の雄二郎に付いている つぶらなお目々は、いったい何を見てきたのだろうか……。

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